琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その2)水族館編
すっかり間が空いてしまったのですが、
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の後編、琵琶湖博物館の水族館パートの探訪記です。
ヨシ原、光さす大水槽
琵琶湖博物館では「水族展示」のエリアで琵琶湖の生き物の展示とともに、同じように古代湖であるバイカル湖やアフリカ大地溝帯の湖の生き物を展示しています。そのエリアに足を踏み入れるとまず出迎えてくれるのが琵琶湖の沿岸部を模したヨシ原の大水槽。
館内の大水槽と館外に植えられたヨシが見事に琵琶湖の湖岸を模しています。
深場をゆうゆうと泳ぐコイやワタカ、ヨシの根本にひっそりと群れるタモロコやタナゴなどの小魚。きっと琵琶湖の浜の先にひっそりと潜ったらこんなだろうという景色が展開されています。午後の日差しが暖かく差し込んでいて、素晴らしい光景でした。最も、ここ入口の人気コーナーなので、粘らないとこんな無人ぽい写真は撮れず
子供、展示には目もくれず、走り回ってるだけで楽しそうだからスゴい。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
あと、僕と同い年くらいのカップルの女性がヨシ原大水槽のコイを見て「あっ、知ってる!アロワナ!」と叫んでいたので大人もスゴい。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
と言った感じで賑やかでした。
先に進んでいくと琵琶湖が深度を増していきます。
琵琶湖の岩場から沖合にすむ魚たちを展示するトンネル水槽。中ではギンブナやイワトコナマズが元気よく泳ぎ回っています。
珍しい、アルビノのイワトコナマズも。
でてこいビワコオオナマズ
そしていよいよに琵琶湖の最深部、琵琶湖の主ともいえるビワコオオナマズを展示する水槽です!ビワコオオナマズは琵琶湖博物館のほかは埼玉県のさいたま水族館でしか飼育されておらず*1、しかも事故によって本館休業中*2のさいたま水族館では実質的に見ることが出来ないため、ここでしか見れないと言っていい超レアな存在。なんですがー
水槽の中心の穴場にひっそりひっそりといらっしゃいました。なお、水槽の後ろ側にまわると
頭隠して尻を隠さないビワコオオナマズ @ 滋賀県立琵琶湖博物館(Lake Biwa Museum) https://t.co/4JqaVXUK23
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
ここから、コアユのトルネード水槽*3を抜けると、ビワコに住む個々の生物を紹介する水槽のコーナーに移っていきます。
琵琶湖の個性的な面々
田舟の浮かぶヨシ原の下には
かわいい顔したウキゴリなどが展示されています。
ビワヒガイ、だったと思う。
仲良く土管ハウス住まいのナマズ達。ナマズは琵琶湖の湖面と周囲の田んぼを行き来する特徴的な生態を持つ生き物として紹介されていました。
えいえいっと泳ぐアカミミガメ。この水槽はオオクチバスやコクチバスも混泳している「外来種」水槽。彼らもまた琵琶湖に生きる生き物たちであるというのが難しいところ……。
ちなみにこの「琵琶湖のさまざまな生き物」の最後に琵琶湖の魚介類を扱っている魚屋のレプリカがあったんですが、
ウナギの絶滅の危機に関しての情報です https://t.co/pmgVjDQDNj
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
厳しい状況だ……。
あと、特に固有種ということではないのですが、琵琶湖やその他に生息しているギンブナは基本的にメスだけで無性生殖し、他の魚の精子をかけても特に受精せずギンブナの稚魚が生まれてくるそうです。ギンブナ……、薄い本かよ……。
流れ込む川の生き物たち
展示は更に切り替わり、琵琶湖に流れ込む川の生き物が姿を表します。
かなり強い川の流れを再現した水槽、オイカワなんかが泳いでいました。
川の上流部。真ん中の樹の下にオオサンショウウオが隠れているのが分かるでしょうか?
