インターネットあっちこっち

おじさんが、水族館や動物園に行ったり、そのへんでお酒を飲むブログです

あっちこっちいった目次

動物園・水族館

国内(北から)

紋別市のオホーツク海への扉「オホーツクタワー」と「とっかりセンター」
「東北の海」が身近になる、「仙台うみの杜水族館」その1
地下鉄で行く山の上の動物園、八木山動物公園
アクアマリンふくしまの「大人の宿泊ナイトツアー」に参加してきたーその1(まずは1人で回った)
アクアマリンふくしまの「大人の宿泊ナイトツアー」に参加してきたーその2(「大人の宿泊ナイトツアー」本編)
桐生が岡動物園とジャパンスネークセンターに行ってきた
晩夏の那珂川でアユを食べたり魚を見たりしたこと(観光やなとなかがわ水遊園)
すみだ水族館の夏イベント「お江戸の金魚ワンダーランド」を見てきた
公園の一角にある以外と充実した動物園、江戸川区自然動物園
高島平の小さな大自然、板橋区立熱帯環境植物館と板橋区立こども動物園分園に行ってきた
小さな聖なる丘の小さな動物園、夢見ヶ崎動物公園
初夏の野毛動物園と適当な飲み歩きの記
離島の小さな動物園、大島公園動物園に弾丸ツアーしてきた
花と鳥の涅槃、掛川花鳥園に行ってきた
伊勢志摩水族館めぐりー海獣が近い水族館「二見シーパラダイス」と重要文化財の元高級旅館「賓日館」
伊勢志摩水族館めぐりー志摩マリンランドと志摩観光
琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その1)博物館編
琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その2)水族館編
動物が近い!よく動く!改装なった京都市動物園

船舶・水圏

東京水辺ライン「いちにちゆらり旅」

東京水辺ライン「いちにちゆらり旅」に乗って隅田川と荒川を上ったり下ったりした(その1 隅田川遡上)
東京水辺ライン「いちにちゆらり旅」に乗って隅田川と荒川を上ったり下ったりした(その2 岩淵水門~荒川河口へ)
東京水辺ライン「いちにちゆらり旅」に乗って隅田川と荒川を上ったり下ったりした(その3 荒川河口~両国船着場へ)

オホーツク海で乗った2隻の流氷観光砕氷船、「ガリンコ号2」と「おーろら」
アクアマリンふくしまの「大人の宿泊ナイトツアー」に参加してきたー番外(横に泊まっていた巡視船をまじまじと見た
伊勢志摩水族館めぐりー番外・鳥羽湾めぐりとイルカ島
大島公園動物園探訪余談・ジェット船のこと、ツバキが綺麗だったこと
東京消防庁の消防艇の祭典、「水の消防ページェント」を見てきた
水の消防ページェント2016に参加した消防艇とヘリコプターたち
東京みなと祭で公開されていた消防艇「みやこどり」と掃海艦「つしま」
海の日のイベントで水産庁の漁業取締船を見てきました
「東京のミニパナマ運河」を自称する扇橋閘門の一般公開を見てきた
メカメカしい機械たちと熱心な係員さんたち、とても楽しかったJAMSTEC横須賀本部一般公開(その1 海底広域研究船「かいめい」とそのメカ)
はるばる日本にやってきたメキシコ海軍の帆船「クアウテモック」とホストシップの「おおなみ」を晴海ふ頭で見た
2018/02/03 定点観測:横須賀

早くまたライオンバスに乗りたい!2019年12月の多摩動物公園

紅葉の終わりの時期、いつも遊んでいるオタクで集まって多摩動物公園行こうかという話がまとまって、ゆるゆると出かけることに成りました。

https://www.instagram.com/p/B5gz00zgYTD/

チョウの楽園、昆虫生態園から

事前の話ではアフリカの猛獣重点的に見ましょうみたいな話をしていたのですが、多摩動物公園初めて勢が割りといたので、せっかくなので昆虫館ちゃんと寄りましょうとまずは昆虫生態園へ。


