動物園にもお国柄が出る-北京動物園に行きました(その1・パンダなど)
今年の冬仕事で北京に行くことになりまして、空いた時間に北京動物園を見てきたのでその感想など。
門からエキゾチック
北京地下鉄4号線動物園駅の改札外コンコース。なんか懐かしい感じがする
わかりやすい最寄り階段。チケット売り場で別料金のパンダエリア込みの入場券を買います。オフシーズンなので安かった。……中国語ビタイチわからないんですがどうやって買ったんだっけ。百度翻訳を使って画面見せた気がしたます。
さて、こちらが動物園正門。もうすでにここで動物園の入口というより庭園の入口って感じですよね。動物園の公式サイトによると、清朝末期に商務部が公園や寺院のあったところに農業試験場の一環として整備されたのが起源のようなので、その頃とかもっと以前から使われていた建物も残っているようです*1
例えば、こちら入口入ってすぐの事務所とかに使われている建物なんですが、すでに色々と来歴がありそう。
本場で見るパンダ
さて、せっかく中国の動物園に来たのだからまずはジャイアントパンダ(以下パンダと呼称)ですよパンダ!!パ・ン・ダ!!!。前述の通り、パンダエリア別料金なので園内で更にもう一度ゲートを通ります。
この日はあまり混雑していませんでしたが、混雑時に来園者が飽きないよう、パンダ舎へのアプローチルートからいくつかの動物が見れるようになっていました。
するする歩いていくと、屋外展示場に白黒の影が。パンダだ!
あーでもなんか君かなりダルそうですね……。ちょっと怖い。
そしてこちらが屋内展示場の様子。リアル寄りというよりは、山水画というか文人画的なセンスを感じますよね、このへん本当にお国柄だと思う。そしてこの屋内展示場で
丸まったり
エサのタケノコを食べたりと、リラックスしてるとは言えそうです。
餌の紹介とか、骨格標本や人工飼育器の展示とか、動物園自体はストイックに真面目にやっていると思うので、あの室内展示場も多分ストイックに真面目にやっていた結果なんだとは思いますが……。
こちらでは確か内外の展示場合わせて5頭くらいパンダが展示されていまして、後述の別棟合わせると8-10頭くらいいたんじゃないかなあ。生息地から離れてはいますがさすが首都の動物園。
外見はかなりかっこいい。
とにかくいっぱいいる
こっちはもう一つの飼育舎で、「オリンピック記念」みたいなことが書かれていたので、北京オリンピックを機に建設されたか改修されたのだと思います。
しかし、ここでもフリーダムな座り方でササ食べてる。
こちらは室内。先程の飼育舎に比べると写実的というかリアル寄りで、やはりこちらのほうが建てられたの新しいんだろうなと。1頭あたりの飼育スペースは本当に広々としていますね。
館内に置かれていたパネル。動物なのに中華文化の友好の使者になっちゃうのたいへんだ。
ちなみに、本館(?)、別館(?)ともパンダグッズを取り揃えたショップなどもあり、ここどずっとパンダ見ているのも悪くない気もしましたが、私は次いつ来れるともわからない身、
ところでこれ、両館の間の通路に置かれていた石像なんですが、え、これパンダなのかな……
以下
動物園にもお国柄が出る-北京動物園に行きました(その2)
に続く予定です
海から400km離れた素敵な水族館、ダラス・ワールド・アクアリウム(その2)
hms-ulysses.hatenablog.com
の続きです。テキサス州はメキシコ湾岸を北に400km離れたダラスのダウンタウンにある、ダラス・ワールド・アクアリウム*1、オリノコ川の川底(水槽)をのぞいたその横にあったのは世界各国の海をコンパクトに表現した水槽でした。
小さな水槽で世界を巡る水族館パート
こんな風に、水槽ごとに地域を銘打って、その特色を展示しています。海から遠いから水量の多い海水水槽は厳しい、ということなんでしょうね。だいたい10エリアぐらいの特色ある生物がそれぞれの水槽で展示されていました。
なお、水槽横のタッチパネルで環境と各生態種についての解説が見られるってわけ。
そして本邦水槽なのですが、チンアナゴと熱帯魚、小笠原あたりの想定なのかなあ。けっこうケイソウついちゃってますけど、これも海水の調達が難しいことと関係してそう。あー飼育員さんに質問してみればよかった。
なんていうか、こういう人うちとか皆さんの近所にいるよね……
大きな魚が悠々と泳ぐ向こうにミュージアムショップの一つがあって、雰囲気めっちゃいいです
マヤのセノーテを上ってゆく
さて、トンネル水槽を抜けて進んでいくと地下階にふさわしい闇の世界が出現します。
明るく撮れてますが夜行性のウサギケージ。
夜行性だったり洞窟の暗い世界で暮らす生き物たちについてのパネル。
魚介類や哺乳類だけじゃなくて両爬もしっかり展示されています。
各種水槽、ケージから離れるといかにも地底といった雰囲気。ここはメソアメリカ地域の水をたたえた陥没ドリーネ*2、セノーテを模した展示エリアなのです。
トンネル水槽を見上げると悠然と泳ぐノコギリエイ!
