インターネットあっちこっち

おじさんが、水族館や動物園に行ったり、そのへんでお酒を飲むブログです

動物が近い!よく動く!改装なった京都市動物園

さて、前回の記事で
hms-ulysses.hatenablog.com
疎水博物館や水路閣をスルーと書いたのですがこれは実は京都市動物園に行くためでした。
https://www.instagram.com/p/BMaJQgHDq6X/
京都市動物園は2009年からの動物園リニューアル事業*1が2015年度に完了し、2016年は言わばお披露目の年。報道やインターネットでの評判も良く、早いタイミングで一度行っておきたかったのです。

朝イチの動物園のいまいちエンジンがかかっていない動物たち

ということで、琵琶湖疎水散歩の後、開園前に入口に到着。動物園や水族館の開場を時間前から待つの、人生で数度目の出来事です。
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朝イチなのでアジアゾウも全然放飼場に出ておらず、背景のうっすら色づいた京都の山並みとも相まって妙に雰囲気のある絵みたい。
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他のゾウたちは飼育舎でドアの開放待ちみたいでした。多くの飼育員さんが声を掛け合ってゾウの世話をしている様子には若干のピリッとした感じがあり、「ゾウは賢く,接し方次第で人によく馴れる動物ですが,反面,係員との接触事故などが最も多い動物」と紹介されるだけのことはあります。*2
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客が少ないのでリラックスしてエサの魚をついばむタンチョウ。しかし、どこの動物園でも思いますが、水鳥の給餌のために死んだ魚が撒かれている光景はシュール。
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朝日を浴びて体温を上げているワオキツネザルたち。このやる気0感!
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ニシアフリカコガタワニも、
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インドオオコウモリもダラッとしていましたが、まあ彼らはたぶん昼も夕方もこんなかな……
ちなみにこのワニやコウモリが展示されているのは「ひかり・みず・みどりの熱帯動物館」という施設。大きくはないながらも展示スペースに工夫があって、ワニの手前にある水場も単に水浴びのためだけのものでなく、魚類*3が飼育されていて、本来の生息状況のイメージを喚起するようになっています。
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見えにくいんですが、グリーンイグアナの背びれ(?)の奥、木の下で丸まっているのはフタユビナマケモノ。両種とも南米のジャングルに住んでいるので同居は納得です。でも、ナマケモノちょっとくつろぎ過ぎかも。

「せいかい」連発のチンパンジー

日本で霊長類の研究と言いますと京都大学というイメージがありますが、同じ京都ということで京都市動物園では単に霊長類を飼育するだけでなく、認知科学的な研究を京大と共同で行っているということです。
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チンパンジー舎の一角にコンピューターやらカメラやらが接続されたシステムが幾つか配置されていて、チンパンジーの行動を飼育員さんが記録しています。
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こちらはタッチパネルに表示される1から20までの数字を小さい方から順にタッチしていくと「正解」判定となりエサが出てくるシステムで餌を出しまくっていたチンパンジーです。
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外の放飼場の様子。
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陽の光がうまく入るように設計されたニシゴリラの飼育舎。
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ゴリラの家族たちは3頭揃って枝をガジガジしてました。
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アカゲザルたちが社会性をこじらせているのも研究でどうにかしてあげてほしい……

目と鼻の先でくつろぐライオンとバリバリと鶏を食べるトラ

さて「もうじゅうワールド」と名付けられた一角に足を運びますと、何かを舐めたり噛んだりしているクロヒョウがいます。
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完全に昼寝モードのライオンのメス。なんでもここはヒーターが仕込んであって温かいスポットとのこと。
運良くトラの給餌展示も見ることができました。
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飼育員さんが丸の鶏や馬肉の切れ端をトラがいないケージに置いていきます。
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飼育員さんの退出後ケージ間を仕切る扉が開かれトラがやってきます。
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まず馬肉の切れ端をぺろり。
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そしてバリバリむしゃむしゃと鶏を……。
全体的に飼育舎は狭目なんですが、逆に言うと猛獣たちが直ぐ側で見れるということでもあって、これらの写真をでかい望遠レンズをつけずに撮ることができました。
あと「もうじゅう」ワールドなんですがツシマヤマネコの飼育舎もあって
かわいかった。