そして幸先の悪いスタート。
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導入展示がいいんですよね、この先にあるものをどうやって作り上げているのか、しっかり説明していて。どれだけ伝わっているかはなんとも、というところありますが。
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いつ行ってもチョウの楽園だなーと思うし、さらにいうと天国に近い空間の気がする。
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このあと昆虫館本館見たんですが、これ下で死んでるっぽいやつも合わせて数えるのかな……

動物だけじゃなくて紅葉も良い

この日は日差しも暖かく、東京だと動物園は晩秋まで楽しめるなと思いました。また、園内の木々がきれいに色づいていて
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なかなかの紅葉だと思いません?

冬の猛獣たち

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ライオンバス*1乗り場はだいたい完成してそうだったんですが、
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ライオンエリアはまだまだ工事中。どう仕上がるか楽しみですよねー。
ライオンバス、2016年3月末に運行休止になったので、もう4年走ってないのか。手軽に味わえる非日常としてすごく好きだったので運行再開が待ち遠しいです!
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ライオンたちは片隅の仮放飼場で日向ぼっこしおりましたが、
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しかしこのメスライオン、宅飲みで飲みすぎてひっくり返っているオタクのようだ……
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なんか周りをカメラに囲まれておすまし顔のチーターがよかった。

アフリカ園からアジア園へ

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アフリカ園はほかも工事中で、キリンは工事中側の割と人気のない方に固まっていました。大体の動物園で数頭しかいないキリンが10頭以上いて、群れっぽい感じ見せてくれるのは多摩動物公園の特徴の一つですよね。そして遠景にキリンが沢山いて模様が重なり合っているの、迷彩効果というか、視覚をハックされるようなグネグネ感がある。
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食べ放題タイム。
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アフリカ園のアフリカゾウ。ゾウはいつも堂々としていて大したものである。
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この日のチンパンジー山(?)は喧嘩とかもなく静かな感じ。時々めっちゃ揉めてることありますよね。
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なんだか寒そうにしていた1頭。
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「ピーチ」・「プラム」母娘、だったと思う。
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オランウータン舎ではオランウータンが毛布をかぶって寒そうに。
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おチビちゃんは特に寒そうな感じはなくウロウロしていました。
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あと、コアラがめっちゃ人気で、人でギュウギュウでなかなかコアラ見えないくらい。俺もちょっと顔上げたり葉っぱ食べてるだけで人々から歓声を浴びせられたい……。
ところで皆さんも御存知の通り、いまコアラのふるさとオーストラリアでは非常に大規模な森林火災が起こってあまりにも多くの野生動物たちが被害に遭っているようです。多摩動物公園ほかで募金の取り組みを行っているとのこと、リンク貼っておきます
www.tokyo-zoo.net

仮住まいの生き物たちとか

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上でも書きましたがアフリカエリアが一部工事中のため、工事現場で飼育されていた生体たちが別エリアに収容されており、こちらは完全に仮設宿舎住まいといった佇まいのアラビアオリックスとダチョウ。
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シマウマもなんか妙に日本ぽい光景の中に放り込まれている。
あとなんか近くにモウコノウマが何頭もいるところもあって、アフリカ園の改修と関係ないだろうにどうしたんだろう。
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涼しいのになんとなくムスッとしてるユキヒョウ
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改修といえば、この猛禽のフライングケージ、規模も大きく中に滝まであってスケール感はとてもいいんですけど、なんかもうちょい写真撮りやすくならないかなというのは思ったんですよね。折そのものは仕方なかもしれないけれど、鳥たちがよく休んでいる滝の裏側のところもうちょっとスッキリしないかなとか。

アジア園南回りルートで動物公園中央へもどる

アジア園南回りルートというのはいま思いついた名前なんですが、オオカミのところからトキ類やタンチョウの居るケージの方に降りていくルートで、途中なんの動物もいない区間がままあって、意味もなくハイキング気分が高まるルートです。割と好き。
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これはモウコノウマが(本来の)放飼場でもう一頭に棒を渡そうとして拒まれているところ。*2
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オオカミ、段々と個体が減って全体的になんとなく寂しい感じが漂っています。
ここからゆるゆると歩き

