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インターネットあっちこっち

おじさんが、水族館や動物園に行ったり、そのへんでお酒を飲むブログです

琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その1)博物館編

友人の慶事にあわせて京都を訪問し、
hms-ulysses.hatenablog.com
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と2ヶ所、個人的に行きたかったスポットに行ったのですが、その第三弾、滋賀県立琵琶湖博物館の訪問記です。
早起きできてうまく時間を使えれば琵琶湖博物館京都水族館のはしごできるかなーって思ってたんですが、慶事の後に止めてもらった別の友人の家ですっかりよく寝てしまって


となった次第です。バスとJRを乗り継いで昼過ぎに到着。
https://www.instagram.com/p/BMdGl7RjgJd/

館内のセンターホールから広く琵琶湖が見えるようになっています。
https://www.instagram.com/p/BMdLDmkjxDe/

滋賀県の動く湖、琵琶湖


さて琵琶湖と言いますとすごい古い時代から存在する「世界でも有数の古代湖」と呼ばれる湖なわけですけれども、別にすごい古い時代から滋賀県の真ん中にあったわけじゃないんだよーと教えてくれるのが最初のA展示室「琵琶湖のおいたち」です。
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琵琶湖周辺の地層の切り出し。ハチャメチャに折れ曲がっている地層が地殻変動の激しさを物語っています。
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地殻変動の結果、現在の滋賀県三重県の県境付近にできた「大山田湖」が現在の琵琶湖の祖先であり、そこにはこの写真のような牙と顔の長い古代ゾウ「ステゴドン」などが生息していたようです。そして引き続く地殻変動とともに湖だった時期と低湿地だった時期を交互に繰り返しつつ、段々と北上していっておよそ40万年前に現在の琵琶湖が成り立ったとのことで、なんともスケールの大きな話だ……。
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琵琶湖を誕生させた地殻変動は、大陸から日本列島を切り離すこととなり、大陸と日本列島で段々と淡水魚の系統も異なっていくことになります。しかし、琵琶湖には大陸と同系統のコイ科クルター類「ワタカ」が生き残っていて、固有生物の多い琵琶湖の生態系の一端が示されます。地形の変化が遺存者のように固有種を残していたわけで、でかいから固有種がいるってことだけじゃないんですね。
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こちらは「琵琶湖の研究室」を概念的に示したコーナー。魚の骨格や標本、地層や化石などが展示され、現在どのようにそれぞれの研究が行われているのかざっくりと示してくれます。顕微鏡とかのぞけて、お子様にも大人気でした。

昔からめっちゃ利用されていた琵琶湖

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B展示室は「人と琵琶湖の歴史」がテーマ。固定の遺跡・異物を調査する方法の紹介から始まります。方法っつうか、壁で水域を囲んで中の水を抜きます、みたいな豪快なやつなんですが……。
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貝塚の展示も、発掘現場を模しつつ奥に背景置いて、なんといいますか「広がり」をイメージさせようとしているのがいいですね。
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江戸時代の産品や水運品目の紹介。
別に室町時代の沿岸の港の様子なども展示されているんですが、「やっぱ京都近いと古くから高度に利用されんだなー」というのが南関東人としての素直な感想です。
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展示室の真ん中にドーンと置かれている琵琶湖の水運船「丸子船」とその横は漁船「ハリブネ」(左)。
丸子船は和船の構造材である両舷の「おも木」に巨木を2つに割ったものを使用しているのが特徴だそう。江戸時代中期には1000隻を有に超える丸子船が活動していたものの、東・西回り航路の整備によって少しづつ勢力を減らし始め、明治期以降の鉄道の整備により姿を消していくことになります。*1
ここで展示されている丸子船はかつての姿を残そうと、ベテランの船大工さんが製作したものだそうです。
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ちなみに、博物館の屋上デッキから見た極めて現代的な琵琶湖利用(?)。

いま、琵琶湖とともに生きるということ

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C展示室のテーマは「湖のいまと私たち」。湖岸のアシ原/カヤ原に住む生き物の展示から始まります。こちらは巣の中で丸まっているカヤネズミ。


https://www.instagram.com/p/BMdPcDLDa6l/
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田んぼの圃場整備が生き物に与える影響とそれを低減させる取り組みについての展示です。
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田んぼの生き物としてダルマガエル(だったと思う……)なども展示されていました。
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琵琶湖に流れ込む川もまた琵琶湖に大きな影響を与えるということで、源流部の生き物の剥製、林業や治水の様子なども展示されていました。単に湖水面だけが琵琶湖じゃないというのはよく考えられて主張であり展示だと思います。
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さて打って変わって雑誌やポスターと日用品や家電製品が並ぶこのコーナー、何かといいますと現代とから段々と過去の時代へと遡っていく言わばタイムトンネル。この先には……
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昭和39年の彦根市にあった民家に行き着きます。
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ガス台普及前のカマド。「カミクド」とも呼ばれているのは興味深いですね。「おクドさん」だと京都の呼び方なんだけど、この地方独自の呼び方なんだろうか……。
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もちろん単に古民家だということで展示されているわけではありません。オモヤと別にカワヤと呼ばれる建物があり、そこでは水路から引き込んだ水を食器や食材の洗い物に使っていました。右の枡形の部分がカミナガシとシモナガシと言われる洗い場。この一番下手にはコイが飼われていて流れてきた食べ残しなどを食べていたとのこと。水とともにあった暮らしを保存して展示しているコーナーなのでした。

「琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その2)水族館編」に続く予定です