霧雨の中の駐屯地祭、「第12旅団創立16周年 相馬原駐屯地創設58周年記念行事」
やまない雨はないけれど
ブログIDからおわかりの方もいるかもしれませんが、このブログではあまり取り上げていないものの、わたくし、ミリオタでして、自衛隊のイベントなどにも時折出かけております。んでたまにはちょっと変わった駐屯地祭にでも行こうかと、ミリオタの友人とミリオタじゃない友人を誘い、レンタカー仕立てて群馬県は相馬原の第12旅団創立記念イベントに行くことにしました。第12旅団は陸上自衛隊の部隊の中でもヘリコプターが比較的多く配備されている部隊で、ヘリがばんばん飛ぶような訓練展示が見れるかなと期待していたのですが……
週半ばからの雨が土曜まで引きずられ会場の相馬原飛行場は霧雨の中。
すでに始まっている高機動車の体験搭乗も心なしか避難民輸送のような雰囲気が出ています。
本日の壁サークルであるヘリコプター地上滑走体験抽選券配布*1ブースに並びます。当たるといいなあ……。
観閲式が始まった頃の様子。
霧雨に包まれて何もかもがうっすらとしています。
なお、今年*2は翌9日の滝ヶ原の駐屯地祭もこんな感じだったらしい。
時間が進むに連れてきてちょっと収まりましたがこの程度、やはり訓練展示その他でのヘリの飛行は中止となってしまいました。残念!あと、地面がビシャビシャなので観覧者の多くが立ったまま傘をさしており、写真のアングルがかなり難しくなったのも残念といえば残念。
雨天のいい面としては、車両がヘッドライトつけてるだけで何だが雰囲気が出るところですかね。
なお記憶が定かではないのですがこの観閲行進の前後で、東京近郊の駐屯地ではあまりないようなやたら長い来賓祝辞・来賓紹介・祝電紹介その他が延々と行われており、一緒に行った人たちと思わず
「旅団本部としてはやはり担当地域の全部のメンツを立てているのかな」
「政治家の名前多すぎるし、単に上州戦争の名残では……」
というような会話を繰り広げました。
旅団本部のイベントなので後方支援部隊のはたらく車たちがいっぱいパレードするの見てて楽しい。
きちんとした行進と訓練展示の写真を狙うなら来賓用スタンドの滑走路向かって左手に陣取るのが良さそうでしたが、多分そこから埋まっていくんだろうと思います。我々は7時東京駅集合で9時過ぎに現地着でしたがすでに写真の好スポットは全部抑えられていた感じ。都心から行くなら前泊とか始発頃に動き始めて道々友達拾っていくとかしないとバッチリの写真は難しいかも。
出撃!車懸りの陣
偵察隊のバイクによるバイクドリルのあと、いよいよ訓練展示が始まります。
滑走路端に想定された敵の拠点方向に、第12偵察隊のオートバイと87式偵察警戒車が偵察に向かいます。
敵の応射を受けて一旦退却する87式偵察警戒車。砲塔は敵の方に向けたままです。
偵察隊の報告を受けて火力陣地に展開する師団特科隊*3の155mm榴弾砲FH-70。
こういう牽引式の大砲は移動形態から射撃形態に切り替えるのに少し時間がかかるものなんですが、その切替中、写真のように新潟は高田駐屯地の第2普通科連隊*4の軽装甲機動車*5がぐるぐると砲の周りを走り回っており、場内放送によると「上杉謙信公が第4次川中島の戦いで用いたという車懸りの陣で援護します!」とかなんとか。これ完全に『天と地と』だったらむざむざとやられるやつや……。ご当地ネタ挟んでくるのは土地柄なんだろうなー。
FH-70に加えて迫撃砲も展開を終え
普通科部隊が敵と撃ち合っているところで
バーン!!!!
ズガーン!!!!
と敵陣に向けて射撃。駐屯地祭で撃たれるのは空砲なんですが、いやはや、それでも何度聞いても大変迫力があります。
迫撃砲も砲身に弾薬を落として撃ったフリ。
火力の集中で敵が怯んだ隙に先ほどから展開していた普通科部隊のほか、旅団の残余も追撃に加入。敵を追い払って訓練展示END。ヘリが飛べる状況だったら、偵察と追撃のところでヘリ部隊が投入されたのかなーと思いました。
戦いすんで日が暮れて
駐屯地祭の常として、訓練展示が終わると来賓向けの祝賀会場への移動放送などが流れ始め、だいたいのことが終わった雰囲気が醸し出されます
FH-70も再び移動形態へトランスフォーム。
分解して持って帰られる81mm迫撃砲。
ということで我々も午後の装備品展示の前に腹ごしらえと、桜並木の売店会場に移動。群馬の山裾の方では桜にはまだ少し早く、かき氷が投げ売られていたのが印象的でした。
思い思いにご飯を買って駐車場に戻り、レンタカーでご飯。
僕は群馬に詳しい同行者の1人がプッシュしていた「登利平」の「鳥めし竹弁当」をチョイス。
コクはあるのにしつこくないタレが鶏肉にもご飯にも染み渡っていて、常温のままでもとてもおいしい!ボリュームもあって満足度が高かったです。ビールでもさくっとあけたいところ、今日は運転手なのでがまんがまん。
足湯と榴弾砲が大人気
お昼ごはん食べているときから「地上滑走」*6をしているCH-47の音は聞こえていたんですが、訓練展示で出そこねたAH-1Sも出てきた模様。
大規模イベントに出動する携帯電話の臨時基地局っぽい「野外通信システム」の車載システム。
こちら、第12旅団の一部部隊が駐屯する宇都宮駐屯地からやってきた中央即応連隊所属の「輸送防護車」。オーストラリアの「ブッシュマスター」という装甲車の日本向けのもので、戦闘やIEDの脅威がある地域から現地の邦人を避難させる際に使用する車両。地雷を踏んだ時に爆風をうまくそらすため、車体の底がV字型になっているのが見て取れます。2016年度現在で計8両しか購入・配備されていない、かなり珍しい車両です。
記念塗装のOH-6D。なんかWeb1.0って感じがする。
人気を集めていたのは訓練展示でも活躍していたFH-70榴弾砲。多くの人が思い思いに射手席?みたいなところに座らせてもらってました。
あとここの装備品展示、最近どこの陸上自衛隊のイベントに言っても展示されている、場合によっては自衛隊のイベントじゃない防災関係のイベントとかでも展示されている96式装輪装甲車が展示されてないのが返って印象的でした。ヘリで運べない重さの装甲車*7なので第12旅団には配備されていないんですね。空中機動歩兵って本質的には軽歩兵だよなというのと、旅団長手持ちで一番重いの87式偵察警戒車で、動ける火力としては対戦車中隊が編成に残されてるんだなっていうのはミリオタとしてフームとなった次第。
この他人気だった野外入浴セット2型による足湯。
雨で寒かったというのと、隊員の人たちが「ぜひ寄っていってください!」「足湯ですからSNS等へのアップもOK!!」って頑張って宣伝していたのが良かったんだと思う。野外入浴セット、災害時に自衛隊が設置する臨時のお風呂として段々有名になってきてますが、災害時じゃないときでも体験してホッとして貰える機会があるの、多分いいことなんだと思います。
コブラ、飛行場には来ていたのに近くに寄れませんでした。
なお最後ですが、「徳の高い男のtumblrには化学消防車の画像が流れてくる」という俚諺を思い出したので飛行場配備の化学消防車の写真をおいておきますね!
こののち適当にドライブしたあげく榛名神社など行ったのですがそれはまた後日!