魚だけでなくカイツブリやカモも展示されていました。
琵琶湖の生き物だけではなく淡水に住むさまざまな希少種の保護や繁殖も行われています。こちらは沖縄に生息するタナゴモドキとアオハラヨシノボリ。
保護増殖センターの様子がちらっと見えます。
世界の古代湖の魚
ついには日本を離れ、琵琶湖と同じような「古代湖」に済む生き物たちの展示へ。古代湖というのは10万年以上前から存在する湖のことで、その長い歴史によって多様な生態系は育まれていることが多いのです。
バイカル湖のカジカ、ペスチャナーヤ・シロコロブカ(左)とバイカリスカーヤ・ボリシェゴロヴァーヤ・シロコロブカ。名前がめっちゃ長い。
模様から一瞬ヤマメの仲間に見えますが、こちらは「ゴリヤン」というコイ科の魚。
バイカルアザラシは全然ガラス面に近づいてきてくれませんでした……。
タンガーニカ湖のシクリッド達。
これは淡水水族館に行くたびに思いますが、日本産淡水魚は色合いが地味なのでだんだん区別が曖昧になっていくとともに、併せて展示されていることの多いマラウィ湖のシクリッドが実際以上に鮮やかに見える
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
こちらはヴィクトリア湖に水産業のために導入され色々と議論と問題を読んでいるナイル・パーチ。そういえば「ナイルパーチ」という甘ロリ系のブランドがあるらしく、画像検索をすると釣果を求める男たちの画像と甘ロリの服が混淆していて脳がグニグニします。なんでそんな名前にしたんや。
展示水槽の掉尾を飾るのは古代魚、チョウザメ達。そのデカさにこの写真の男児だけでなく多くのちびっこたちが惹きつけられていたのをみることができました。ただ、ここだけ開放水槽で、通りががった社会科見学っぽ女子中学生の集団が「え、な、なんか生臭くない??」と言っていたのもまた印象的でした。実際濃厚な魚臭がする。
ふれあい水槽は水槽内に負圧をかけることで、水槽の横から手を突っ込めるようにした面白い仕掛け。パスカルの原理ってやつなのかな。最初どうなっているかわからなくて、解説員の方に質問してしまいました。
プランクトンを紹介するコーナー。オタクなのでナウシカだ!!って思いました。
おまけ
冬の飼育員激務すぎる…… @ 滋賀県立琵琶湖博物館(Lake Biwa Museum) https://t.co/3PbyB1WZRJ
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
琵琶湖そのものと、琵琶湖に住む生き物、そして暮らしの中の琵琶湖を五感で感じることができる一日いて飽きない博物館でした。素晴らしかった!
さらば琵琶湖、またくるぞ。 pic.twitter.com/5x6Bj6qxXI
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その1)博物館編
友人の慶事にあわせて京都を訪問し、
hms-ulysses.hatenablog.com
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と2ヶ所、個人的に行きたかったスポットに行ったのですが、その第三弾、滋賀県立琵琶湖博物館の訪問記です。
早起きできてうまく時間を使えれば琵琶湖博物館と京都水族館のはしごできるかなーって思ってたんですが、慶事の後に止めてもらった別の友人の家ですっかりよく寝てしまって
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
となった次第です。バスとJRを乗り継いで昼過ぎに到着。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
館内のセンターホールから広く琵琶湖が見えるようになっています。
烏丸半島周辺の、それほど幅のない辺りでも、「確かに海だな」という風情がある @ 滋賀県立琵琶湖博物館(Lake Biwa Museum) https://t.co/vn2tJrv9Ss
