インターネットあっちこっち

おじさんが、水族館や動物園に行ったり、そのへんでお酒を飲むブログです

東京水辺ライン「いちにちゆらり旅」に乗って隅田川と荒川を上ったり下ったりした(その1 隅田川遡上)

先日、東京で水上バスを運行している東京水辺ラインの最長航路「いちにちゆらり旅」*1に乗ってきたのでそのことをブログに書きます。「いちにちゆらり旅」、以前から乗りたかったのですが平日しか運航していないのでなかなか機会がなかったのです。


https://www.instagram.com/p/BFU58P_ree4/
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両国の船着場を出て隅田川を遡上開始!最後尾に陣取って写真撮りまくりです。
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東京水辺ラインの他の船が係留されているところを通りずぎます。左の小さい船は「かわせみ」という船で、この船による日本橋川神田川クルーズも結構面白い。

蔵前橋

厩橋

駒形橋に吾妻橋と過ぎていきます。
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こちらは源森川水門。北十間川樋門とともに北十間川スカイツリーの足元を流れている川です)に水を引き込み、あるいは増水時に水をせき止めて江東デルタを守る水門です。

言問橋
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桜橋を通過。東京水辺ラインの航路でもそうですが、もう一社、東京都観光汽船の航路も含めて、乗り合いの船で桜橋以北行けること自体がちょっと珍しんですよね。機関の出力が上がって蹴立てられる水の量も増えてきた。

白鬚橋。
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白鬚橋を超えてすぐ、西岸側に見えるこの入江はかつてこの奥の隅田川貨物駅に引きこまれていた運河の跡で、現在は瑞光橋公園として整備されています。

神大橋。
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東岸の高速道路の下の水路が旧綾瀬川。400mほど奥で隅田水門が隅田川都荒川を隔てている。

この辺りでほぼ南北に流れいた隅田川がググッと西に流れを変えます。
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千住汐入大橋。上空に飛行船が飛んでました。

川辺の工事で掘り返した土をはしけに積んでいる。

こっちは川の浚渫か護岸工事かな?
https://www.instagram.com/p/BFU9RmiLeVa/

こちらも工事現場。奥に見えるのが常磐線つくばエクスプレス日比谷線の鉄橋。

千住大橋

三河島水再生センターからたぶん汚泥を搬出するための施設だと思われる何か。荒川下流に汚泥処理の「東部スラッジプラント」があるんですよね。
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京成本線の鉄橋。さっきまで必ず左側(東側)に見えていたスカイツリーがまっすぐ後ろに見えます。

これはグーグルマップとかで見てもちょっと正体を突き止められなかったんですが、ゴミの積み替え施設かなあ……。水面から見ると、隅田川が思った以上に水運に利用されていることに気が付かされます。

尾竹橋。
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日暮里・舎人ライナーの鉄橋をちょうど車両が通過中。奥が尾久橋です。

小台橋。
https://www.instagram.com/p/BFU_zdbLeax/

護岸工事かな?

河岸の左のクレーンはどうも地図で見てみると石材屋さんのものっぽかった。
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石神井川の合流部。上を走っているのは首都高中央環状線
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低い視点から見る高速道路の高架、グーっとどこまでも伸びてるように見えてカッコいい!


豊島橋を過ぎてぐねぐねと曲がって行くと、
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何やら赤い車両が川岸に沢山とまっています。こちらは東京消防庁の第六方面本部消防救助機動部隊の基地なんですね。左手のクレーンには水上バイクが吊られていて、たぶん、近くの隅田川や荒川で水難事故が起こったら出動がかかるんだろなあ。

豊橋

新田橋をくぐると、
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神谷の船着場です。
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近くにはニトリが見えて、だいぶ郊外の風情が増してきます。
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正体不明の構造物。旧水門とかでしょうか……。
https://www.instagram.com/p/BFVCbddLeQH/

この辺、両岸に小さいボートが何艘も停泊していました。地図で見ると川の両岸に同じ会社の工場があるのでその連絡用かな。
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ずずいっと岩淵水門を一度通り越して新河岸川と名前を変えた流れをさらに遡ります。なお、三枚目左側の船は国土交通省の災害対策支援船「あらかわ号」。

国土交通省荒川下流事務所と荒川知水資料館「アモア」。「知水」って治水とかけてたはず。一度行ったことありますが、屋上にある水門とダムのミニチュアを手で動かしながら水の流れを変える展示が良かった。

