インターネットあっちこっち

おじさんが、水族館や動物園に行ったり、そのへんでお酒を飲むブログです

サクラと富士と、「滝ヶ原駐屯地創立45周年記念行事」

今年こそ富士山麓の駐屯地祭いくぞ

と毎年思いつつ年度初めのバタバタ下した時期で行きそびれていたのですが、今年はどうにか友人連と誘い合わせて4/14の滝ヶ原駐屯地の記念行事に行くことになりました。一部友人は直接行くの遠いのでうちに前泊しつつ


などと馬鹿な会話を……。

都心を7時過ぎに出発、途中結構自衛隊車両を追い抜いた入りして、


https://www.instagram.com/p/BwNrriGglrS/

他にも東部方面隊隷下部隊の車両がちょいちょい走っており、何ぞ規模大きめの演習でもやるのかなといった感じでした。

2時間ちょっとで滝ヶ原駐屯地に到着。
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ちょっと目をやると富士山が目に入って、なかなか雰囲気があります。

Fuji: Images of Contemporary Japan

Fuji: Images of Contemporary Japan

富士山が写り込んでいるというか「見えている」景色を撮影したクリス・スティール=パーキンスの写真集を思い出します。
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普通科教導連隊の駐屯地だけあって、普通科の装甲車両がめちゃくちゃ並んでる!
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標高が高い*1のでサクラは東京に比べて遅れ気味。

バラエティに富んだ観閲行進

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そうこうしているうちに観閲行進が始まり、普通科教導連隊の連隊長の樹閲から、
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今となってはトキよりも少ない89式装甲戦闘車の複数の行進!
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教育支援施設隊の施設作業車や81式自走架柱橋といった施設機材や
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演習の際、対抗部隊となる評価支援隊の96式装輪装甲車なども見られます。作業服は対抗部隊専用の迷彩服だけど車両の塗装は通常と同じかな。
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ヘリ部隊も来た。
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最後はお隣のキャンプ富士から参加のアメリ海兵隊の車両。米軍の参加、最近増えましたね。
なお、9時過ぎの到着だとあまりいい位置取りはできませんでした。バッチリ撮影できる場所取るなら6時くらいには都心出るべきっぽい

余興もあったよ

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観閲行進から訓練展示の間、駐屯地業務隊の消防車が出てきて散水をしていて、あんまり景気よく水撒いてぬかるみできるくらいになっていたのですが、
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災害派遣の救難チームがファストロープで降下してくる展示が行われたのでなるほど、と。念入りに湿らせておかないとヘリのダウンウォッシュで何が飛んでくるかわかったもんじゃない。この他、訓練展示の準備をしている余興の時間で滝ヶ原雲海太鼓の展示が……雲海太鼓???


自衛隊の部活みたいなやつっぽいんですが*2やっぱり『マッドマックス 怒りのデス・ロード』といって差し支えない感じがしますね……でも出番を終えて退場する人たちめっちゃいい笑顔でした……

機甲戦力大盤振る舞い!訓練展示

さて、そうこうしているうちに訓練展示の準備が整ったようで*3、富士山を背にして左手側の「敵」陣地に向かい、まずはUH-1がAH-1の護衛のもと偵察チームを送り込みます。
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ついで87式偵察警戒車が進入。
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さらに16式機動戦闘車がやって威力偵察のような機動をとります。
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ついでFH-70、120mm迫撃砲RT、L16 81mm迫撃砲が布陣して火力支援を行います。
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FH-70、まさに目の前で射撃*4する砲声がめちゃくちゃうるさく、観覧エリアの周囲の人々も、いつあれが発砲するか気が気じゃないみたいになってたの面白かった。
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さて、これらの火力支援のもと、92式地雷原処理車や
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70式地雷原爆破装置を搭載した96式装輪装甲車*5が敵の構築した地雷原を処理*6
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10式戦車や
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89式装甲戦闘車が敵陣地に肉薄して
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普通科部隊が敵陣地を占領して展示終了と、いや、大筋は駐屯地記念行事でよくあるやつですが出てくるAFVと車両の量が多くてグッとくる感じでした。やーやっぱ轟々と吼えるエンジン音は心に来ますよね!!