などと益体もない話をしたり、
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ルリイロコンゴウインコに威嚇されてたりしつつカモ類のバードケージへ。

小さいけどすごい「モグラのいえ」

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コツメカワウソ、特に人間と古い関わりがないのになんでこんなにあざとい可愛さがあるのか……。ユーラシアカワウソとかもっと野獣感あるじゃないですか。
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「おしどり夫婦って言葉あるけどオシドリってちょいちょい繁殖パートナー変えるんですよね」
「他の種からヒトの規範をどうこうしようという発想はだめだよねー」
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こちらは「モグラのいえ」内部。屋内にめぐらされているメッシュのパイプがモグラの移動経路となっており、日頃は土の中で見えないモグラたちの生活がわれわれの目に触れるようになっています。
モグラはエネルギーの貯め方がピーキーに調整されている*3生き物なので飼育が難しく、動物園での展示は非常に希少です。自分の経験だと多摩以外で見たのは佐世保九十九島動植物園「森きらら」くらいですかね。
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パイプの中を移動中のモグラはこんなふうに見えます。
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こちらは「モグラのいえ」のカワネズミの展示。みなさん御存知の通り、カワネズミも「ネズミ」と名がついていますがモグラの仲間であり、やはりエネルギーの貯め方がピーキーで、しかも採餌を行うのが水辺/水中という大変飼育の難しい生き物なのですが、2010年代前半から徐々に飼育に取り組む園館が増えてきた印象。飼育のノウハウなど共有されているのかな。日本国内の割と広い範囲に生息していながら余り人々に馴染みのない生き物なので、どんどん展示されるようになるといいなと思っています。なおこの写真だとカワネズミ本体は説明文の左下の逆U時のパイプのところに詰まっております。

あと!!「モグラのいえ」の中暗くて本体もちょこまかとよく動くのでうまく写真撮れなかったのですが!!!トウキョウトガリネズミ*4も飼われていてこれも他の園館では見れないやつです。こんなに小さいのによく哺乳類やっているなってびっくりするのでぜひ見に行って!

と最後に大興奮したタイミングで日も落ちてきたので撤収。85%くらい*5回れたかなという感じでした。毎回来るたびに、多摩動物公園は1日で見るには広すぎるよなーと思うのでした。

*1:ライオン放飼場内を走るバス。ミニサファリパークみたいな感じです

*2:求愛なんですかね?

*3:食べないでいるとすぐ餓死するし、多めにエサをやると脂肪肝で死ぬ

*4:みなさん御存知の通り、これまた「ネズミ」と名がついていますがモグラの仲間

*5:トラ・アジアゾウあたりを見れていない

「東北の海」が身近になる、「仙台うみの杜水族館」その2


の続きです。ふむふむと水槽見て回っていたら、館内放送で総合生き物ショーの"STADIUM LIVE THE GROOVE"の案内があったため、なにはともあれショーが開催される「うみの杜スタジアム」へ。イルカ含めた海獣たちにどういうショーをさせるかというのは各水族館のコンセプトがダイレクトに現れるところなんですよね。

鳥まで飛ぶイルカショー

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1000人超え収容のスタジアムですが陣取り始めたときはまだ数百人が待機といった情勢。
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ショーが始まりイルカたちがジャンプを見せるのですが、
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その時芸を披露しないイルカたちはサイドプールに引っ込んでおくというちょっと面白い展示の仕方。
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そしてなんと言ってもこういう人獣一体のパフォーマンスは見入っちゃいますよねえ。
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イルカショーの是非っていうのは当然論じられるべき課題ですが、人間側の期待をあえてどう裏切るか、みたいなことが考えられているのであれば、必要なことなんじゃないかと思っています。
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こちらはマリンピア松島水族館から移籍のご長寿組によるパフォーマンス。
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ルリイロコンゴウインコの紹介(特に何かはしなかったような)。
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花鳥園なんかでもショーで使われているハリスホークも登場。トレーニング手法が国内で確立されているんだろうなあ。
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こういう、観客の視線を方々に分散させるショーは極めて現代的だと思いました。

