晩夏の軽井沢で「軽井沢の鹿鳴館」三笠ホテルを見る
8月の終わりにあるイベントを観覧するために軽井沢に行ったので、そのついでに三笠ホテルを見てきました。
www.town.karuizawa.lg.jp
三笠ホテルは在日外国人が別荘地・避暑地として利用した軽井沢に、明治後期、日本人の設計・建築によって開業した純西洋式木造ホテル。外国人の他政財界の要人や文人の逗留も多かったとのこと。太平洋戦争中は外務省出張所が置かれ、向かいに位置する臨時スイス公使館となった深山荘とともに戦時外交の一端を担いました。戦後は米軍に接収されて保養施設となった後、営業を再開。1970年に日本長期信用銀行に買収されホテルとしての歴史に幕を下ろしました。今では営業当時のほぼ半分の建物が残っています。
今では映画くらいでしか見られない「ホテル」の雰囲気
オタクが絶対好きな感じのフロント。あるいは三谷映画にでもでてきそうな、とも言えるでしょうか。
ロビーから見上げる本館2階。古い時代のガラスがそのまま残っているため、景色がほんのりと歪んでいるのが分かるでしょうか。
ホテルのそこかしこで見られるこの意匠は3つの笠を組み合わせた「三笠ホテル」のマーク。「M」と「H」も隠し字として配置されています。
入り口すぐの資料室となった部屋には、往時の宿帳や年表、今はもうない施設の写真などが展示されています。
すべての部屋にある暖炉に「避暑地」の涼しさが
部屋を回り始めてすぐに気がつくんですが、客室には必ず暖炉があるんですよね*1。
夏以外の時期の軽井沢の涼しさ・寒さがうかがえます。
採光のためだと思うんですが、窓を広くとってあるのも室温に影響しそう。
2階のスイートルームでは写真撮ってる僕の後ろ側に暖炉がありました。奥の部屋にベビーベッドがあるのが面白い。
ちなみにこの部屋、逆側から見ると
こういう配置になっており、スパイ映画とかで拷問に使われそうな感じがあります……。
いつまでも居たくなるような室内の雰囲気
玄関側の部屋の広縁(?)なのかな。サンルーム(?)。この日は見学者も少なく、こんなところでコーヒーか紅茶でも飲みながらぼんやり雨の音を聞いていたいような静かな感じでした。
こちらは山側の部屋。窓の近くまで迫る樹の枝の緑が目に鮮やかです。
三笠ホテルマークの書き物机。自分の部屋に置きたいけど本を積んでしまいすぐにたためなくなるのは目に見えています……。
1階スイートルームの洗面台。奥のバスルームには猫脚のバスタブがあります。バスタブへの直接の給湯配管はなく、ホテルの使用人が別の部屋からお湯を保ってきてバスタブを満たしていたようです。お風呂がついているのは一部の部屋で風呂なしの部屋に泊まった人たちは、別棟の湯屋を使っていたとのこと。
廊下も、トイレも、すべてシックでカッコいい!
この日、雨がかなり降っていて外光が少し暗く、感じが柔らかかったせいもあると思いますが、このサンルームや
中央階段、
そしてトイレまでなんだかしっとりと落ち着いておしゃれに見えます。
脱いだスリッパにも三笠ホテルマークが入っていることに思わず感動しつつ*2
四季折々違った雰囲気が味わえそうなので何かの折を見てまたきてみたいと思いながら、お土産のマグカップを買って三笠ホテルをあとにしたのでした。