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
滋賀県の動く湖、琵琶湖
さて琵琶湖と言いますとすごい古い時代から存在する「世界でも有数の古代湖」と呼ばれる湖なわけですけれども、別にすごい古い時代から滋賀県の真ん中にあったわけじゃないんだよーと教えてくれるのが最初のA展示室「琵琶湖のおいたち」です。
琵琶湖周辺の地層の切り出し。ハチャメチャに折れ曲がっている地層が地殻変動の激しさを物語っています。
地殻変動の結果、現在の滋賀県と三重県の県境付近にできた「大山田湖」が現在の琵琶湖の祖先であり、そこにはこの写真のような牙と顔の長い古代ゾウ「ステゴドン」などが生息していたようです。そして引き続く地殻変動とともに湖だった時期と低湿地だった時期を交互に繰り返しつつ、段々と北上していっておよそ40万年前に現在の琵琶湖が成り立ったとのことで、なんともスケールの大きな話だ……。
琵琶湖を誕生させた地殻変動は、大陸から日本列島を切り離すこととなり、大陸と日本列島で段々と淡水魚の系統も異なっていくことになります。しかし、琵琶湖には大陸と同系統のコイ科クルター類「ワタカ」が生き残っていて、固有生物の多い琵琶湖の生態系の一端が示されます。地形の変化が遺存者のように固有種を残していたわけで、でかいから固有種がいるってことだけじゃないんですね。
こちらは「琵琶湖の研究室」を概念的に示したコーナー。魚の骨格や標本、地層や化石などが展示され、現在どのようにそれぞれの研究が行われているのかざっくりと示してくれます。顕微鏡とかのぞけて、お子様にも大人気でした。
昔からめっちゃ利用されていた琵琶湖
B展示室は「人と琵琶湖の歴史」がテーマ。固定の遺跡・異物を調査する方法の紹介から始まります。方法っつうか、壁で水域を囲んで中の水を抜きます、みたいな豪快なやつなんですが……。
貝塚の展示も、発掘現場を模しつつ奥に背景置いて、なんといいますか「広がり」をイメージさせようとしているのがいいですね。
江戸時代の産品や水運品目の紹介。
別に室町時代の沿岸の港の様子なども展示されているんですが、「やっぱ京都近いと古くから高度に利用されんだなー」というのが南関東人としての素直な感想です。
展示室の真ん中にドーンと置かれている琵琶湖の水運船「丸子船」とその横は漁船「ハリブネ」(左)。
丸子船は和船の構造材である両舷の「おも木」に巨木を2つに割ったものを使用しているのが特徴だそう。江戸時代中期には1000隻を有に超える丸子船が活動していたものの、東・西回り航路の整備によって少しづつ勢力を減らし始め、明治期以降の鉄道の整備により姿を消していくことになります。*1
ここで展示されている丸子船はかつての姿を残そうと、ベテランの船大工さんが製作したものだそうです。
湖畔、風力発での風車、ソーラ発電パネル、駐車場では犬のイベントという暴力ちゃんの脳内風景に迷い込んだような景色が広がっている…… @ 滋賀県立琵琶湖博物館(Lake Biwa Museum) https://t.co/1piPtOJv3x
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
ちなみに、博物館の屋上デッキから見た極めて現代的な琵琶湖利用(?)。
いま、琵琶湖とともに生きるということ
C展示室のテーマは「湖のいまと私たち」。湖岸のアシ原/カヤ原に住む生き物の展示から始まります。こちらは巣の中で丸まっているカヤネズミ。
カヤ原に関する展示室に切り欠きがあって、下の階の水族展示室の大水槽が琵琶湖を借景にしているのを覗ける。とてもいい。 https://t.co/FsLvNJTDjW
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月6日
田んぼの圃場整備が生き物に与える影響とそれを低減させる取り組みについての展示です。
田んぼの生き物としてダルマガエル(だったと思う……)なども展示されていました。