岩渕橋。

新荒川大橋。ここだけ見ると「大橋???」って感じですが、左手の中洲と荒川を一気に越える大きな橋でした。
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京浜東北線東北線の鉄橋。

中の橋。

北赤羽駅近く。本来なら遊覧船が入ってくるような雰囲気ではないですね。

浮間橋と埼京線東北新幹線の鉄橋。
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小豆沢の船着場でぐるっとターンをして
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新河岸大橋の直前がこの旅の最上流。今度は川を下り岩淵水門を目指します。
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途中で保育園のちびっこたちに手を振られるわれらが「あじさい」号。
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列車通過中の鉄橋はまた趣きが違います。
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そしていよいよ、
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隅田川と荒川の境を
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くぐります!
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もうこちら側は荒川です。
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赤い構造物は1924年竣工の旧水門。産業遺産、歴史的建造物として保存されています。

に続きます!

東京みなと祭で公開されていた消防艇「みやこどり」と掃海艦「つしま」

東京みなと祭というイベントで「珍しい船の公開」があるのですが、今回は16日の日曜日に一般公開された東京消防庁の消防艇「みやこどり」と海上自衛隊掃海艦「つしま」を見学しました。

日本最大級の能力を持った消防艇、東京消防庁の「みやこどり」

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「みやこどり」の放水の姿などはこちらを。

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岸壁直接ではなく間に平台船(ポンツーン)入れてるのは岸壁と船の間の傾斜をなるべく小さくしようとしてるから、なのかな。後掲の「つしま」だとラッタルの角度結構ついてますね。なおいっぺんにあまり多くの人が入らないようにしているため、待機列の進み具合は割合ゆっくりでした。

その余興にってことでもないんでしょうけど、岸壁に近づいて伸縮放水塔を伸ばした状態を見せてくれる「すみだ」

放水塔が縮んだ状態だとこう

乗り込んですぐのところに予備っぽい錨が置いてあった。
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船首から船橋を見上げる。広角レンズで歪んでるのもあるけれど、放水砲、立派ですね。同行の友人が「みやこどり」を見て「軍艦らしさがある」って言ってたのもうなずける。
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船首側。ここにも放水口があります。
ぐるっと海側に回って
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上甲板救護室へ。傷病者手当用ベッドが並んでいます。左手に階段があってこの下にも救護室が。後ろの棚に「熱傷バッグ」など処置に必要なセットが格納されています。「分娩バック」があったの消防機関らしい。この部屋は背中側が
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この通路になっていて、外部(一番奥が外の甲板です)とのアクセスがスムーズになっています。この通路のところ個人用ロッカーや空気ボンベのラックの他に左右にトイレ・洗濯室・シャワー室があるのですがこれらが男女別になっているの、大規模災害での長期活動に備えているのかなと思いました。
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2階部分(01甲板)の大部分を占める指揮作戦室。海上保安庁の巡視船のOICみたいなものかな。立派な、どちらかと言うと会議室といった趣きの部屋。船舶火災なんかだと「みやこどり」自体前線に出なきゃいけないのでこの部屋使ってる余裕なさそうですが、大規模災害での救助・救護の局面だとこういう部屋必要なんでしょうね。以前見学した時は、正面のモニターに船のセンサーによるサーモグラフィーを転送できるというデモをやっていました。
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操舵室。船に関する全ての制御がここで行えるようになっています。手前がエンジン関係の制御盤。奥右側が船の操縦と周辺状況確認に関する機器類で、奥左側が消防関係の装備の制御盤です。放水砲を操作するジョイスティックが見えますね。
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船橋後部の階段を降りて上甲板後部へ。真ん中のシートに包まれたものは搭載艇。左右の折りたたまれた赤い機械は搭載艇揚収用のクレーンです。搭載艇奥に黒く口を開けているのが上の写真の通路の入口です。
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最後部はヘリコプターの救助スペースになっています。着陸はできなくて、降下・吊り上げ用のロープを下ろすところです。
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出口用のタラップがかけられているところにシャワーが設置されていました。「シャワー室」自体は船内に設置されているので水から上がったダイバーが汚れを落とすところかな。
「みやこどり」、強力な新鋭艇で東京消防庁が自慢に思うのも分かるよなあと思いました。願わくばこの船が大活躍なんていう事態が起こらないことを……。

主要目 みやこどり(4代目)
総トン数 195.00t
全長 43.2m
全幅 7.50m
巡航速力 約20ノット(38km/h)
放水能力 70,000リットル/分
就役 2013年3月