キリンを見上げる/見下ろす

さてうって変わって広々としているのがキリンやシマウマなどがいる「アフリカの草原」の放飼場。
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こちら、右手奥に見えるようなデッキがぐるりとめぐらしてあって
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背の高いキリンをこんな風に見下ろすことができます!しかし、仕切り網とか複数頭のキリンが重なり合っている状態だとキリンの模様もかなり迷彩効果がありそうに見えますね……。
高さと言えばレッサーパンダ舎にも工夫があって、放飼場に背の高い木が植えてありそこにレッサーパンダが登れるようになってるんです。
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こんな感じ。え、全見えない?

これで分かりますかね……。
キリンの放飼場のまわりには
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およそ生きているようには見えないプレリードッグや
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幼獣がかわいいヤブイヌなどがいました。

京都の生き物たち

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最後は京都の里山をイメージした「京都の森」ゾーン。
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雨で増水した鴨川で発見されたまに話題になるオオサンショウウオ
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希少種のイチモンジタナゴ。琵琶湖ではあまり見られなくなってしまった本種が琵琶湖疏水から水を引いている平安神宮の池に生息している*4という縁で、保護・繁殖に取り組んでいるそうです。
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なんだかしょんぼりしている感じのキツネ。
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京都市街地でタヌキをみると『有頂天家族』を思い出しますね。ひょっとしてこの2頭も時々化けてどっか出歩いてるんじゃなかろうか……。

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

こういう地元にいるが普通の生活をしていると出会うことのできない動物の展示は動物園の重要な役割だと思います。

標本・剥製のある「展示室」や図書館カフェものぞいてみたかったのですが、昼からの友人の披露宴に出席するためここで時間切れ。


ケーブルに引かれて船、山を登る。蹴上インクライン。

友人の慶事に呼んでいただいた勢いで、一度行ってみたかった京都は琵琶湖疏水の蹴上インクラインを見てきました。蹴上インクラインとは琵琶湖の水を京都市街地に通す琵琶湖疏水に付帯する施設で、琵琶湖で水運に従事する船が疎水を利用して京都に入れるよう、アップダウンがあるところを台車に乗せて通すようにしたものです。
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蹴上駅からほど近いところに位置する「ねじりまんぽ」と言われるトンネル。上をインクラインが通っています。インクラインを通る重い船にも耐えられるよう、トンネル内部のレンガが捻れているように積まれているの、わかりますかね……。
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トンネルをくぐって遊歩道を登りだすと見える琵琶湖疏水を利用する発電所の導水抗。今でもこの発電所から京都市内に電力が供給されています。
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こちらはやはり琵琶湖疏水の水を利用する蹴上浄水場浄水場の施設まで周囲に溶け込むように作られているの京都っぽすぎる。
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よくわからないけどこの辺も発電所関係の施設っぽい。最後の写真はたぶんダムの余水吐に当たる施設だと思います。

往時を忍ばせる樽を積んだ船も

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かつての蹴上船溜まりに再現された水運船。この船溜まりと蹴上の間の峠部とその後の長い急な下りを安全に下るため、琵琶湖疏水をやってきた船は台車に積まれ、発電所の電力で動くケーブルを使ってここを乗り越えていったのでした。
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消失点写真。
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ぐぐっと下っていくとインクラインと歩道がほとんど高さが同じになっている地点があり、そこには清酒樽を積んだ船が再現展示されていました。大津方面への「下り」だけど坂を登る方向。
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京都市動物園から見る南禅寺船溜付近。このほとりに琵琶湖疏水資料館があったのですが、この日は動物園を堪能するためスルーしたのでした。動物園に関してはまた後日!