琵琶湖に流れ込む川もまた琵琶湖に大きな影響を与えるということで、源流部の生き物の剥製、林業や治水の様子なども展示されていました。単に湖水面だけが琵琶湖じゃないというのはよく考えられて主張であり展示だと思います。
さて打って変わって雑誌やポスターと日用品や家電製品が並ぶこのコーナー、何かといいますと現代とから段々と過去の時代へと遡っていく言わばタイムトンネル。この先には……
昭和39年の彦根市にあった民家に行き着きます。
ガス台普及前のカマド。「カミクド」とも呼ばれているのは興味深いですね。「おクドさん」だと京都の呼び方なんだけど、この地方独自の呼び方なんだろうか……。
もちろん単に古民家だということで展示されているわけではありません。オモヤと別にカワヤと呼ばれる建物があり、そこでは水路から引き込んだ水を食器や食材の洗い物に使っていました。右の枡形の部分がカミナガシとシモナガシと言われる洗い場。この一番下手にはコイが飼われていて流れてきた食べ残しなどを食べていたとのこと。水とともにあった暮らしを保存して展示しているコーナーなのでした。
「琵琶湖を知る、滋賀県を知る、滋賀県立琵琶湖博物館 (その2)水族館編」に続く予定です
動物が近い!よく動く!改装なった京都市動物園
さて、前回の記事で
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疎水博物館や水路閣をスルーと書いたのですがこれは実は京都市動物園に行くためでした。
京都市動物園は2009年からの動物園リニューアル事業*1が2015年度に完了し、2016年は言わばお披露目の年。報道やインターネットでの評判も良く、早いタイミングで一度行っておきたかったのです。
朝イチの動物園のいまいちエンジンがかかっていない動物たち
ということで、琵琶湖疎水散歩の後、開園前に入口に到着。動物園や水族館の開場を時間前から待つの、人生で数度目の出来事です。
朝イチなのでアジアゾウも全然放飼場に出ておらず、背景のうっすら色づいた京都の山並みとも相まって妙に雰囲気のある絵みたい。
他のゾウたちは飼育舎でドアの開放待ちみたいでした。多くの飼育員さんが声を掛け合ってゾウの世話をしている様子には若干のピリッとした感じがあり、「ゾウは賢く,接し方次第で人によく馴れる動物ですが,反面,係員との接触事故などが最も多い動物」と紹介されるだけのことはあります。*2
客が少ないのでリラックスしてエサの魚をついばむタンチョウ。しかし、どこの動物園でも思いますが、水鳥の給餌のために死んだ魚が撒かれている光景はシュール。
朝日を浴びて体温を上げているワオキツネザルたち。このやる気0感!
ニシアフリカコガタワニも、
インドオオコウモリもダラッとしていましたが、まあ彼らはたぶん昼も夕方もこんなかな……
ちなみにこのワニやコウモリが展示されているのは「ひかり・みず・みどりの熱帯動物館」という施設。大きくはないながらも展示スペースに工夫があって、ワニの手前にある水場も単に水浴びのためだけのものでなく、魚類*3が飼育されていて、本来の生息状況のイメージを喚起するようになっています。
見えにくいんですが、グリーンイグアナの背びれ(?)の奥、木の下で丸まっているのはフタユビナマケモノ。両種とも南米のジャングルに住んでいるので同居は納得です。でも、ナマケモノちょっとくつろぎ過ぎかも。
「せいかい」連発のチンパンジー
日本で霊長類の研究と言いますと京都大学というイメージがありますが、同じ京都ということで京都市動物園では単に霊長類を飼育するだけでなく、認知科学的な研究を京大と共同で行っているということです。
チンパンジー舎の一角にコンピューターやらカメラやらが接続されたシステムが幾つか配置されていて、チンパンジーの行動を飼育員さんが記録しています。
こちらはタッチパネルに表示される1から20までの数字を小さい方から順にタッチしていくと「正解」判定となりエサが出てくるシステムで餌を出しまくっていたチンパンジーです。
外の放飼場の様子。
陽の光がうまく入るように設計されたニシゴリラの飼育舎。
ゴリラの家族たちは3頭揃って枝をガジガジしてました。