スタジアムバックヤードツアーで聞けた色々なお話

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ショーのあとは入館直後に申し込んでいた「スタジアムバックヤードツアー」へ。うみの杜水族館、様々な魅力的なオプショナルツアーがあるんですが、旅程の関係でこちらのみお邪魔することにしました。バックヤードに繋がる扉、スタジアムの定員が書いてあります。この回で同行となったのは小さいお嬢さんを連れた若いお母さんで、どうもこちらの水族館常連組という感じでした。
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入念な靴の消毒を経て最初に入った部屋にいたのがルリイロコンゴウインコ。大好きな鳥のひとつなんですが、それはともかく、ショーを見ながら、というか、バードショーを見る度に疑問だったことを訊いてみました。
ゆりしーず「ショーであれだけ飛んでいるということは初列風切羽のカットとかしていないと思うのですが、逃げたりしないんですか?」
飼育員さん「いや、逃げることありますよ、ハリスホークもインコも逃げます」
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という流れで見せもらったのがこの追跡機。これを付けておいて、鳥が逃げてしまった場合、電波強度によるBeep音の差異を頼りに車で探しにいくんだとか。なお、ちゃんとメモしていないのでうろ覚えなのですが、逃げてしまってもハリスホークは比較的近くにとどまり、インコは遠くまで飛んでいってしまうそうです。多分縄張り意識の差なんだと思う。いざ見つけると、ハリスホークには肉を見せ近寄ってきたところを、インコは名前を読んで近寄ってきたところを捕まえるとのことでこの辺も種の差が大きいなあと思いました。
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次いでアシカの部屋へ。アシカの飼育舎の裏側始めてみましたが、こちらはそれほど広くなくて、各個体が1室ごとに飼われていたのが印象的でした。ここで飼育されているのは計4頭のカリフォルニアアシカ。写真でもちらと見えているとおり、それぞれの飼育室のところに簡単なプロフィールが貼ってあります。
飼育員さん「アシカたちのプロフィール見てなにか気がつくことありません?」
と言われるも、生体の個体自体にはあまり関心のないゆりしーずは困ってしまったのですが、落ち着いて考えてみると、アシカのみんな、誕生日が梅雨時期前後に固まっているんですよね。
ゆりしーず「ひょっとして、繁殖時期が春先~初夏ということですか?」
飼育員さん「そうなんですよ、さすがですね*1。国内の館園だと、南から北へちょっとずつ季節がずれるんですよ」
と教わりました。今まであまり飼育動物の誕生や死去、他の館園への移出入に興味なかったのですが、繁殖時期を覚える手がかりとしてもうちょっと興味払ってもいいのかなと思った次第。
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このあとはアシカとの握手タイム&写真撮影タイム。よくある館付きの係の人が撮影して「気に入ったら買ってくださいね」ってやるやつです。おじさんが一人アシカと握手してる写真買ってもなと思って遠慮しましたが、売らんかなの押し付けがましさはなくて、好感が持てました。
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ふたたびスタジアムに戻ると今度はイルカの見学。
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レーニングの成果でお腹を見せながらぷかーと浮いてくれるバンドウイルカ/ハンドウイルカのリンクくん。名前の由来はもちろんお腹の白いリングです。
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FGOのイベントでも話題になりましたがやっぱイルカの口の中怖ええよ。
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ショーのスタジアムから見える外の風景。非常にのんびりした郊外という感じですが、震災のときにはここまで津波来てるんですよね……
イルカ見たあと、これにて解散という流れだったのですが、案内してくれた飼育員さんがなにか聞きたいことあったら言ってくださいねと非常にフランクに話してくれたので、ゆりしーずがいつどこの水族館に行っても気になっている「こちらの水族館は海水どこから導水しているんですか」というやつを訊いてみました。すると「塩釜港沖で汲んだ海水をタンクローリーで日に10回くらい運んできています」とのこと。「目の前の仙台港の海水ってやっぱり水質的に使えないんですかね?」と聞き返すと、「水質的には問題なくて、パイプラインみたいなものを引くことは可能なんですが、うちは震災後に作られた水族館なので、そういう施設を作るといざという時に問題が起きるのではないかということに成りまして」というようなことをおっしゃってました。総水量約3000tに対して1日100t前後というと*2、個人の水槽の水換えから考えれば結構している方かもしれないな、という印象かなー。
なおこのツアーを担当してくれた飼育員さん、名古屋港水族館から転職してきたそうで、「名古屋港の水は水族館に使えませんね、重金属等の問題で、無脊椎動物が生きていけません」などといった興味深い話まで教えてくれました。
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こちらがタンクローリーが海水を運び込むタンク。