もうすぐお別れ。日本最大の木造船、掃海艦「つしま」

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「みやこどり」を後にして、次は海上自衛隊掃海艦「つしま」の見学に。
軍艦好きな方には要らぬ講釈ですが、掃海艦というのは海の中に仕掛けられた「機雷」を除去するための艦です。機雷は直接的な接触の他、船が発する様々なサイン、スクリュー音や水圧の変化、鉄製の船体が移動することで生じる地磁気の乱れなどを検知して爆発し艦船に損害を与えます。この機雷を物理的に浮かび上がらせたり、偽のスクリュー音や地磁気の変化を発生させて周りに艦船が居ない状況で爆発させ、無効化するのが「掃海」という作業になります。
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掃海のためには機雷が仕掛けられている海域に進入しなければならないため、当然、掃海艦艇が機雷を作動させてしまう危険性があります。その危険性を少しでも減らすため、ほとんどの掃海艦艇は雑音の発生を抑え、地磁気を乱さないために通常の鋼鉄を使わないように設計されています。「つしま」が木造なのはこのためです。また「つしま」が属する「やえやま型掃海艦」は掃海艦艇の中でも特に深い水深に設置された機雷を除去するためのもので、深い水深=そこまで届かせるに機材の大型化が必要、なのでそれを搭載する船も大きくなくてはならず、結果「やえやま型」が日本最大の木造船ということになったわけです。
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待機列でゆっくり進んでいると、ラッパ手の方がラッパ吹奏の実演をしてくれました。総員起こしから消灯ラッパまで一日の節目に吹かれるラッパを一通り吹奏すると
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さあっ、とこの日「つしま」の1日艦長を務めていた杜野まこさんにラッパを渡し、吹いてみてくださいと。周辺みんな「いきなりは難しいよな~」という目で見ていたのですが
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見事音を出せて得意顔の杜野さん。以前も別の艦で1日艦長をやられた時にラッパにトライする機会があったみたいですね。*1あとまったくノーチェックだったのですが、杜野さん、アイマスのアイドル姫川友紀の声やってらっしゃるんですね、知らなかった……。
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こちらは本来の、増澤寛治艦長によるラッパ吹鳴。何十年か昔、ラッパ手をやっていたことがあるとかでサマになっておりました。この後その辺のちびっこたちにラッパが回ってラッパチャレンジのひとときに。
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遠目にはあまりわからないのですが、近寄って見ると確かに木造船。
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こちら木造船の建造工程を説明したパネル。こんなに手間がかかるうえ、木造船は使ってるうちに船体が水吸って重くなり、速力が出なくなる、そもそも木材と職人の確保が困難、などといった難点もあり、最近の海上自衛隊掃海艦艇はFRPで作られるようになりました*2FRP製だと雑音が出やすいという問題があったのだけれどそれも技術の進歩でどうにかしたみたい。
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訓練用機雷。"「グラウンドターゲット」略して「グラタン」、美味しそうな名前ですが食べられません"というネタ、他の機雷戦艦艇でも見たことがあるので掃海隊群*3の持ちネタなのかも。
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後甲板には機雷除去用の装備が所狭しと並べられています。これをうまく必要な機材だけ海に下ろしてまた上げるというの考えるだけで、もう大変な作業だなという気持ちに。
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吊るされている黄色い機材は機雷処分具S-7(2型)。いわば水中ロボットで、探知した機雷に爆薬を設置して爆破させる「機雷掃討」のためのものです*4。先端の黒い丸たちがセンサーその他で、お腹に抱いているのが掃討用の爆薬ですね。
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艦橋。ここは船の操縦のためだけの部屋で、掃海・掃討の指揮はCIC(戦闘指揮所)で行われます。海上自衛隊だと基本的に非公開ですね。米海軍だと一般公開の見学ルートに入っていることもあります。
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艦橋から降りて
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艦首へ。正面には唯一の備砲である20mm機銃。自衛用兼浮いてきた機雷を爆発させるための装備です。船のサイズの割には軽武装に見えますが、掃海艦艇の「武器」は機雷除去のための機材だということが逆によくわかります。

写真で見ても手入れが行き届いていることがわかりますが、就役から20年を超え、現在代替艇の建造が進んでいまして、「つしま」は同型艦の「やえやま」とともに、この7月に退役することになっています。退役する前に希少になりつつある木造掃海艦艇を見ることができたのは本当に良かったです。

