オホーツク海で乗った2隻の流氷観光砕氷船、「ガリンコ号2」と「おーろら」
2016年の3月初頭、オホーツク海に面する道東の海で紋別の「ガリンコ号2」と網走の「おーろら2」という2隻の流氷観光砕氷船の乗り比べをしてきました。
ドリル(のようなもの)のついた砕氷観光船、紋別の「ガリンコ号2」
横断幕のアザラシのキャラクターがかわいいオホーツク紋別空港経由で道東入り。羽田から約2時間ほどのフライトでした。
紋別に来たからにはまず、これを見ないわけには行きません!
カニの爪!!7トン!!
ひょっとしたらこの下にくそでかいカニ本体が埋まっているのではないかと思わせる。しかし、説明板があるのだからどうして爪だけのオブジェが個々にあるのかを語ってくれても良さそうなものなのですが、雪に覆われた北の大地は何も答えてはくれなかった……。
なお、カニの爪付近から見渡した海はこんな感じで
海岸付近に流氷は見えず、流氷観光のコンディションに若干の不安を覚えつつとりあえず昼ごはんへ。
流氷が来てるってことは、当然漁船も漁に出れず
いわゆる朝どれの地物というわけには行かないのだろうと思いますが、
紋別市内の「まるとみ」さんの海鮮丼は美味しかったです!
昼食後「ガリンコ号2」の窓口に問い合わせると15時からの便は催行が決定してて*1、流氷本体は遠いけれどもそこから流れてきた流氷には入っていけそうとのこと。わくわくしながらレンタカーを「ガリンコ号2」の発着場に向けます。
窓口でチケットを購入した後は基本的には屋内で待っていればいいんですが、せっかくだしと桟橋にでて乗船準備中の「ガリンコ号2」の外観を見学。
なんとも特徴的なフォルム。この「ガリンコ号2」、氷海作業船のプロトタイプとして三井造船が建造した先代「ガリンコ号」を元に新造されたもので、船首のドリル状のものはアルキメディアン・スクリュー。流氷を先端で削って進むわけではなく、小さな流氷なら海面下に巻き込んで進路上からどけ、大きい流氷であればネジ構造によって上に乗り上げてスクリューと船の重さで割るという仕組みです*2。
ちなみにこちらが観光ターミナルの近くに陸揚げされて展示されている先代の「ガリンコ号」
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ふむふと「ガリンコ号2」を眺めていると係員のお兄さんが、「天然記念物のオジロワシがすぐそこの防波堤に止まってますよ」と教えてくれました。
おおっ!いたっ!!
見回すと隣の防波堤の上にも2羽!
「ガリンコ号2」が出港して防波堤に近づくとちょっと驚いたのか2羽飛んでいったんですが1羽が悠然と残っててなかなかいい写真が撮れた。
ということで、観光ターミナルを出港。
防波堤の外側はかなりうねってました。
海に出て15分ほどで流氷、というか「はぐれ流氷」の帯のようなところに到達!
紋別というところに遊びに来ています
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 2, 2016
アルキメディアン・スクリューが活躍し始めます。
流氷をガリガリしてるドリル @ Mombetsu, Hokkaido https://t.co/swbgnssYNo
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 2, 2016
幅の広くない、言ってみればかわいい流氷ですけれども、実際自分の乗った船がその中をグイグイ進んでいくのを目の当たりにするとすごい興奮しました。
アルキメディアン・スクリューが氷を海面下に押しやって
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押しやられた氷が舷側*3の海面下から飛び出てくるのを飽きもせずに見てました。もちろん寒かったけですけれども、ユニクロのダウンジャケットにフード被ってるとだいぶ平気だった。ちなみにずっと外の展望デッキにいる人はあんまりいなくて、大体の人は温かい船室や展望室と展望デッキを出たり入ったりでした。船室には温かい飲み物その他を売ってる売店なんかもあって寒さが苦手な人も安心です。
はぐれ流氷の帯の中を一周りして30分ほどで流氷体験はおしまい。
航行中の「ガリンコ号2」はこういう感じです。オホーツクタワーの展望室から撮影。
ちなみに下船後、先ほどオジロワシがいることを教えてくれたお兄さんが「いまはオオワシも来てますよ!」と教えてくれました。
おおっ!いたっ!!
この日なんだかんだ猛禽類が来ていたの、港内に小魚がだいぶ集まっていたからだろうとあとから聞きました。直前まで吹雪続いていたし、空腹のワシが多かったのかな。
流氷も楽しめバードウォッチングもでき、大満足の流氷観光でした。
ちょっと大きめ、快適な砕氷観光船、網走「おーろら」
「ガリンコ号2」乗った次の日、えいえいっとレンタカーを運転して網走に向かいました。
国道238号、走っても走っても新手の牧場が出てきてすごい
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 3, 2016
網走監獄博物館や北方民族博物館を見学した後*4、流氷観光砕氷船「おーろら」の発着場になっている道の駅「流氷街道網走」へ。
僕らが乗るのは「おーろら2」でした。氷の上に乗りやすいように丸められた砕氷船首が特徴的。
前には「おーろら」が停泊中。
桟橋から見回した感じだと流氷はあまり近くになさそうなのですが、だいたい出港後10分くらいでもうこんな感じ。
網走沖の方がちゃんとした流氷という感じだ。うっすらと知床半島が見える @ 網走流氷観光砕氷船オーロラ号 https://t.co/tdrYaI2JQV
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 3, 2016
右側の遠くの方に光っているのが夕日を受けた知床半島。
エサをもらえると思っているのかカモメがついて飛んで来ます。
こちらでもオジロワシとオオワシが一緒にいるのを見ることができました。すごい幸運だったんじゃなかろうか。
飛び去るオオワシ。
飛んでいるオジロワシ。
(右上がケラれてるのは無視してください……)。見たわす限り流氷!常にどっちを向いても流氷で興奮しながらぐるぐるぐる見回してました。
オーロラ号は普通の砕氷船首なので船首側はガリンコ号ほど派手ではない感じ。 @ 網走流氷観光砕氷船オーロラ号 https://t.co/46In5WmfoK
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 3, 2016
流氷の端の方の氷
メカ的な面白さで言うと紋別の「ガリンコ号2」に軍配が上がるんですけれども、周辺の観光スポットとかお店の多さで言うと網走のほうがいろいろありました。なお流氷がどれだけ接岸しているかは風向きその他で半日のうちに変わってしまうそうなのでこの辺は自分の運を信じて行ってみるしかないようです。*5
ともあれ、氷の海の中を進んでいく感じ、とても不思議で面白いので皆さんに是非オススメしたいです!