なお塩釜にも行きました


「廻鮮寿司 塩釜港」、名にし負う回転寿司と思いましたです。

*1:みたいなことを言われました。平日にソロで水族館来てバックヤードツアー申し込んでいるので相当な水族館好きと思われていた模様

*2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieiej/36/5/36_329/_pdf

「東北の海」が身近になる、「仙台うみの杜水族館」その1

https://www.instagram.com/p/B22tZv6gIda/


実は3年前に
hms-ulysses.hatenablog.com
このイベントのときに、たまたま同じ食卓になった宮城の女性グループから、「仙台うみの杜水族館、すごくいいですよ」とおすすめされていて、一度行ってみたかったんですよね。その後、仙台自体は出張で行くことがあったんですが、水族館まで足を伸ばすことができず、というのがあり、ますます思いが募っていました。ということで今回の旅行のメイン目的地と相成ったわけです。その割にはシャトルバス平日もあることを知らずに中野栄駅からてくてく15分歩いたりしましたが……

導入展示が良い

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入館してまず見える水槽がこれ。マボヤの養殖場を模したもの。普通だったら海面上しか見えない施設を下から見上げるの、視線と頭の切り替えにすごく有効です。
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次いで三陸沖の海をイメージしたメイン大水槽「いのちきらめく うみ」。自然光を取り込んだ素晴らしい水槽で私の写真ではちょっと魅力を伝えきれません。2つ目の水槽がメイン大水槽という構成は結構珍しい気がします。「どういう水域にフォーカスした水族館か」というコンセプトがわかりやすく前面に出ている。
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これはイワシ玉を突き回すスナメリ。定置網で混獲された若年個体を保護し今に至るとの説明板がありました。


このスナメリこんなこともしていて、コイツがいることで水槽全体がややシャキッとしている気がします。

東北の海と川

大水槽のあと、親潮に住む生き物たちや三陸海岸の藻場に住む生き物たちが小さい水槽で展示されています。
ここで特徴的なのが
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そうだよね!東北といえば海女だよね!

これは上の写真撮った時に近くの水槽にいた人ですが、海女の様子を演じているのではなく、水槽のコケ取りをしている係の人でした。
とか
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養殖カキの筏の様子を再現した水槽などがあり、海の利用と利用される生き物という視野が強く主張されているところですね。
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向かって左、稚貝がついた状態。
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向かって右、大きくなったカキ。カキ筏の周りには結構色々色さかながいついているんだよというのは宮島水族館のカキ筏水槽*1でも説明されていたな。
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こちらは小さいけど力作な定置網再現水槽。
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小型熱帯魚*2を漁獲対象魚に見立てて、魚が箱網に入り込んでいく様子を再現しています。
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これはその定置網で混獲されて水族館に寄付されたヨシキリザメ。国内最長飼育記録を更新中との由
*3
定番、地元の希少種の繁殖なども。