*1:掃海艦 つしま|杜野まこ オフィシャルブログ「真実のくち MAKOのくち」Powered by Ameba

*2:外国だとFRPか非磁性鋼が多い

*3:「つしま」が所属している部隊の、さらに上級部隊

*4:上記の機雷を作動させて無力化するのは「機雷掃海」と言われます

東京消防庁の消防艇の祭典、「水の消防ページェント」を見てきた

東京消防庁は毎年5月中旬に開かれる東京みなと祭の一環として、消防船と消防ヘリによる分列航進や救助・消火演技を展示する「水の消防ページェント」を行っています。そもそも消防艇の演技が展示されるのが珍しい上、たくさんの消防艇がいっぺんに動きまわるのもすごく珍しく*1、2013年に一度見に行ったのですがとても印象的でした。このため天気が予定もなかった今年、友人も誘ってまた見に行くことにした次第です。
10時15分くらいに会場の晴海客船ターミナルについたのですが、展望デッキはかなりいっぱいになっていました。
「水の消防ページェント」開始後まず最初は消防少年団の行進、ついで東京消防庁音楽隊やカラーガードの行進などがあり
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観閲部隊指揮官の人が指揮艇に乗り込みます。艇と岸壁にかなり高低差があって少し大変そうでした。「自衛隊のイベントだと地面からパジェロに乗り込むから脚立一つで済むのにこっちは大変そう」とは同行の友人の弁。

豊洲大橋の手前で分列航進に向けてターンする消防艇たち。
以下、水難救助用水上スクーター他、分列航進が続くのですが、各船艇・ヘリの説明は煩雑になるので別項の以下をご参照ください

こちらでは各艇/ヘリのスナップのみ











続いて放水演技。
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3隻向かい合っての放水が
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同じ方向への放水に変化し……
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カラー放水が始まるとともに消火タンクを取り付けたヘリコプター「ゆりかもめ」からも放水が開始されました。息のあった演技ですね。

この次は救助・消火演技。
水上バスの「あじさい」で火災が発生し、火から逃げようとした乗客が複数水中に転落したという想定。
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破裂音とともにめっちゃ煙が出始め、本当だったら船が危なそうな勢いです。
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通報を受け駆けつけた(想定)水上スクーターや
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ヘリから降下したり
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救助艇から飛び込んだレスキュー隊員が落水者を救助します。
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病院へ急いでいる想定で飛び去っていく「つばめ」。
さて、ここで別の消防艇で救助され「みやこどり」に移されて応急手当を受けていた落水者の1人が重篤な状態であることが判明!(想定)。直ちに病院に搬送するべく、ヘリコプターに移乗させる事となりました。
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ヘリコプター「こうのとり」からレスキュー隊員(とおそらく救急救命士)が降下、
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ストレッチャーを使って重症者を船内から機内へ吊り上げ、収容します。
こういう、消防艇と消防ヘリの連携訓練やっているの、消防だと大変珍しい、はず。
ここで出火船「あじさい」で火の手が一段と強まり、船員の初期消火が不可能になった(想定)ということで消火演技に移行します。もっとも、たびたび爆発音とかしてたから最初から無理だったんじゃないかな、初期消火……。
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3隻の消防艇からものすごい勢いで水が出ておりますけれども、これ、じっさい「あじさい」に当ててたら「あじさい」結構時間かからないうちに沈んでしまうので、ここは「演技」ですね。水煙の向こうに「あじさい」が隠れている。なお実際の船舶火災の際は放水と同時に必要に応じて排水も行われるとの由。

そしていよいよ見せ場の一斉放水。
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5隻揃っての放水が
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カラー放水になり
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5色になるとともにヘリコプター編隊が航過!大団円!
ちなみに、