晩夏の軽井沢で「軽井沢の鹿鳴館」三笠ホテルを見る

8月の終わりにあるイベントを観覧するために軽井沢に行ったので、そのついでに三笠ホテルを見てきました。
www.town.karuizawa.lg.jp
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三笠ホテルは在日外国人が別荘地・避暑地として利用した軽井沢に、明治後期、日本人の設計・建築によって開業した純西洋式木造ホテル。外国人の他政財界の要人や文人の逗留も多かったとのこと。太平洋戦争中は外務省出張所が置かれ、向かいに位置する臨時スイス公使館となった深山荘とともに戦時外交の一端を担いました。戦後は米軍に接収されて保養施設となった後、営業を再開。1970年に日本長期信用銀行に買収されホテルとしての歴史に幕を下ろしました。今では営業当時のほぼ半分の建物が残っています。

今では映画くらいでしか見られない「ホテル」の雰囲気

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オタクが絶対好きな感じのフロント。あるいは三谷映画にでもでてきそうな、とも言えるでしょうか。
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ロビーから見上げる本館2階。古い時代のガラスがそのまま残っているため、景色がほんのりと歪んでいるのが分かるでしょうか。
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ホテルのそこかしこで見られるこの意匠は3つの笠を組み合わせた「三笠ホテル」のマーク。「M」と「H」も隠し字として配置されています。

入り口すぐの資料室となった部屋には、往時の宿帳や年表、今はもうない施設の写真などが展示されています。

すべての部屋にある暖炉に「避暑地」の涼しさが

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部屋を回り始めてすぐに気がつくんですが、客室には必ず暖炉があるんですよね*1
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夏以外の時期の軽井沢の涼しさ・寒さがうかがえます。
採光のためだと思うんですが、窓を広くとってあるのも室温に影響しそう。
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2階のスイートルームでは写真撮ってる僕の後ろ側に暖炉がありました。奥の部屋にベビーベッドがあるのが面白い。
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ちなみにこの部屋、逆側から見ると
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こういう配置になっており、スパイ映画とかで拷問に使われそうな感じがあります……。

いつまでも居たくなるような室内の雰囲気

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玄関側の部屋の広縁(?)なのかな。サンルーム(?)。この日は見学者も少なく、こんなところでコーヒーか紅茶でも飲みながらぼんやり雨の音を聞いていたいような静かな感じでした。
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こちらは山側の部屋。窓の近くまで迫る樹の枝の緑が目に鮮やかです。
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三笠ホテルマークの書き物机。自分の部屋に置きたいけど本を積んでしまいすぐにたためなくなるのは目に見えています……。
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1階スイートルームの洗面台。奥のバスルームには猫脚のバスタブがあります。バスタブへの直接の給湯配管はなく、ホテルの使用人が別の部屋からお湯を保ってきてバスタブを満たしていたようです。お風呂がついているのは一部の部屋で風呂なしの部屋に泊まった人たちは、別棟の湯屋を使っていたとのこと。

廊下も、トイレも、すべてシックでカッコいい!

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この日、雨がかなり降っていて外光が少し暗く、感じが柔らかかったせいもあると思いますが、このサンルームや
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中央階段、
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そしてトイレまでなんだかしっとりと落ち着いておしゃれに見えます。
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脱いだスリッパにも三笠ホテルマークが入っていることに思わず感動しつつ*2
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四季折々違った雰囲気が味わえそうなので何かの折を見てまたきてみたいと思いながら、お土産のマグカップを買って三笠ホテルをあとにしたのでした。