アカゲザルたちが社会性をこじらせているのも研究でどうにかしてあげてほしい……
目と鼻の先でくつろぐライオンとバリバリと鶏を食べるトラ
さて「もうじゅうワールド」と名付けられた一角に足を運びますと、何かを舐めたり噛んだりしているクロヒョウがいます。
土曜日に支給になるマタタビを一心不乱にガジガジするクロヒョウ。 @ Kyoto Municipal Zoo https://t.co/BlFxKhZnlt
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月5日
完全に昼寝モードのライオンのメス。なんでもここはヒーターが仕込んであって温かいスポットとのこと。
運良くトラの給餌展示も見ることができました。
飼育員さんが丸の鶏や馬肉の切れ端をトラがいないケージに置いていきます。
飼育員さんの退出後ケージ間を仕切る扉が開かれトラがやってきます。
まず馬肉の切れ端をぺろり。
そしてバリバリむしゃむしゃと鶏を……。
全体的に飼育舎は狭目なんですが、逆に言うと猛獣たちが直ぐ側で見れるということでもあって、これらの写真をでかい望遠レンズをつけずに撮ることができました。
あと「もうじゅう」ワールドなんですがツシマヤマネコの飼育舎もあって
イエネコじゃないよと言いながらイエネコっぽいツシマヤマネコ pic.twitter.com/u8tqWB9V1k
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月5日
かわいかった。
キリンを見上げる/見下ろす
さてうって変わって広々としているのがキリンやシマウマなどがいる「アフリカの草原」の放飼場。
こちら、右手奥に見えるようなデッキがぐるりとめぐらしてあって
背の高いキリンをこんな風に見下ろすことができます!しかし、仕切り網とか複数頭のキリンが重なり合っている状態だとキリンの模様もかなり迷彩効果がありそうに見えますね……。
高さと言えばレッサーパンダ舎にも工夫があって、放飼場に背の高い木が植えてありそこにレッサーパンダが登れるようになってるんです。
こんな感じ。え、全見えない?
これで分かりますかね……。
キリンの放飼場のまわりには
およそ生きているようには見えないプレリードッグや
幼獣がかわいいヤブイヌなどがいました。
京都の生き物たち
最後は京都の里山をイメージした「京都の森」ゾーン。
雨で増水した鴨川で発見されたまに話題になるオオサンショウウオ。
希少種のイチモンジタナゴ。琵琶湖ではあまり見られなくなってしまった本種が琵琶湖疏水から水を引いている平安神宮の池に生息している*4という縁で、保護・繁殖に取り組んでいるそうです。
なんだかしょんぼりしている感じのキツネ。
京都市街地でタヌキをみると『有頂天家族』を思い出しますね。ひょっとしてこの2頭も時々化けてどっか出歩いてるんじゃなかろうか……。
- 作者: 森見登美彦
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標本・剥製のある「展示室」や図書館カフェものぞいてみたかったのですが、昼からの友人の披露宴に出席するためここで時間切れ。
あとが何もなければ4時くらいまでいたかったなー、京都市動物園。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月5日
京都市動物園、改装の成果か全体的に素晴らしく、コレクション数を絞ることで花形動物の放飼場を広く豊かに設定し、それが難しい動物(主に猛獣類)もケージの配置の工夫が凝らされていました。またどこでも動物が望遠レンズのいらない近さなのも良い。京都に住んでたら間違いなく年パス作ってたな……
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2016年11月5日
ケーブルに引かれて船、山を登る。蹴上インクライン。
友人の慶事に呼んでいただいた勢いで、一度行ってみたかった京都は琵琶湖疏水の蹴上インクラインを見てきました。蹴上インクラインとは琵琶湖の水を京都市街地に通す琵琶湖疏水に付帯する施設で、琵琶湖で水運に従事する船が疎水を利用して京都に入れるよう、アップダウンがあるところを台車に乗せて通すようにしたものです。