上部から見下ろすとこう。陥没ドリーネに水が溜まった様子がよく再現されていますね
グアテマラワニが鍾乳洞の影に潜んでいる、という想定かなー。
ぐるりと上の方に歩いていくと色鮮やかなフラミンゴ*3たちうろうろしています。色鮮やかな羽色を保つためにめっちゃアスタキサンチンを含んだ餌を与えられている……
最上部にはトビエイやイトマキエイの仲間がバタバタと泳ぐ水槽が。結構せわしなく泳いでるのが面白い。
ちなみにこのセノーテエリア、水族館としては "Mundo Maya" (マヤの世界)という名前がつけられていまして、先のエントリで紹介した「オリノコ川流域」と並ぶ目玉エリアです。マヤ文明時代を模した壁画や彫像が展示されています。壁画の横で親子が見上げているのが↓のオウギワシ。
オセロットがおとなしくしていたり
日本では見られないクソでかいネズミであるところのアグーチが飼育されているのいい意味で地域性なんだろうなあ。しかし君、上半身と下半身のバランスがちょっとこう、仕様おかしくない???*4
その他も見どころがあります。ハシビロコウさんもいるよ!!!!
ダラス・ワールド・アクアリウム、屋外展示もありまして、これが水族館からは「喜望峰エリア」と「マダガスカルエリア」と命名されています。前エントリで触れた外から見れるホシガメを内側から見るところです。
このケープペンギンとか、ホシガメはだいたい生息エリアあってるんですが、
ヒガシキバシコサイチョウとか
アオハラニシブッポウソウとかだいぶ生息エリア遠いな!?
ともあれこの2種も日本では見れない*5っぽいので物珍しさは満喫しました。照明の関係でどっちもドラクエかモンハンのモンスターっぽい強そうな写真になっちゃってますが。
そしてみんな大好きハシビロコウさん!ケージ自体は入場ゲート付近にあるんですけど、植物との位置関係などで見にくくて、屋外のところから見上げるのが見やすかったです。
ダラス・ワールド・アクアリウム、敷地面積はそれほど広くないんですが、メインの展示をアメリカ大陸の2つに絞り、建物の高低をうまく使った展示が素敵な博物館でした。ダラス見どころたくさんある街っぽい(全然行けなかった)ですが、見る価値のあるスポットだと思います。
海から400km離れた素敵な水族館、ダラス・ワールド・アクアリウム(その1)
先の冬、ひょんな事でアメリカ合衆国はテキサス州のダラスに行く機会がありまして、一日自由に過ごせる時間があったので、水族館か動物園行きたいなーと調べてみたところ、ダラス動物園は基本的に良い動物園だけど冬期は動物が飼育舎から出てこない……との情報を発見。水族館は季節の影響受けにくかろうと思い、ダラス・ワールド・アクアリム*1に行くことに決めました。
まず、ダラスといえばここ
でもその前に。ダラスと言ったらここでしょ。ケネディ大統領暗殺現場。煉瓦色のビルがかの「教科書倉庫ビル」です。道路に書いてあるバッテンが大統領が被弾したポイントだそうです。実際見てみるとザプルーダー・フィルムの印象より狙撃位置からかなり近かった。時間がなかったので暗殺事件を扱うシックスフロア博物館には寄らず、ダラスのダウンタウンをてくてく歩き、水族館を目指します。
この辺割とこう、ダウンタウンらしいダウンタウンで、左に写っているコンビニで買い物して20ドル札出したら、レジ係のおばちゃんがものすごくしっかり偽札じゃないか調べてた。
無料でのぞける生き物たち
さて、ダラスワールドアクアリムの外周にたどり着きますと、この窓のところから
外からでも飼育されているホシガメなんか見れて、無料でできる良いアピールだなと思いました。
しかもこのカメだけじゃなくてですね
ここがエントランスなんですが(木、めっちゃ邪魔)、エントランスから(お金払って入る)入場ゲートまでの間にもケージ・水槽があり、
ヤシオウムとか
キノボリカンガルーとか
アロワナとか
フェアリーペンギンとかが展示されてます。これらの生き物は水族館自身による紹介としては「ボルネオ」コーナーってまとめられてるんですが実際はボルネオからニューギニア島くらいまでの生き物たちよな。フェアリーペンギンはオーストラリア南岸だし……。ともあれ別に水族館に入らなくても見られる展示があるのはいいなと思うとともに、お金払って見る人にとっても導入展示になっていて巧みな構成だと思います。
オリノコ川をくだってゆく
さて、入場ゲートから入ってまず目の前に広がっているのは、高さを巧みに使って表現されるオリノコ川周辺の風景です。「マヤの世界」と並ぶダラス・ワールド・アクアリウムのメイン・コンテンツエリア。開設当時はオリノコ川流域の大部分を占めるベネズエラとアメリカの関係がこんなにんこじれるとは思われてなかったんだろうな。
さて、オリノコ川流域の樹上に暮らすピグミー・マーモセット。彼らはケージの中なんですけれど、
ミツユビナマケモノは柵や檻なしの手の届きそうな樹上にいます。ブラウンナマケモノが元気だった頃の上野動物園の飼育形態っぽい。新世界ザルはマーモセットに限らずさまざまな種がケージで飼育されてました。
クロコダイルに注意!
