インターネットあっちこっち

おじさんが、水族館や動物園に行ったり、そのへんでお酒を飲むブログです

2016年夏、台風の影に怯えつつ青ヶ島に行ってきたの記(その1)~竹芝桟橋-青ヶ島上陸まで

インターネッター、とりあえず船に乗る

ここ数年、たびたびネット(あるいははてなブックマーク)で話題になる「青ヶ島」。実は私もかねてより行ってみたいと思っておりました。青ヶ島のお酒「青酎」が好きだというのと、4年ほど前に八丈島に行った時に温泉の露天風呂から見えた島影に妙に旅情を誘われたというの、あと、もちろんインターネットに上げられている旅行記の景色が素晴らしい物ばかりだったからというのもあります。

ただ、青ヶ島に上陸するにはまず八丈島まで赴き、そこから就航率50~60%ともいわれる連絡船「あおがしま丸」*1か、定員9名と少なく地元の方も利用するためあっという間に席の予約が埋まるヘリコプター便「東京愛らんどシャトル*2を利用するしかありません。そして一度悪天候に見舞われると、そもそも青ヶ島に辿りつけなかったり、辿り着いたはいいけど戻り便が動かないまま島に何日もいなければならないこともあるそうで、気軽な感じで「次の三連休にでも」とはいかない島なのです。

しかしこの夏、あれこれの結果しばらく時間が取れそうになり、そしてこの期を逃すと次長く時間を作るのが難しいかも、という状況になったため、思い切って行ってみることにしました。当然ヘリの席は埋まっていたため、いきは「あおがしま丸」でのチャレンジです。


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とりあえず竹芝桟橋から東海汽船「橘丸」に乗り込んで八丈島を目指します。
この時台風5号が発生していて小笠原南方海域を移動中でした。台風のうねりは想像以上にかなり遠くまで伝わるため、青ヶ島丸の就航は5分5分といったところ。とりあえず八丈島行ってから考えよう、ダメだったら別の島渡ってもいいし、という出たとこ勝負でいきます。


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特2等和室は2段ベッド式で各寝台ごとに簡易ロッカーと小さい網棚、蛍光灯とコンセント1口がついていてかなり快適に過ごせます。……海が荒れてなければ。
大きな荷物を荷物置場に、小さな荷物を寝台においてうろうろと「橘丸」の中を探検。階段ホール部分に「橘丸」のカラーリングを手がけたイラストレーター、故・柳原良平氏のデザインしたキャラクターたちがいくつも飾られています。
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4甲板と5甲板の遊歩デッキでは、出航前から、備え付けの椅子とテーブルや、床に敷物を敷いて酒盛りをするグループが幾つも見られました。
ちなみに、「橘丸」の船内の自販機、お酒やソフトドリンク、あとスナック類は陸上の自販機と同じ価格で非常に良心的でした。あるいはなんかの補助が入ってんのかな?
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出港からしばらくは船内食堂も開いていましたが、夕ご飯は竹芝の立ち食いそばで済ませていたのでパス。食堂は終業後サロンとして開放されていて、先日ない消灯後の憩いの場になっていました。

この時が1時過ぎ、浦賀水道を出た相模湾を南下中でした。
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5時前に三宅島着。そこそこ人が降りて行きました。
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三宅島から出稿する遊漁船。釣り人はマジ朝早いな……。
https://www.instagram.com/p/BIvd7e0Dnli/
強がってますけど、どうもあとから考えると既にしっかり船酔いになってたんですよね……。この後は胃のだるさを抱えつつ寝台でウトウトといかぐったりしていました。頭上げてるとダメだった。
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八丈島八丈小島がはっきり見えて来ました。
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定刻を30分ほど過ぎて9:15ごろ八丈島は底土港に上陸。「あおがしま丸にお乗り継ぎの方はお急ぎください」のアナウンスが流れる。よっしゃ!あおがしま丸、今日就航するんだ!
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かなりうねりにガブられながら「あおがしま丸」も底土港に入港してきました。
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2隻そろって荷役中。
底土港の待合所で切符を購入する際
https://www.instagram.com/p/BIv0d9QDGzD/
これ、裏を返すとこの日行かないとしばらく行けないということ。明日は明日の風が吹くだろうととりあえず乗船。
船室はカーペット敷の広間になっていて、壁の棚に自由に使える枕と毛布がしまってあります。また冷蔵庫もあって手荷物で生鮮食料品を運ぶことも可能となっていました。2013年12月竣工とまだ出来て3年に満たない船だけあって、船内はどこもきれいなものです。