あとカラー放水のあとはどうしても飛沫かかって船汚れちゃうみたい

最後はフェアウェルセレモニー。船が元の配備場所に帰るための「さよなら航行」ですね。自衛隊海上保安庁の観閲式、海上パレードみたいなものでも行われることがあります。
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まずはヘリ編隊。
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隊員さんたちが敬礼しています。
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水上バイクには発明家兼社長っぽい人と
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サメに食われかけの人とたい焼きが……。
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「はやて」には機関車っぽい人。
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「しぶき」には機関車っぽい人と日本刀を持った暗黒卿っぽい人が。
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「はるみ」にも機関車っぽい人たちが。あと船首にいるのはナゾトキをする教授っぽいですね。真ん中の構造物上にいるのは、こう、どっちかって言うと西川のりお扮するやつだよな……。
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日本橋消防署浜町出張所の「はまかぜ」と「きよす」には探されるっぽい人たちが。
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「ありあけ」には戦隊カラーに揃えた人たちが。黒の人はくまモンヘッド被ってました。
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「かちどき」はアロハっぽいシャツでキメてました。2013年も同じスタイルでキメてたなあ。
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「すみだ」は恒例の「海の安全をめざして」垂れ幕を掲げながら、東京消防庁のマスコット、キュータくんとあとなんだろう?LINEスタンプっぽい人たちが詳細不明の寸劇をやっていました。周りの人たちはそこそこいい反応だったのでたぶん有名なお笑いのネタかなんかだと思うのですが……。
水の消防ページェント、岸壁に設けられた来賓スペースに消防少年団の子どもたちが招待されているので、フェアウェルセレモニーは単にユーモアってだけじゃなくて、その子たちが楽しめるように色々工夫しているっぽいです。
「みやこどり」はこの後の一般公開に備えてフェアウェルセレモニーは不参加でした。

以上で水の消防ページェントおわり!

東京みなと祭、水の消防ページェントだけじゃなくて、港湾局や海上保安庁、大学の船の公開や、港湾関係機関/団体の広報パネル、露天の出店などもあって日頃あまり間近に感じられない港や船に親しめるイベントなので、非常に楽しいですね。また開催日が天気良かったら行きたい。

*1:そもそも4隻以上の消防艇を保有している消防本部は東京消防庁だけだったはず

水の消防ページェント2016に参加した消防艇とヘリコプターたち

2016年の「水の消防ページェント」については下掲のエントリをご覧ください

消防艇

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臨港消防署配備の水上スクーター、「風神」と「雷神」。スピードを活かした水難救助と情報収集に用いられる。後部の板状のもの*1は落水者が掴まったり、意識のない落水者を水面から引き揚げるためのライフスレッドと呼ばれるいわば大型のビート板。
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臨港消防署配備の指揮艇「はやて」。現場指揮のための高速艇で、このサイズ感で10人乗れるとのこと。
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臨港消防署配備の高速水難救助艇「しぶき」。搭載されている黄色いのは水上用に浮力体を付加した担架。もちろんこの他にもいろいろ資機材が搭載されている。水深のごく浅い水域を進むために、アウトドライブ*2を水面上に跳ね上げて櫂で進むこともできるとのこと。*3
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臨港消防署配備の高速艇「はるみ」。「東京消防庁で一番の速さ誇る水難救助艇です」とのこと。*4「しぶき」が35ノット出る旨、消防署の紹介ページに書いてあるので*5、「はるみ」は実際40ノットくらい出るのかな。なお水難救助専門ではなく放水銃とホースを接続する放水口を装備しており、消火作業にも従事できる。後部の「東京消防庁」と書いてある部分のステップが低くなっているのは水面にアプローチしやすくするためだろう。
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日本橋消防署浜町出張所配備の消防艇「はまかぜ」。こちらも放水銃を装備しており、水難救助艇兼消防艇として活動する。スクリューその他を持たないウォータージェット推進*6のため、浅い水域でも航行可能。艇尾に網張ってあるのは水面へのアプローチをする作業エリアとするため。
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日本橋消防署浜町出張所配備の消防艇「きよす」。「はまかぜ」の同型艇。
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高輪消防署港南出張所配備の化学消防艇「ありあけ」。普通、消防艇は周囲の川の水・海水をエンジンで吸い上げて消火用水にしているが、「ありあけ」が化学消防艇と言われる所以は、船体内のタンクに消火剤を搭載しており、これを吸い上げた消火用水に混合することで危険物火災に対応する能力を高めているところにある。こちらは更新の時期を迎えており、昨年新「ありあけ」建造の入札があった。姿が見れるのは来年くらいまでだろうか。4基の放水砲は毎分5000リットの放水能力を持っており、合計で2万L/分の水を吐き出せる。だいたい普通の消防ポンプ車10台分くらいの能力。
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高輪消防署港南出張所配備の化学消防艇「かちどき」。こちらは昨年就役したピカピカの新造艇。なおここまでの消防艇はみな、浅い水域でも活動できるように喫水*7が浅く、また水上に出ている部分は極力高さを抑えて低い橋梁の下を通過できるように工夫が凝らされている。「ありあけ」「かちどき」の場合、船体中央の放水銃の装備されたマストはそのままパタンと後ろに倒れるようになっている。
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臨港消防署配備の化学消防艇「すみだ」。今までの消防艇とは逆に、沿岸部のコンビナートや大型船舶での火災時に高所から放水できるよう、最大15mまで伸びる放水塔を装備している。毎分7000Lの放水砲を2基、毎分5000Lの放水砲1基を装備し、合計放水能力は1万9000リットル/分。
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臨港消防署配備の化学消防艇「みやこどり」。東京消防庁最大の消防艇で3年前に就役した新鋭艇でもあります。こちらも中央部の放水塔が伸縮可能。また沿海区域*8を航行可能な装備を持ち*9緊急消防援助隊の水上部隊として日本各地の災害現場に赴くことができる。この他に大規模災害時の傷病者に対応するため、応急処置用ベッドを合計14床搭載、このうち上甲板*10救護室のベッドは高規格救急車のものと同等という。現場指揮艇となるための作戦室、ヘリコプターTV映像受信装置、追尾機能付きの赤外線カメラなども装備している*11。毎分1万5000Lの放水砲を2基、毎分1万Lの放水砲を2基、毎分5000Lの放水砲を伸縮放塔上に2基装備しており、その他の放水口と合わせて合計放水能力は7万リットル。