看板から下の水槽覗き込むと、クロコダイルがいるのわかるでしょうか……
草に隠れたど真ん中の当たりです。
これは個別水槽にいたアナコンダ。浅瀬に身を潜めてじっと獲物を狙っているようです。実際の自然だと、こういうところにピグミー・マーモセットとか落ちてきたら食われちゃうんだろうな。
通路を進むうちに段々と樹上から水面の生き物の生活という展示に降りていき、なんか、寝てるコビトカイマンの子どもたち水槽や、
チスイコウモリのケージなど、コレクション点数をきちんと活かした水槽が現れます。
さっきは上から見下ろすだけだったオリノコワニが奥に見えますね
さらに順路に従って水面に降りると、ポルカドットスティングレイが大量に泳いでいる水槽が眼下に
で、そこからは見上げる位置にオニオオハシのケージが見えて、本当に熱帯雨林のいる気持ちになれます。マジ蒸し暑いところも含めて。
異常にツヤツヤしたニジチュウハシを見たあと更に階段を下っていくと
オリノコ川の滝壺の底(想定)
巨大な魚たちが悠々と泳ぐ大河の中の様子が見えてきます(想定)。ピラルクやレッドテールキャットフィッシュがたくさんいてじっと見ていて飽きないのですが、
木の板抱えてのんびり泳ぐアメリカマナティー、めちゃめちゃキュートじゃないですか!!もうもう、あまりにもずっと見ていられる展示です。
もう一つの見どころ「マヤの世界」を含めた紹介は
hms-ulysses.hatenablog.com
にて。
2018年夏、開館50年を迎える油壷マリンパークを見に行った
開館50周年だぞ
まあ実は特にそういう意識をせずに「子供の頃に行ったけど今どうなってんのかなあ」ということで友人を誘って行くことにしてたんですが、開館50周年だったんすよ。ってことは以前行ったときは開館20周年くらいだったんだな。
メガロドンの骨格標本がお出迎え。クソでかい、怖い。
本当に暑い日でした。夏の暑さに完全にやられているアシカ。
泳いでる方は涼しそう。
「魚の国」と名付けられた水族館棟。中はこんな感じ。
小さく区切られた水槽が並んでいるのはリニューアル前のサンシャイン水族館とか志摩マリンランドを思い起こさせますね
hms-ulysses.hatenablog.com
入り口付近にあるチョウザメ水槽。古代魚つながりということでアリゲーターガーが混泳していました。チョウザメたち、開館直後くらいからずっと飼育されている長寿メンバーらしく、僕が子供のころ来たとき、同じ個体を見ているのかもしれない……。
昭和レトロなイルカショー
さて、ショーの時間になったので「屋内大海洋劇場ファンタジアム」に。
見て、この昭和感。同行の平成生まれの人が「こういうイルカショープールあるんですね」って一周回った新鮮さを感じてました。
マスコットキャラクターと目がピカピカ光る樹木のキャラクターとの掛け合いとともに進むショーもまたレトロな感じが。
間にアシカがなんかやったりしてる
イルカショーそのものは他の水族館と変わらないんですが、シアターがあまりにも絵になる……
ここはショーに出ないイルカのプール。なんか人影を見ると様子見に来たりしてました。
ところでこれはイルカのプールの横にあったシイラの水槽なのですが、いずれ大水槽で展示されたりするのかな。
レトロさとしての「博物館」ぽさ
サンシャイン水族館とか志摩マリンランドとかっぽいってさっき書きましたけど、水族館が魚単体の能力をフィーチャーするみたいな展示が流行したの時期がまたありまして、水族館棟のパネル展示見ると
緑を識別してそちらに集まるイシダイとか
デンキウナギの発電力展示とか、あるある、こういうの子供の頃によく見た!ってなるんですよね
逆に現代的で博物館的な展示というとラブカの液浸標本とか
メガマウスの標本?模型?があるのが相模湾に面した油壺マリンパークの地元力だなーと思いました。
ところでこれはメガマウスの目です。
回遊水槽の真ん中に展示されているメガマウス、なんかかわいい。
屋外探索が楽しい「かわうその森」
神奈川県の絶滅危惧種を展示する「みうら自然館」は空調がなくてめちゃくちゃ暑かった……。
「かわうその森」はかつてカワウソがいたような水辺を再現していて、水草は繁茂し、魚が泳ぎ、カエルは鎮座していて本当に良い水路なんでしたよ。また行きたい。