船室には八丈島民らしい初老の男性と、数名の青年男子グループ、そして僕と同じように観光に行くであろうご夫婦が一組。ちなみにこのご夫婦とは島内でもたびたび行き合っていろいろ教えていただくことになるのですが、この時の僕はそれを知るべくもなく、ただただ、


船室のテレビでは青ヶ島村紹介動画とか流れていたんですけどね……。

いよいよ青ヶ島に上陸!

波に揺られること3時間ちょっと、ひたすら横たわって意識を飛ばしていたのですが、エンジン音が変わり船がゆっくりと方向を変えるのがわかりました。窓から外を見ると
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青ヶ島だ!!
下船案内のアナウンスもありどうやら本当に上陸できそうです。
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青ヶ島を訪れた人の感想としてよく「要塞のよう」と言われる青ヶ島三宝港。火山島のため島の周囲の浅瀬がなく、外洋の波浪が直接打ち込んでくることに加え、港を作るのに適した低地もなく斜面崩落によって港が破壊される危険もあるためコンクリートで厳重に「防護」された島民の方々のライフラインです。すでにうねりが桟橋を乗り越えているが濡れた様子からわかります。
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タラップが渡されているところ。戻り便に乗る人が多く、この写真を撮った時は「あれ、結構観光客多いのかな?」と思ったのですが、後で聞いてみると、お盆休みに入ったため島を離れる島外出身の建築/土木会社の従業員の人達だったとか。僕と逆にここで島を出ておかないと帰れなくなる人たちだったわけですね。
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クレーン車でのコンテナ荷役。まあ常設の設備は置けないよなあ……。

ということでいよいよ青ヶ島島内へ!!

続きは
hms-ulysses.hatenablog.com
をごらんください。

*1:波が荒いと青ヶ島に寄港できなくて欠航になる

*2:こちらも天候によっては欠航することがある

すみだ水族館の夏イベント「お江戸の金魚ワンダーランド」を見てきた

金魚、大好きなんですが、飼うとどういうわけかうまくいかないので見るのに専念するようになりました。
というわけで。
www.sumida-aquarium.com

行ってきました。
僕はすみだ水族館3回めになるですが常設展は
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まあいつもどおり。
ただ、東京大水槽の裏にあった東京湾の生き物コーナーが、なんかネオンがピカピカ光るクラゲ水槽になっており、客を呼ぶ展示と水族館としての誠実なカタログ性って相反しちゃうよなーということを思いました。

あと熱帯魚水槽でクマノミを見つけたちびっ子が
「あ!ニモがいる!!ドリーに出てたやつだ!!!
って叫んでてなんというか盛者必衰を感じた。

「見せる」と「知らせる」をバランスさせた金魚展

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金魚展は5階フロアを外周を使って水槽を配置しており、パネルを使った説明のほか




フナ→ヒブナ→金魚各種の変化を水槽で示したり

金魚の様々な品種を小さい水槽で一覧させたりと、導入展示は非常に丁寧に作られています。またその中で、金魚(というか本来は魚類全般ですね)は非常に大きな量の遺伝子情報を持っており変異しやすくそのため様々な品種が生まれていること、金魚は雑に飼っていると数代でフナに戻ってしまうこと、人間が常に干渉しないと金魚という品種そのものが成り立たないことを説明しています。
あと江戸期は当然いまほど機材がなく、そもそも趣味的な品は高かったので適当な桶・鉢や防火水槽での飼育が当たり前だったという言及もあって「お江戸の金魚」という名乗りにふさわしい内容だなと思いました。
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ということで水槽飼育が普及している今と違って、本来ランチュウは桶だの鉢だの盥だので飼われる品種で上から見て美しかったり可愛かったりするのがポイントなんですよね。
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ショートテールのリュウキンは横から見たほうがかわいいかも。ちなみにこの水槽見てる背中側には磯臭いオットセイのプールがあって、なんか批評性がありました。
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お祭りの横丁イメージ。横から見る展示と上から見える展示が混在しているのが分かるかと思います。
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コメット。現状では唯一アメリカで作出された品種だったはず。
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リュウキンは体色と尾のバリエーションが豊かでかわいい。
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最近あまり見なくなってしまったクロデメキン。
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ワキンも体色が更紗だと艶やか。
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クソでかいオランダシシガシラ。コイキング感あった。
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現代アートぽかった巨大な寄せ植え?盆栽?みたいなのと水槽の組み合わせ。なお左の階段には江戸風鈴が展示されていてあおぐ用のうちわがおいてありました。
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上の巨大なやつの水槽にはかわいいランチュウが泳いでいました。ギャップがいい。