*1:全部屋、という意味ではなくスイートルームの場合だとどの部屋か一つには、という意味です

*2:勢いで撮ったのでピンが甘い

2016年夏、台風の影に怯えつつ青ヶ島に行ってきたの記(その5)~橘丸で竹芝に帰る

台風5号の隙を突いて、ここ数年、たびたびネット(あるいははてなブックマーク)で話題になる「青ヶ島」に行ってきた旅行記その5です
hms-ulysses.hatenablog.com
の続きとなっております。
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八丈島、底土港に入港中の東海汽船「橘丸」。この時、既に台風5号は本州北部沖に抜けていたんですが、や奥の岩場に打ち寄せる波でまだまだうねりが収まってないことがわかります。
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桟橋の反対側の底土海水浴場。遊泳禁止になっているのか、散歩している人の姿しか見えません。
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着桟のためにぐるぐる回頭中の「橘丸」。


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このような護岸工事をやっているそうです*1。ちなみに「神湊港」とは底土港の別名。
八丈島も火山島、大きな川がなく、青ヶ島ほどではありませんが港湾適地が少ないため、港湾の整備には大掛かりな工事が必要になります。底土海水浴場も砂をよそから運んできて人工的に造成したものだそうです。
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乗船して自分のスペースを探します。今回は2等船室。僕に割り当てられたのは8人相部屋の部屋で、一人あたり1畳半くらいのスペースがあります。グループで旅行するときは、自席で話がしやすい分、完全に「寝台」スタイルの特2等船室よりいいかも。横になったとき隣の人と顔を突き合わせる必要が無いように、頭のところに小さな間仕切りが立っているのは近年流行りつつあるスタイル。窓はダミーなのですが船旅の気分を盛り上げます。
https://www.instagram.com/p/BI3lEeRjreA/
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海から見る八丈富士もステキです。
本を読んだり、酒を飲んだり、ぼんやり海を見て3時間。
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三宅島・伊ヶ谷港に入港です。こちらは少し波が低いみたいで桟橋の奥の方の海で泳いでいる人の姿が見えました。
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島の人と乗船客が紙テープを握ってのお別れセレモニー。里帰りしていた島出身者が再び島を出るのか、はたまた仲良くなった宿のお客さんでしょうか。
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雄山の山容。成層火山らしいきれいな山体で、度々島の人々の生活を脅かしているようには見えません。当たり前ですが、こうやって見ると、どの島もそれぞれ個性的で味わいがあります。
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記念にと思って船内レストランでお昼ごはん。「橘丸オムライス」を頂きます。
普通の食堂のオムライスですけれども、海を見ながらのご飯は気分が違います。
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三宅島からざっと2時間、大島の島影が大きくなってきます。
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このあいだ大島に行った時*2と同じ岡田港
に入港。奥には「橘丸」と同じ東海汽船所属のジェット船「セブンアイランド虹」が停泊しているのが見えます。
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セブンアイランド虹」は「橘丸」が乗降・荷役作業中に出港。持ち前の韋駄天ぶりであっという間に小さくなっていきます。
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「橘丸」がゆっくりと桟橋を離れている間に、
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今度はジェット船「セブンアイランド大漁」が入港してきます。高速船、さすが東海汽船のドル箱航路。
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「橘丸」に追いつきつつある「セブンアイランド大漁」。「橘丸」も決して遅い船ではないのですが、ジェット船はその倍以上の速力が出る特別な高速船です。
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西の方に目をやると、日本郵船の豪華客船「飛鳥II」とまた別のジェット船が航行しているのが見えます。「セブンアイランド友」です。
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並走する「セブンアイランド大漁」(手前)と「セブンアイランド友」。外洋で2隻が並んでいるの、結構珍しい光景だと思います。
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このあたりから航路のいわば「幹線」に近づいてくるのか、行き合う船が増えてきます。日本郵船コンテナの「IWASHIRO」(左)と商船三井の自動車運搬船「SWIFT ACE」。でも海の中はまだ外洋と同じなのか
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こんな感じです、ぶれてて小さいですけど……。NHKの『ダーウィンが来た』で見事なトビウオ回がありましたが、あれだけの素材をきちんと取るの腕も機材も一流のプロなんだなと思い知らされます。
三崎口から品川までが京急の特別快速で1時間10分ですから、だいたい電車の3倍位かけて航行することになります。理由は簡単、
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このように船が多く航行する航路のため、速度制限がかけられているわけです。ちなみにジェット船は小型のためこの規制を受けないルートを通るいわば「裏技」を使って、東京湾内を高速で航行しています。
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浦賀水道航路を南航する巡視船「いしかり」。「いしかり」は釧路に配備されている船なので、任務の都合上、一時的に東京湾に来ているか、あるいは建造所である日立造船の鶴見工場で整備を受けての試験中とか帰りなのでしょう。左に見えるタワーは浦賀水道航路を行き来する船舶を管制する東京湾海上交通センター*3の施設。
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日の沈んだころ富津沖の第二海堡*4を通過し
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羽田沖に達する頃にはすっかり夜に。
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盛り上がっているふうの東京湾納涼船とすれ違って小一時間。
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十一屋酒店でかった青ヶ島マグネット、港を作るのにも一苦労な青ヶ島の様子を思い出すよすがにちょうどよいです……*5