その他
こういうの前に出ているの良い。
展望台から見る南側の諸磯崎。なかなかいい眺めです。
ジリジリと太陽に灼かれ、わりにいい時間になっていたので園内のレストランで三崎マグロの丼を頼んで昼食です。実はマリンパークの入園とこの昼食、京急の三崎マグロきっぷを利用しておりまして、かなりお得な感じでした。いや調子に乗ってだいぶビール飲んじゃったのでお得ではなかったかもしれない……
www.keikyu.co.jp
いい機嫌でそのまま胴網海岸まで降りてちょっと磯遊びしたんですが、あまりにも晩夏って感じで良かったです。このあと久里浜のいいお店で一杯やったのですが、それはまた別の話。
大量のマスとチョウザメ!淡水専門の森の中の水族館
さて、↓の「滝ヶ原駐屯地創立45周年記念行事」が終わったあとは
hms-ulysses.hatenablog.com
「森の中の水族館」(正式名称:山梨県立富士湧水の里水族館)へ。一度行ったことはあったのですが、もう10年くらい前なので再訪したかったんですよね。
入り口。行ったの、4/14日だったわけですが、ちょっと気の早い鯉のぼりが。
チョウザメがごろ寝で見れる!!
さて、こちらの水族館といえば外の池をゆうゆうと泳ぐチョウザメやソウギョが見ものの一つ
水族館内ではこれを横から見れるようになっているのですが……
なんといま、横から見れるスペースに畳が!!前来たときはなかったよなあ。
おかげでゴロゴロしながらでかい魚を間近で見れるという、いくらでも時間を潰せる体験ができます。
入れ代わり立ち代わりでかい魚がやってくると楽しい!!!
もう一つの目玉、マス類でいっぱいの二重回遊水槽
もう一つの目玉がこの二重回遊水槽。
大きいところではイトウやアメマス、あとニジマスとかカワマスとかギュウギュウに詰まって泳いでいます。
下に回ってドーム水槽のようにも見ることができます。
魚食性の強い魚が大小混泳しててどうやって水槽内の治安を維持しているのかといいますと、上に回ってみるとわかりやすい。
水槽が2重になっていて大きい魚は外側、小さい魚は内側と棲み分けをしているんです。「透明度の高い富士山の湧水を使用しているからこそ、このようなおもしろい演出が可能になる」というのが水族館の弁。
山梨の生き物たち
もちろん、地元山梨の生き物たちの紹介もしっかりしていて
ありがちですけど、川の上流化下流までの流水水槽があったり、
湖岸の岸辺の水槽があったりします。うまく写真撮れなかったんですが、山梨県内の河川水系、東京湾に注ぐ桂川水系(≒相模川)にはヤマメ、駿河湾に注ぐ富士川水系にはアマゴが生息しており、人間の撹乱で棲み分けをハチャメチャにしてはだめですよと呼びかけていたの、「郷土の博物館」という感じがしました。
ところで、これ、なんかお邪魔しちゃったかな……。
さまざまな工夫
それほど広くないというか、コンパクトと言っていい水族館案尾ですが、その他のスペースにも色々工夫があり、
空いたスペースにはちゃんと両爬がいるし、
読み飛ばされがちな説明板にも読みたくなる一工夫がある。内容についてはノーコメントです。
あと特別展で擬態などで「隠れる」魚介類の展示もよかったですね。
あとこのライトの影めちゃくちゃ可愛くないですか!!!!
展示されている魚のヒレが万全とは言えないなとか、二重回遊水槽を水中から見れるカメラがだいたい故障しているとか、手が回しきれていないなというところもありますが、海無し県の山梨でこれくらい水の生き物をよく見れる水族館があるのは素敵なことだなーと思いました。
なお、水族館に行く前にふらっと寄った道の駅、
道の駅富士吉田のうどんコーナーのコップがすごく富士山でかわいい pic.twitter.com/l8lTPFs2uK
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2019年4月14日
あらこんなところにゆるキャン△が。 場所: 富士山レーダードーム館 https://t.co/ULwt5F0EY5
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2019年4月14日
という感じでよかったことをご報告いたします。