深海魚に触ってみようというコーナーも有りましたが、冷凍保存されていたので触ってみても「冷凍された魚介類だな……」という印象がまず先に立ちました……*4
外に出ると広瀬川を模した連続水槽。こちらも自然光なのがいいですね。
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水槽の脇には川沿いに住むリスの小屋や

両爬の展示もありました。

さて、実際はこの後イルカショー見て、ショーのバックヤード見学をしたのですがそこは別の記事とするとして、2階の世界の海へと登っていきます

コンパクトに世界一周、「世界のうみ」

「世界のうみ」はおおむね世界各地のエリアごとに大水槽が一つといくつかの小水槽、という構成の展示となっていました
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オセアニアエリアの大水槽、珊瑚礁の海
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ヨーロッパエリアの大水槽、バイカルアザラシ。こちら廃業となったマリンピア松島水族館から移籍のご長寿個体とのこと。

チョウザメも長寿種だから移籍組いるんじゃないかなあ。
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んで、アフリカエリアの大水槽、この流れだとマラウイ湖タンガニーカ湖のシクリッド辺りかな、と思ったところ、ツメナシカワウソのペアの水槽でした。めっちゃ動いてて写真撮りづらいこと撮りづらいこと。
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ザブンッ!
どうも今調べてみたところ、メスのくるり、伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイス(旧二見シーパラダイス)出身らしいので、この時1回会ってるかも。
hms-ulysses.hatenablog.com


小型水槽にはシクリッドとかサビトマトガエルとかがいましたよ。
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アメリカエリアは大水槽2つありまして、こちらは南アメリカの大河。魚類の方はピラルクー、コロソマ、オキシドラスなど定番なんですけど、陸上の方、左上、見難いのでズームで迫りますと
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アカハナグマ*5が混合展示されていました。ちょっと所在なさげ。
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もう一つの大水槽はイロワケイルカで、こちらもマリンピア松島水族館からの移籍組。
「え、これシャチ?」って言ってるお客さんがいましたが、さすがにさすがに。
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アジアエリア、は、大水槽というほどのサイズではないですがウミガメのいる水槽がメインなのかな。
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テッポウウオとか、
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ニシキアナゴにちゃんとピント合った!などという感じで見て回ってエリアの外に出ると
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最初のメイン大水槽「いのちきらめく うみ」の2階部分に戻ってくるという凝った構成でした。

海獣ひろば・クラゲ

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クラゲコーナーはシンプルに集客力バフだなと思いました。
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順路に沿って2階の屋外スペースに出るとそこは「海獣ひろば」。さんさんと照る日光の下、ペンギンやビーバー、オタリア、アザラシなどがいるのですが、日光がさんさんと照っているので水槽のアクリルの照り返しで写真撮れねー。
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寒くないとダメなペンギンの水槽。
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寒くなくてもどうにかなる方のペンギン。
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ペンギンの赤ちゃん
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なんだか困った顔つきのオタリア
などがいました!

いやー楽しかった楽しかった(ブログ書きながら行った当時の気持ちになっている)、仙台うみの杜水族館、水族館好きじゃなくていろいろな人に勧めていきたい水族館でした

*1:おすすめ!

*2:レッドファントム・ルブラのはず

*3:【記録を更新!】7月26日ヨシキリザメ飼育1年突破 | 仙台うみの杜水族館

*4:四方八方から観察できるのがポイントというのはわかります

*5:クマとつくけれどアライグマの仲間です

地下鉄で行く山の上の動物園、八木山動物公園

ささやかな夏休みが9月後半に取れたので
https://www.instagram.com/p/B2zoJ76gRiq/


という感じで夜行バスで仙台に降り立ち、ネットカフェでで時間を潰してそこで読んだ『関根くんの恋』がかなり良くてじんわりしながら、仙台駅から地下鉄東西線に乗って八木山動物公園に向かいました。