全体的に工夫しつつやり過ぎない展示で、金魚の美しさとか、動きの愛らしさみたいなものがきちんと主題として見える良い企画展だったと思います。金魚というと実は去年の夏、アートアクアリウムも見に行ったのですが、金魚が素材として便利使いされていて、本来の良さを出せてないなあと思っていたのでこういう展示があって、金魚それ自体の魅力が多くの人に伝わったらステキだなとも思いました!

海の日のイベントで水産庁の漁業取締船を見てきました

海の日、東京の晴海埠頭で、海にまつわる様々な展示ブースが出たり、いろいろな会社・機関の船が一般公開されるイベントがやっていたので、その中で日頃見る機会の少ない水産庁の漁業取締船を見学してきました。
バスで晴海埠頭に着くとまず目についたのが


https://www.instagram.com/p/BH_HyGIDazl/
商船三井の自動車運搬船「AQUAMARINE ACE(アクアマリンエース)」。こちらの内部見学は事前申し込み制で、完全に申し込み忘れていたので外から眺めただけですが、日頃あまり商船のやってこない晴海埠頭にこういう船がいるのを見るだけでテンションが上ります。

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その横には航海訓練所の帆船・海王丸が。
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海王丸は出港直前で、出港準備のためにタグボートが横付けしているところでした。
まずは細いロープを受け渡しして、
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船首のドラムに巻かれている太いロープに繋ぎ変えます。
タグボートが作業しやすいように、海王丸の左舷の錨が下がってるの分かるでしょうか?
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海王丸と岸壁の係留柱(ビット)をつないでいたロープ(ホーサー)も解かれ、いよいよ出港。タグボートが曳航を始めます。
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乗組員、練習生のみなさんが別れの「帽振れ」。今調べたところ、海王丸はどうやらこの後、岩手県宮古港に向かったようです。
そのさらに隣、晴海埠頭の一番北より方に水産庁の漁業取締船、「白竜丸」と「東光丸」が並んでいました。
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ちょっとわかりにくいんですが煙突には水産庁の「水」を意匠としたマークが描かれています。

漁業取締船というの、馴染みがない方も多いかと思いますが、簡単に言いますと漁船がさまざまな取り決めに従って適正な漁業が行っているかを監視・指導する船です。密漁や違法漁具の使用、割当漁獲高違反などが発覚した場合は当該漁船の拿捕、乗組員の逮捕を行います。この権現は日本漁船だけでなく周辺各国の漁船にも適用されます。沿岸、近海部は都道府県の漁業取り締まり部署があたっており、「白竜丸」と「東光丸」などの水産庁の漁業取締船は遠洋での漁業取り締まりに従事していることが多いそうです。

両船の水産庁の公式紹介サイトはこちら
www.jfa.maff.go.jp
www.jfa.maff.go.jp

船内が満杯にならないように岸壁の横に待機列を設けて乗船人数の調整を行っていたのですが、水産庁の係員のみなさん、炎天下並んでいる見学者を気遣って、冷たいお茶など配ってくださり、大変ありがたかったです。