蹴上駅からほど近いところに位置する「ねじりまんぽ」と言われるトンネル。上をインクラインが通っています。インクラインを通る重い船にも耐えられるよう、トンネル内部のレンガが捻れているように積まれているの、わかりますかね……。
トンネルをくぐって遊歩道を登りだすと見える琵琶湖疏水を利用する発電所の導水抗。今でもこの発電所から京都市内に電力が供給されています。
こちらはやはり琵琶湖疏水の水を利用する蹴上浄水場。浄水場の施設まで周囲に溶け込むように作られているの京都っぽすぎる。
よくわからないけどこの辺も発電所関係の施設っぽい。最後の写真はたぶんダムの余水吐に当たる施設だと思います。
晩夏の軽井沢で「軽井沢の鹿鳴館」三笠ホテルを見る
8月の終わりにあるイベントを観覧するために軽井沢に行ったので、そのついでに三笠ホテルを見てきました。
www.town.karuizawa.lg.jp
三笠ホテルは在日外国人が別荘地・避暑地として利用した軽井沢に、明治後期、日本人の設計・建築によって開業した純西洋式木造ホテル。外国人の他政財界の要人や文人の逗留も多かったとのこと。太平洋戦争中は外務省出張所が置かれ、向かいに位置する臨時スイス公使館となった深山荘とともに戦時外交の一端を担いました。戦後は米軍に接収されて保養施設となった後、営業を再開。1970年に日本長期信用銀行に買収されホテルとしての歴史に幕を下ろしました。今では営業当時のほぼ半分の建物が残っています。
今では映画くらいでしか見られない「ホテル」の雰囲気
オタクが絶対好きな感じのフロント。あるいは三谷映画にでもでてきそうな、とも言えるでしょうか。
ロビーから見上げる本館2階。古い時代のガラスがそのまま残っているため、景色がほんのりと歪んでいるのが分かるでしょうか。
ホテルのそこかしこで見られるこの意匠は3つの笠を組み合わせた「三笠ホテル」のマーク。「M」と「H」も隠し字として配置されています。
入り口すぐの資料室となった部屋には、往時の宿帳や年表、今はもうない施設の写真などが展示されています。
すべての部屋にある暖炉に「避暑地」の涼しさが
部屋を回り始めてすぐに気がつくんですが、客室には必ず暖炉があるんですよね*1。
夏以外の時期の軽井沢の涼しさ・寒さがうかがえます。
採光のためだと思うんですが、窓を広くとってあるのも室温に影響しそう。
2階のスイートルームでは写真撮ってる僕の後ろ側に暖炉がありました。奥の部屋にベビーベッドがあるのが面白い。
ちなみにこの部屋、逆側から見ると
こういう配置になっており、スパイ映画とかで拷問に使われそうな感じがあります……。
いつまでも居たくなるような室内の雰囲気
玄関側の部屋の広縁(?)なのかな。サンルーム(?)。この日は見学者も少なく、こんなところでコーヒーか紅茶でも飲みながらぼんやり雨の音を聞いていたいような静かな感じでした。
こちらは山側の部屋。窓の近くまで迫る樹の枝の緑が目に鮮やかです。
三笠ホテルマークの書き物机。自分の部屋に置きたいけど本を積んでしまいすぐにたためなくなるのは目に見えています……。
1階スイートルームの洗面台。奥のバスルームには猫脚のバスタブがあります。バスタブへの直接の給湯配管はなく、ホテルの使用人が別の部屋からお湯を保ってきてバスタブを満たしていたようです。お風呂がついているのは一部の部屋で風呂なしの部屋に泊まった人たちは、別棟の湯屋を使っていたとのこと。
廊下も、トイレも、すべてシックでカッコいい!
この日、雨がかなり降っていて外光が少し暗く、感じが柔らかかったせいもあると思いますが、このサンルームや
中央階段、
そしてトイレまでなんだかしっとりと落ち着いておしゃれに見えます。
脱いだスリッパにも三笠ホテルマークが入っていることに思わず感動しつつ*2
四季折々違った雰囲気が味わえそうなので何かの折を見てまたきてみたいと思いながら、お土産のマグカップを買って三笠ホテルをあとにしたのでした。