旅のまとめとして

*1:ターミナル内の模型

*2:離島の小さな動物園、大島公園動物園に弾丸ツアーしてきた - インターネットあっちこっち

*3:通称:東京マーチス

*4:元要塞、現在では海上災害防止センターが消防訓練場として使用

*5:手前のなだらかなところが集落部カルデラ手前側・写真の真ん中あたりで薄い緑に光っているのが大里神社のある地点、そのすぐ横が島の最高所「大凸部(おおとんぶ)」、右奥の外側が三宝港といったあんばい

2016年夏、台風の影に怯えつつ青ヶ島に行ってきたの記(その4)~ヘリコプターに乗って八丈島へ!

台風5号の隙を突いて、ここ数年、たびたびネット(あるいははてなブックマーク)で話題になる「青ヶ島」に行ってきた旅行記その4です
hms-ulysses.hatenablog.com
の続きとなっております。

定期便のお見送り

さて、島内の名所はあらかた見てしまったので、3日目は運良く席が取れた午後の臨時ヘリまでお土産を買うくらいの予定。せっかくなので東京愛らんどシャトルの朝の定期便のヘリをお見送りしようとヘリポートに行きました。自分が乗るときは写真撮ってる余裕ないかもしれないし……。実はこの便の戻り(青ヶ島八丈島間)にもキャンセル等で空きが出ていたらしく、初日に午後のチャーター便を教えてくれたご夫婦はこちらの便に振り替えて一足先に八丈島に戻るとのことでした。
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おっ、来た来た来た。
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ギャー!!!
台風の風とダウンウォッシュ*1が合わさって砂はおろか小石まで飛んできました。どうにかカメラは守れたんですが体中ジャラジャラになってしまった……。
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機内預入荷物の搭載と
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お客さんの搭乗が終わると
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あっという間に飛び去っていく東京愛らんどシャトル。その間だいたい5分ってなもの。
なお、前にも書きましたが、伊豆諸島を結ぶコミューター便として運行されている東京愛らんどシャトルは、シコルスキー社のS-76という機体が使用されていて、国内ではこちら以外ですと、警察や消防、海上保安庁なんかでも運用されています。
シコルスキー S-76 - Wikipedia

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ヘリポートがクリアーになったのでその奥にある金比羅神社に自分の乗るヘリ便と帰りの橘丸の航海の無事を祈りに行きます。
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途中から振り返って見る集落の様子。
左端が小中学校、正面がヘリポートとその事務棟で尾根筋には上水道の集水設備が見えます。NTTのアンテナの右下に見えるのは教員用の都営住宅。
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ササがびっしりと生えていますが、参道には手が入っていて、僅かなクモの巣以外は歩くのに不自由しません。
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社殿から見返す鳥居。
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後はもうお酒を飲んでダラダラ……。
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ただ、神子の浦の展望広場からは台風の影響とおぼしき連綿と連なる雲と
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打ち寄せる荒々しい波が見えます。