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さて「白竜丸」に乗り込んでいきなり目の間に合ったのがこの「取調室」で、次には「通訳」室なども目に入り、のっけから「国際的な取締のため船だ!!!」というのを分かりやすく思い知らされます。見学コースにはなかったのですが、たぶん留置場みたいなのもあるんじゃないでしょうか……。
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「白竜丸」ブリッジ。単に操船を行うだけでなく、追跡・取り締まりの指揮を執る統合管制室も併設されています。このためいざとなると2日くらいブリッジに詰めっぱなしになることもあるそうで、そんな時のリフレッシュのためこの部屋の後方には
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こんな給湯室のようなコーナーが有りました。そうだよなあ……わざわざ水分補給とかコーヒー飲みに食堂に降りてる場合じゃないだろうしなあ……。
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海図見慣れていな人にもわかりやすいようにランドマークが置かれた海図台の海図。
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ブリッジから出ると「白竜丸」と「東光丸」の取締艇が格納されているのが見えます。いわゆるRHIBですね。
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降りていくと食堂。こちらでは装備品の展示や広報動画の上映が行われていました。
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立ち入り検査時の防刃プロテクター。
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採証用のカラーボールとその発射機*1。左中程のスプレーみたいなのは警告用の特殊音響閃光弾。
上映されていた広報動画を見ていますと、違反漁業者、言うこと全然聞かなくて、こういう装備が必要なのもむべなるかなという感じ。また、航行日誌ごまかしていたり、分かりづらいように船倉の中わざと乱雑に漁獲物積み上げていたりとあの手この手なので、検査-検挙と言うのは一筋縄ではいかないようで本当にご苦労様だなあという気持ちになりました*2
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調理室。
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食堂を出てラッタルをたどり、横に並んでいた「東光丸」後甲板へ移動します。木製の甲板板が足に優しい感じ。これを含めまた「白竜丸」「東光丸」両方共そうなんですが、全体的に船内外の調度には気が使われているように見受けられ、長期間の取締任務のストレスを少しでも軽減しようと工夫されているように見えました。よく見学している自衛艦と比べても、内装がしっかりしているように感じたのですがこれは、「戦闘での損傷・火災」を想定しなくてよい分、内装の自由度が高いというのはありそうです。

さて「東光丸」では子供連れ対象の前記の取締艇体験乗艇をやってまして
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これは子供さんいい思い出になるんじゃないでしょうか。うらやましい。

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サロン。けっこう豪華なの、海外での関係者接遇とかに使ったりするのかしら。
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「東光丸」のブリッジ。こちらも統合管制室が併設された構造なのですが、「白竜丸」より20年弱前の建造のため、若干の古めかしさがありました。もちろん給湯スペース併設。
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ブリッジの外には時鐘が。目の前では取締時に警告や通信を掲示する電光掲示板が、このときは見学時間を知らせていました。
この後船首でアンケートに答えて退船。おじゃましました!
他にもたくさん船があってかたっぱしから見たかったのですが、


という感じだったので
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コンテナ船「なとり」*3の入港だけちらっと見てバスに乗りみましたとさ。

*1:コンプレッサーから圧力空気もらって発射する形式

*2:逆に言うと規制の決定さえ下れば、しっかり取り締まりが行われ、マグロなんかも資源量回復するんじゃないかなあ……

*3:一目でわかる球状の船首や水面下の構造、塗料などの工夫で9.5%の燃費向上を達成した船

花と鳥の涅槃、掛川花鳥園に行ってきた

エントリの日付からすると旧聞に属しますが2016年の春先にインターネットの人たちとワイワイと掛川花鳥園に行ってきたのでその際の感想と写真などブログに書き綴ります。

レンタカーを借りて集合場所のターミナル駅から東名高速を一路ひた走ります。最初の休憩は足柄SA。この時の足柄SA、めっちゃエヴァンゲリオン推しでしたね……


https://www.instagram.com/p/BD9hEwFreVK/

https://www.instagram.com/p/BD9iVxEreXp/

昼過ぎくらいに掛川に到着。まずは入口付近のフクロウ舎など見ておりました

以前来た時は入り口とかもっとゆるい感じで看板フクロウをまじまじ見れたのですが、今回はだいぶシステマチックな感じになってました。駐車場には大型バスもだいぶつけていて、観光地としての深化を思い知る次第。
ずずいっと温室の中に進んでいきます。


https://www.instagram.com/p/BD9iVxEreXp/

温室の入り口先に留め置かれている不思議な表情のフクロウ。
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https://www.instagram.com/p/BD9xfr9reRj/
そして我々は100円の果物カップでこんなに愛嬌を振りまいてくれるコガネメキシコインコにもう一瞬でめろめろになるわけですよもう。*1