地下鉄を出るとそこは山の上だった


タイトルにも描きましたが、八木山動物公園駅は2019年現在ではレール標高が136.4mあって日本一高いところにある地下鉄駅だそうで、更に駅5階*1に登るとすごい見晴らしのいい景色が広がっていました。仙台市、海に面しているのだけれど、ここまで来ると海は遠いなというのがわかります。
https://www.instagram.com/p/B20FJgXA2PL/



なんかこの週、宮城県の遠足日和だったみたいで、行く先行く先にキッズたちがいっぱい。

これは後で見かけたラクダ舎で説明受けているお子さんたち。
さて、それはともかく西門入口から入ったのですが、ちょっと歩くと

こういう、向こうにゾウが見える奥行きのある景色が広がっていて、いきなり引き込まれます。

反対側に回ってゾウ側から見るとこんな感じ。

キリンとシマウマは混合展示でそこにゾウの姿をうまく入り込ませてるんですね。

シマウマの放飼場の堀のところがサイの運動場みたいになっていて、工夫だなと思いました。

子サイもいました。戦ったら絶対勝てないけどかわいい。

シマウマ放飼場の横のアビシニアコロブス。薄日の気持ちの良い秋空で思わずひとあくび、という感じ。

なおこれはサービス精神がまったくなく尻をこちらに向けたまま動かないカバです。

充実した飼育点数

八木山の尾根線に沿ったそこそこ広さがある動物園で、様々な動物が飼育されているわけですが、爬虫類館だと

瞳のつぶらなブラジルカイマンと

水換えをしてもらった水槽の水をごくごくと飲むケヅメリクガメなどが印象に残りました。

かつて宮城県にたくさんいたシジュウカラガン。個体数の回復のための活動などもしている由。

チンパンジー舎は今風ですが、

旧世界ザルの飼育舎ってどこの動物園でも割と古いままであること多いですよね。

それでも、ジェフロイクモザルには7月終わりにメスの赤ちゃんが生まれていて、ずっとお母さんのお腹にしがみついていました。

ちょっとユニークだったのが猛禽舎で、地元の学校の生徒などに背景(?)の絵を書いてもらっていたみたい。

国内動物はだいたい寝てました

午前中まあまあ早い時間に回ったんですけど、暑さが一段落した時期だったからか、日差しに照らされて寝てる動物の多かったこと多かったこと。

アナグマ

テン、

タヌキ、天敵がいないからというのはもちろんあるにせよ、大変くつろいでました。

イノシシは藤棚の下がヌタ場になってて、その横で寝てて、うらやましくなるくらい気持ちよさそうだったんだよなあ。

猛獣が近い!


猛獣もフルセット*2とは行かないまでもいい感じにて飼育・展示されていまして、こちらは最近、広島の安佐動物公園からやってきたライオンの「サン」。まだ成獣に成りきってなくてネコ感が強い。

スマトラトラの放飼場。植樹が密で水面も広く取られており、すごい立派です。


トラも堂々たる感じで歩いていて、見ていて飽きませんでしねー。

ホッキョクグマもこんな感じで、


https://www.instagram.com/p/B20Q-0cA9KI/

手が回りきっているわけではないけれど

旧世界ザルの飼育舎のところでも書きましたけれど、アップデートされきれてないところもあって、例えばビーバー舎なんかもこういう感じで昭和で時が止まったようではあるんです



https://www.instagram.com/p/B20UPBSgTzt/
あとこういうところがあったりとか。

でも、リニューアルされているところの方向性はまっとうでまっすぐなので、少しづつ良くなって、ずっと頑張っていってほしい動物園だと思いました。行った甲斐ありましたよ。楽しかった!

おまけ

*1:5階ってどういうこと?ってエレベーターに乗り合わせたカップルの人が言っていたの、ですよね、地下鉄の地下から5階の出口ってなに?ってなりますよねと思いました

*2:という概念が実際にあるのわかりませんが、僕はライオン・トラ・チーター・ヒョウがいると猛獣フルセット揃ってんなーと思います。類人猿フルセットはもちろんチンパンジー・ゴリラ・オランウータン