1日前の同じところの波の様子がこうですから、台風の力を感じずにはいられません。
この後、青ヶ島唯一の商店である十一屋酒店でおみやげ買ったり、宿の食堂で天皇陛下のいわゆる「お気持ち」放映を見てむむーと考えたりしていたら、自分の戻り便であるヘリの時間が近づいてきました。

いよいよ青ヶ島に別れを告げてヘリに搭乗

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3日間お世話になった部屋を片付けて、宿のご主人に車を出してもらって一路ヘリポートへ。
6畳ほどの小さな「ヘリポート事務所」で役場の方からチケットを買い、荷物の計量をします。2本買った青酎の分か重量超過分が結構多くて、これならゆうパックで送っちゃったほうが良かったかなというお値段。
同乗客は旅慣れた感じのおねえさん(と言っても僕よりはお若かったような)一人でした。たしかにこの便だと八丈島―羽田の夕方便に間に合わないから、みなさんあるべく朝の便を選んだんでしょうね。おねえさん、とても親切な方で、僕が八丈での宿をまだ取ってないことを話すと自分が予約した民宿に空きがないか問い合わせてくれたりしました*2


などとぼんやり待っているとヘリの到着が近づき保安検査を受けることになりました。普通の空港のような金属探知ゲートがあるわけでもないので、ハンディ式の探知機で身体をチェックされ
「じゃあ検査の済んだ方は奥のほうに」
と奥の「出発ロビー」的なスペースに。当然保安検査済みですのでこれからはヘリに乗り込むまで管理されたこのスペースの外に出ることはできません。といっても事務所の一角に仕切り線があり、2畳くらいでベンチの置いてあるだけなんですけれども。
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いよいよヘリが到着。
用心してましたが朝みたいに小石が飛んで来ることもなく、平穏な着陸。台風のピークはこの島では過ぎたみたい。
まず八丈島からのお客さんが降りてきます。若い人が多く、牛祭りに合わせて帰省してきた人たちっぽい。事務所の横で家族や親戚との再開を喜んでいる様子が垣間見えました。
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乗り込むとシートベルトだけ確認され、あっという間に離陸します。固定翼機みたいな、滑走路への移動と滑走がないぶんいきなり感が高い。
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僕が座った左側の席はあまり島を望むことができませんでした、残念。この日のコースだと上記のおねえさんが座った右側が正解だった模様。
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しかし、商用ヘリというかS-76C初めて乗りましたけれども、ヘリコプターって正面は計器に覆われててあんま視界がないのな。そのかわり左右の足元がよく見えるようになっていて、離着陸や吊り上げ下げの作業のときの視界が確保されていました。正面はセンサーでカバーできるということなんだろうなあ。
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ざっと20分ほどで
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八丈空港に到着。ヘリポートと比べると小さな八丈空港の立派に見えること立派に見えること。
立派に見えるといえば、空港の観光協会のカウンターで素泊まりで民宿を手配してもらって、夕飯探しにフラフラと歩いていた僕には
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八丈島すごい奥行きのある広い島に見えました。わずか3日ですっかり青ヶ島に目が慣れたってわけです。
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専業の本屋があるのが珍しくて思わず八丈富士を背景に写真撮っちゃったりして。
夕食は食べログで評価の高い
tabelog.com
にて
https://www.instagram.com/p/BI2Rm33jVvV/
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明日葉の天ぷらなどいただき、ほろ酔いで宿に帰って「お気持ち」に関するNHK特番など見ている内に就眠…zzz。
さあ明日は東京に帰るぞ!!ここも東京だけど……

八丈島から竹芝への戻りにつきましては
2016年夏、台風の影に怯えつつ青ヶ島に行ってきたの記(その5)
に続く予定です。

*1:ヘリコプターが飛ぶ際に発生する地上に吹き下ろす風

*2:残念ながらその民宿は満杯