そんな温室の横にいた、どこかシルベスタ・スタローン感のあるカンムリカラカラ。
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そうこうしているうちに温室内でショーが始まります。KKE(掛川花鳥園)の「研究員」のおねーさん達によるバードショー。おねーさんたちのイチ押し鳥類の特徴が披露されます。
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フクロウ推しの「研究員」によるフクロウのショー。
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ペンギン推しの「研究員」はパタパタと歩くペンギンのかわいいところをアピール。



カンムリカラカラも飼育係のお兄さんの足の間を歩くという信頼関係をアピール。
しかしなんといっても見どころはベニコンゴウインコのダイナミックな飛翔だったと思います。
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羽根をひるがえしてブレーキ!
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この鳥の羽根のみごとな空力的設計っぽさ。
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本来生息域の被ってないキンケイとコガネメキシコインコが一緒にいるの、花鳥園らしい風景ではあります。

目がめっちゃ白いキンムネオナガテリムク。

アクリルの筒越しにピラルクにもエサをやれるんですが、ものすごい飲み込み方だった。

単に鳥たちの楽園というだけでなくて
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水槽の上にはスイレンも咲き誇ってます。
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メイン温室の全景はこんな感じ。そしてこの温室のスイレン水槽の上を……何かが走っていく……
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アフリカレンカクですね。足がぐわっと広がってることで、水面の葉っぱに圧をかけすぎず「水上走」ができる水鳥です。
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蓮の実か何かをつついているところ。

鳥にも休憩スペースが。
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でも、エサ見せると寄ってきてくれたり(ヘラサギ)。

リビングストーンエボシドリ。
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水辺の鳥の温室は色彩が乏しく、なんかこう、別の意味で異界感がありました。
そして池の真ん中には……。
https://www.instagram.com/p/BD96hOgLeej/
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オニオオハシ、以前友人が行っていたのですが、確かに一度のどの白い毛の部分を触ってみたい。
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シロトキに餌をねだられる私。
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同行者の人から餌をもらって瞬膜が動いているシロトキ。
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掃除用の水を飲み放題する自由なクロツラヘラサギ
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人懐っこく寄ってきてくれたフラミンゴ。お前、顔をよく見るとコズミックホラー感あるね……。
外に出てエミュー牧場へ。エミュー、餌カップを持っている人を見かけるとぐいぐい寄ってくる。
ひたすら餌を求められ続ける我々。
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エミューは首を伸ばすと人間の背丈を超えるくらいあるんですが、入場者が餌持っているのが腰くらいの位置なので下から攻め上げてくる感じになります。

ほかに外には

スパッツ履いてるみたいな足がトレードマークのヘビクイワシ

カンムリヅル、

下クチバシのヒダヒダが素敵なペリカンなどがいました。
そしてこのペリカンのいる池の先には!!!
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板を外された桟橋が……。
我々は口々に
「あーこれまだ俺達のレベルではいけないやつだわ」
「キークエストをクリアしてアイテム手に入れると渡し板が出てくるやつ」
等と話しておりました。

ちなみにこんなものも


https://www.instagram.com/p/BD-CWVMreYz/

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また花の下を通っておみやげを冷やかしつつ退出。いつ行っても楽しいところですね。
なんと7月からは人気の大型鳥類「ハシビロコウ」の飼育展示も始まったそうでまた行ってみたいと思います!

おまけ 「さわやか」初探訪

げんこつハンバーグで有名な「さわやか」、僕は不覚にもいままでに行ったことがなかったのでぜひこの機会に行きたいと思っていたところ、同意見多数だったので掛川インター店へ。


https://www.instagram.com/p/BD-I-u2LeR4/
夕飯には少し早い時間だったんですんなり入れるかなと思っていたんですが、いや、静岡の方々のさわやか愛を甘く見ていましたね。かなり並んで入店。
https://www.instagram.com/p/BD-OrkTLeZv/
値段の割にとても満足感の高いハンバーグでした。
お腹がいっぱいになった我々はすっかり雑談モード。
重い腰を上げて帰路につき
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さすがに眠くなってしまって途中運転を変わってもらったりしながら東京についたのでした。
格安レンタカーでワゴン車借りて適当に出かけるやつまたやりたい!!

