伊勢志摩水族館めぐりー海獣が近い水族館「二見シーパラダイス」と重要文化財の元高級旅館「賓日館」
2015年の夏休み、全国でも珍しく、1県に3つの水族館がある三重県を旅行してきました。
どうもこうもねえよ、お前は今日も水族館に行くんだ。
— ゆりしーず (@hms_ulysses) August 28, 2015
ということで宿を出ててくてくと歩きで二見シーパラダイスに向かいました。宿は二見旅館街にあるので、途中で名所である夫婦岩と二見興玉神社を通りかかります。
夫婦岩、時期が良いと富士山とご来光とこの岩がいい塩梅に重なるとかなんとかあるそうなんですけれども、生憎の雨でなんか荒涼たる感じだった。あとてっぺんにとまっているウが我が物顔な感じ。
こちらは神社の境内にあったカエルの石像たち。主祭神の猿田彦大神のお使いがカエルで「無事かえる」「若がえる」などと引っ掛けて願掛けに参拝者が奉納するとのことでした。
歩いているうちに、二見シーパラダイスの入り口。館外に見えるような形でトドの飼育プールがあるんですね。ここ、二見興玉神社のドライブインみたいなのも兼ねられており広い駐車場を囲む施設の半分が二見シーパラダイスになっているという配置でした。
コレクション数が多いわけではないんですが
デンキウナギの紹介。工夫してんなー。 https://t.co/2d14GyFLdS
— ゆりしーず (@hms_ulysses) August 28, 2015
展示ひとひねりしてて、種名と特徴が印象に残る。
どうということのないオスカーもかっこよく見えますね。
特別展なんか見立てとダジャレのオンパレード。
また、タイトルにも入れたとおり、海獣との距離が近いんですね。
セイウチも
温泉で露天風呂に浸かっている時の俺、大体こんな感じ。 https://t.co/diZ9PdIZSe
— ゆりしーず (@hms_ulysses) August 28, 2015
アザラシも間近に見れて
ショーもこの距離感。
ふむふむ、これがシールスキン…… https://t.co/GsdueO8bQy
— ゆりしーず (@hms_ulysses) August 28, 2015
こういうふれあいも熱心にやってる。
アザラシ上科だけじゃなくて
カワウソにエサ見せて関心を引いて、筒にエサを入れたあとに人間が指突っ込むと
今度もエサかな?ってなったカワウソと「握手」出来たりする。
あと特にショーとかじゃないんだけど
お客さんがイルカに向かってボール投げるとそれをキャッチして壁際まで持ってきてキャッチボールしてくれるんですよ。くれるというか多分イルカも遊んでる。
ちょっとね、キャッチボールし損ねたボールを持ってくる時のイルカの目がね、怖いんだけどね……。
アシカショーもなかなか楽しい。
有料・定員ありですけれども、アシカショーの後に「イルカにサインを送ってショーみたいな動作をさせる」というのもありました。
もちろんいいところばかりではなくて、どう考えても海獣たちもうちょっと広いプールにいたほうがよい環境だと思いますし、かつてはなにか行われていたであろう大水槽も
こういうふうに、近海の魚介が泳いでるだけの、あれだ、冷戦期だったらここでスパイが何かの受け渡しをする待ち合わせポイントにしそうな寂れきった感じになってました。
ただ、公式サイトなんか見てますといろいろリニューアルの機運もあるようですし、近くまで行ったら訪れてみるの、きっと楽しい体験になる水族館だと思います。
それぞれの部屋に座っているだけでも時間がすぎる「賓日館」
シーパラダイスをあとにして、シトシトと雨に振られながら道を戻り、宿にほど近い「賓日館」を目指します。
賓日館は賓日館は明治20年、伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として、神宮の崇敬団体・神苑会によって建設された建物で、ここでいう「賓客」は皇族や華族を指すようです。
明治44年に隣接する二見館という旅館に払い下げられ、賓客用の別館として何度か増改築を受けながら同館が休業する平成11年まで使用、その後、地元の二見町に譲渡され、今では文化財として一般公開されている他、一部をギャラリー等としても利用可能になっています。
さっきの神社のカエルがこんなところに意匠として。
ここの特徴の一つが120畳敷の大広間。
広い!あと全体的に丁度が豪華!シャンデリアがかっこいい!あと人がいない!
だいたいこういう全景の写真撮るの、アングル工夫するとか結構待って人が途切れるの待つとか、必要なわけですけれども、あまり人がいないのでしばらく独り占めできました。
なお、説明板によりますと、天井が「折上格天井(おりあげごうてんじょう)」になっているのが特徴とのこと。十字に部材を渡してその間に板を張るのが「格天井」、それを「折り上げ」て(写真でも中央部の天井が一段高くなっているのがわかるかと思います)いるので「折上格天井」と呼ばれる形式だそうです。
廊下から見えるお庭も素敵。
こちらが貴人の宿泊部屋である「御殿の間」。高い格式を示す「二重格天井」(格子が二重になってる)や、床框が螺鈿の輪島塗で装飾されているなど、細部の意匠に気が使われています。
こちらは窓側。二見の浜が間近に見えます。こういう部屋にゆっくり滞在してみたいものだけど、およそ貴人とは程遠い身の上だな……。
「千鳥の間」。中央の壁の向こうが「御殿の間」なんですが、この左側の部分がかつては襖で、お付きの人たちの部屋だったのではないとのこと。
ところで、各お部屋を回っていて気になったのが、ガラス。
ほんの少しゆがんでいる窓ガラス、やはり古いものなのだろうか。 https://t.co/HzE3svIl1G
— ゆりしーず (@hms_ulysses) August 28, 2015
こちらやはり古い時代のガラスらしく、「ゆがみガラス」などと言われてるみたいです。平板ガラスの大量生産法が確立するまでは、こういう歪みのあるガラスが使われていたというの、以前、日光の田母沢御用邸で聞いたことがあります。
旅館だった頃の名残だ。 @ 賓日館 https://t.co/dDKTokYGkw
— ゆりしーず (@hms_ulysses) August 28, 2015
こういうの、建物の古さと別に、つい最近まで生きてた建物なんだなということが感じられて好き。
1階の「ことぶきの間」。天井を支える竿縁*1が床の間と垂直の方向になっているのが珍しいのだそうですが、そもそもあれって部屋の形とかに合わせてるんじゃないんだ…。
1階の部屋は若干簡素で往時は随員の人たちの部屋だったのかなという感じです。
縁側というか廊下に
こういう水場があって素敵。
行ったの霧雨の降る日だったので、晴れた日にいつか再訪したいです。
*1:分かりやすく言うと天井にはまってる板