消防ヘリ

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中型ヘリコプター「つばめ」。エアバス・ヘリコプター社のベストラセラー双発ヘリコプター、(旧名)AS365N3を東京消防庁仕様にしたもの。吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能。ヘリコプターに詳しい人はご存知かと思いますが、「フェネストロン」というテイルローターが機体の中に取り込まれたような形状になっているのが特徴です。
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大型ヘリコプター「こうのとり」。こちらはエアバス・ヘリコプター社のベストラセラー大型双発ヘリコプター、(旧名)EC225LPの東京消防庁仕様。「つばめ」同様に吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能。東京消防庁が大型のヘリコプターを運用しているのは、伊豆七島の緊急患者搬送や空中消防を担当しているためと、おそらくは緊急消防援助隊の航空隊の要になるためなんじゃないかと思います*12東京消防庁航空隊大型ヘリ4機、中型ヘリ4機からなる小国家の空軍とかより充実したヘリ部隊です。
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大型ヘリコプター「ゆりかもめ」。こちらもエアバス・ヘリコプター社のベストラセラー大型双発ヘリコプター、(旧名)EC225LPの東京消防庁仕様。吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能、なんですが、この「ゆりかもめ」が機体下部に装着しているのがファイアーアタッカーと言われる外部装置。これを装着すると

このように消火用水の空中投下が可能になる。

これらの東京消防庁のヘリコプター隊は、新木場の東京ヘリポート内の江東航空センターと立川広域防災基地内の多摩航空センターに配備されている。

*1:手前の「雷神」のものは水飛沫で見えない

*2:舵と推進器が一体となった機械

*3:東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防艇:「しぶき」>

*4:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><はるみ>

*5:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><しぶき>

*6:船体内のエンジンで加圧された水流を噴き出して進む

*7:船のうち水面下に沈んでいる部分

*8:概ね海岸から20km以内の海域

*9:すべての船舶は装備によって航行可能な海域が区別されている

*10:建物の1階に相当する階層

*11:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><みやこどり>

*12:完全に憶測ですが

亀戸天神の藤棚に春のど真ん中を感じた

先日、ふらふらと亀戸天神を訪れたところ、もうすぐ満開、という雰囲気で、春の盛りを感じさせてくれました。
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どうしてもスカイツリーと絡めた写真を撮りたくなります。
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最初の太鼓橋からぐるっと見回すとこんなふうに藤棚が広がっています。
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フジ、根元の方から咲くんですよね。全体的に7分咲きという感じだったかな。一番下の写真のフジはまだまだ。
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亀戸天神というだけあって(?)池には亀がたくさんいました。外来種のアカミミガメやキミミガメが多かったのは批評性があった。
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手水舎。最新のマクロスで似たようなネコいたぞ。
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本殿。
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フジ、複数の品種が植わっているそうなのですが、僕が花を見分ける能力がないため、明らかに違うかなって思ったのは花の色が赤みがかったこのフジだけでした……。
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やっぱりまたスカイツリーと絡めた写真撮ってしまいました……。