*1:園内各所にミニカップに入ったエサが販売されており、来場者はそれを購入して鳥たちにアピールすることで触れ合えるという仕組み

むかしの「東京」を味わえる江戸東京たてもの園

歴史好きの友人が東京に遊びに来ていたので、一緒に行ったら面白かろうとかねてより思っていた江戸東京たてもの園へ。


https://www.instagram.com/p/BHEKU8Uj8Z7/
「え、これとよく似た建物、日本ニュースの紀元2600年記念式典のやつで見たんだけど」
「これこれ、これがそのものよ」
などという会話をしつつもう一人の友人を待ちます。
この建物は入口ゲート兼ビジターセンターとなっているのは上記の通り紀元2600年記念式典のために建てられた・旧光華殿。
ちなみに彼が見たという日本ニュースは恐らくこれですね。
cgi2.nhk.or.jp
ビジターセンターの展示や、旧自証院霊屋など見つつ、まず高橋是清邸に上がります。
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20世紀初頭の建物のため、平ガラスが均質な板状ではなく、わずかに歪んでいるのですが……写真だとわかりづらい。正面の建物は北多摩で製紙会社を営んでいた西川家の別邸。
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外から見たこの写真のほうがガラスの歪みがわかりやすいかも。
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2階は寝室と書斎があり和式の落ち着いたプライベートスペースといった趣き。窓から見える庭園も一部が復元されているそうです。
https://www.instagram.com/p/BHENsb9jsG4/
2・26事件で高橋是清が殺害された後、彼の邸宅の一部は多磨霊園に移築されていて戦災を逃れたため、今日このように公開されるに至っています。
高橋是清邸を出て茶室・会水庵などを覗きこみつつ東ゾーンへ。東ゾーンは江戸末期から昭和初期くらいの商家の建物を中心にした、エリアです。
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西部劇っぽさありません?ソンブレロかぶってポンチョをはおり、腰には長脇差とピストルをぶち込んだ渡世人が大立ち回りを、こう。このエリアは建物だけでなく、お店の中も、なるべく明治~昭和前期の状況を再現しているのが見どころです。
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いまはすっかり見なくなった荒物屋(丸二商店)さん。
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花屋(花市生花店)の中も店先だけでなく奥の畳敷きのプライベートスペースまで再現されています。
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こちらは筆類を中心とした文房具店(武居三省堂)。お店を閉めるときに中の商品もそのまま譲ってもらったため、右手の戸棚には墨汁や半紙などが、左手の引き出しの中には様々な種類の筆が当時のまま仕舞われています。
さてこの壁一面の引き出し、どこかで見たことあるなと思った方いらっしゃるかもしれません*1。写真に写っている解説ボランティアの方が手製のスクラップブックをめくりつつ説明してくれたことには
「この江戸東京たてもの園というのはスタジオジブリから結構近くて、『千と千尋の神隠し』を作るときに、スタッフの方がどうも度々いらしていたみたい。公式にそうだ、と発表になっているわけではないのでこっちで勝手に『モデルになっている』とは言えませんが、例えばこの店のこの戸棚のイメージはあの映画の油屋の地下の釜爺の部屋に投影されてるかも知れないですね」
とのことでした。

一息入れようと街並みの中に併設されている飲食処「蔵」で遅い昼ごはんへ。
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武蔵野うどん。以前ここに来た時にはメニューに、水が乏しく農業が厳しかったため小麦をあまり消費できない多摩地域でボリュームを出すために、刻んだ野菜などと一緒に食べたのを再現している、というような説明があった記憶があります。

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万徳旅館。これ何年か前に来た時まだなかった気がする……。青梅駅近くの青梅街道沿いにあった旅館の移築で内部は昭和25年ごろの再現とのこと。これだけ広く開け放てる建物だと、夏場でも涼しかったんだろうなあ。そういえば青梅市まちおこしにレトロな映画看板の掲示とか昭和的なるものの博物館とか作っていますが*2、ちょうどその頃の再現なわけですね。

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足立は千住から移築されてきた子宝湯。こちらも『千と千尋の神隠し』の油屋のモデルのひとつなんじゃないかと言われている施設です。
立派な唐破風とそこに立派な懸魚*3が吊り下がっているところに作りの立派さがうかがえます。
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脱衣所。折上げ格天井の格調高い作り。しかし、ブログ書いてて思いましたが、昔の銭湯って意匠が寺院ぽいのなんでなんだろう。銭湯もこう、マージナルな空間だからなのか、単に商売として使用可能な意匠の中で最もわかりやすい豪華さがあったからなんだろうか。
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男湯。奥のペンキ絵は戸田あたりから見た富士山かな。女湯との仕切りのタイル絵が、牛若丸と弁慶の五条大橋の決闘と那須与一の「扇の的」なのは男湯らしい。
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女湯。男湯との仕切りのタイル絵は舌切雀とさるかに合戦。
ちなみに、女湯がお伽話のタイル絵なのは「子供連れが多いから」ではないかというのと、仕切り壁が大黒柱に掛かっているのが東京の湯屋のスタイルという話がありまして、これはたてもの園の説明ではなく、東郷隆の短編小説集、『明治通り沿い奇譚』の1篇「タイル絵」に書いてあった話。小説ではありますが東京の銭湯についてかなり良く取材されて描かれたものと見えるので間違いないところなのではないかと。

明治通り沿い奇譚』は90年代初頭くらいの東京の雰囲気がよく出た、怪談と都市伝説のあわいのようなまさに「奇譚」としか言いようのない不思議な短編集で、不思議な話に関心のある皆さんにはぜひおすすめしたい。

明治通り沿い奇譚 (新潮文庫)

明治通り沿い奇譚 (新潮文庫)

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大衆居酒屋としてその筋では有名な根岸「鍵屋」の旧店舗。「1856年(安政3)に建てられたと伝えられています。建物と店内は1970年(昭和45)頃の姿に復元しています。」とのこと。
東ゾーンはこの辺として色々見ながら西ゾーンに転進。
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昭和前・中期を代表する建築家、前川國男が1942年に建てた自邸です。
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戦時下とは思えないモダンさと、戦時下なんだろうなというシンプルさがあわさった独特の感じがあります。ただこれ、今日でも自宅兼アシスタントを数人置く事務所としては十分に通用する設計ですね。
ここから近代邸宅を幾つか経由して、江戸期の農村の家々へ。
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世田谷の綱島家。
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板張りと畳敷きの部屋が折衷されているのがわかります。ここではこの写真の真ん中に見える神棚の他、かまどのところに祭壇があり、恐らく家の神様と別に竈神が祀ってあるのが面白かった。
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こちらは三鷹にあった吉野家という農家。懸魚と式台のある玄関まわりに格式を感じます。
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畳敷きの部屋が多く、奥座敷に付書院も配されていて綱島家に比べてより格式の高い農家であることがわかります。
https://www.instagram.com/p/BHEfQBxjGDr/

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などと西エリア見て回っているうちにそろそろ閉園時間。
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最後に見たのがこの、どこか少年探偵団シリーズにでも出てきそうな小出邸。子育てを終えた夫婦*4のために文京区西片二丁目に1925年建てられた家屋。
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アップライトピアノの置かれたモダンな応接間。家具もこの家に合わせたしつらえだとのこと。電灯を目立たせない照明もおしゃれで、これ今の家の部屋だとしても見劣りしないですよね……。
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2階は打って変わってシンプルな和室の部屋。こんな家を3日位借りて映画の上映会とか非電源ゲーム大会やりたいよねーなどと話しつつ、自転車で見回りに来た警備員さんに追い立てられるように慌てて退出。

江戸東京たてもの園、上がり込んだそれぞれの家屋でぼんやり座り込むだけでかなりエキゾチックと言うとか、時代の隔たりを穏やかに感じることができるので、インターネットのオタクにガンガン行って欲しい施設だと思いました。みんなどんどん行ってどんどんエモい写真を撮ってネットにあげてくれ!

*1:そもそも有名な話なのでご存じの方も多いかも

*2:一般社団法人青梅市観光協会|観光情報|

*3:この度調べて知ったのですが唐破風の下の懸魚のことを兎毛通しと言うそうです

*4:そこそこ財産はある