その他、落ち穂拾い

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訓練展示終了後、模擬店でお昼ご飯調達しようとしたんだけど混みすぎてて諦め脇道にそれるとゲートガード?いやゲートからは遠いんだけど隊舎の前に往年の陸上自衛隊装備が並べられていてミリオタ一同で感激、一緒に来ていたミリオタじゃない人々はミリオタ一同の感激を怪訝に眺めるという事態が発生しました。
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観閲行進に参加していた米軍車両も展示されていたのですが、パネルというパネルを開けていた。なんでなんですかね……。



せっかくなので資料館ものぞいてみたのですが
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過去の装備品の展示とか
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災害派遣の記録とかかなり広範に展示していたのは良かったですね。戦前のお札とかまで展示していたもん。
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そして最後の方で、やっぱり富士山登山駅伝の話はここの部隊にとっては欠かせないよね!!!というのが確かめられたのは面白かった。

このあと、富士湧水の里水族館(森の中の水族館)に寄り、紅富士の湯で温泉入って帰ったのですが、それはまた別の話。
そして

読んだ直後だったので、

*1:たぶん600mくらいだと思う

*2:滝ヶ原雲海太鼓 | 陸上自衛隊 滝ヶ原駐屯地

*3:この日は風向きが悪くて場内放送が全然聞こえませんでした

*4:空砲ですが

*5:真ん中奥

*6:した想定

お空が広くて花もきれい、小岩菖蒲園は素敵な空間

梅雨の晴れ間のお出かけに

6月頭の日曜日、あんまりにも良いお天気だったので比較的近所で季節を感じられるところに行ってきました。
https://www.instagram.com/p/BjjRSZDBanE/


こちら小岩菖蒲園です。
小岩菖蒲園 江戸川区公式ホームページ
小岩菖蒲園は京成江戸川駅からスッと歩ける距離にあるのがよいのと、京成江戸川駅に隣接するリブレ京成で買い出ししてから訪れられるという点もとても素晴らしい庭園です。
https://www.instagram.com/p/BjjUW2JhdPD/
これはリブレ京成で買った黒ラベルでいい機嫌になっている時の写真です。

菖蒲、直球にきれい

きちんとした株分け管理で維持されている菖蒲庭園は非常に素晴らしく、写真を撮りながら息を飲むばかりでした。
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菖蒲園と菖蒲園まつりについてはこちらから
小岩菖蒲園 江戸川区公式ホームページ

菖蒲以外にも見どころあります

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なんでもこの江戸川菖蒲園のあたり、モウセンゴケの一種の食虫植物であるムジナモの日本における発見の地であったらしく、記念碑とともに、この日は保護団体の方々が広報ブースを出してらっしゃいました。
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ムジナモと餌のミジンコ。展示パネルによると栽培ノウハウはまだ確立されておらず、大規模な繁殖は難しいっぽかったです。食虫植物、一周回って水質とか土壌に敏感そう。
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睡蓮はもうちょっと先ですかね。
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水辺いろいろ生き物がいるらしく、オタマジャクシ捕りとか
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ザリガニ釣りをする人々でも賑わってました。
あとですね、アジサイもきれいでした。ショウブが終わってもあじさいだけでも楽しめるのでは。
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消防救助艇「おおえど」お披露目、「水の消防ページェント2018」

今年もやってきました東京消防庁消防船と消防ヘリによる「水の消防ページェント」。新造消防救助艇「おおえど」の一般へのお披露目が行われるということで2年ぶり3度めの見学に向かうことしました。バスの時刻を間違えて例によって開始直前の晴海入り。展望デッキはほぼいっぱいだったので、端っこの方にそっと陣取ります。


https://www.instagram.com/p/BjQ1cQgB1L1/
実施海面に集まり始めた消防艇たち。
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水の消防ページェント開始!

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例年通り、まずはじめにえらい人の挨拶や消防少年団の行進、ついで東京消防庁音楽隊やカラーガードの行進などがある…のですが、今ひとつ見えにくい位置だったり……。
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そして受閲部隊指揮官*1の人が指揮艇に乗り込みます。
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分列航進の開始に備えて豊洲大橋の手前で待機する消防艇たち。
各船艇・ヘリの説明は以下のエントリで。
hms-ulysses.hatenablog.com

以下スナップのみ。










「おおえど」お披露目放水演技

分列航進に続いて放水演技が開始されます。
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上にはヘリが控え、「ありあけ」「かちどき」「ミヤコドリ」による盛大な放水の幕の中から
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じゃーんと現れてくるのが最初に書きました消防救助艇「おおえど」。紅白の放水でハレの場を演出するのとってもジャパンな感じですね。
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埠頭の近くによって来てのご挨拶。
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「屈折式放水塔体」を伸ばしたり、その場で旋回して小回りの良さをアピールしたり、全力放水をしたりと暫しのお披露目タイム。なお「おおえど」の一般公開の見学記を下のエントリに書きました。一部写真かぶってますがよろしければ合わせてご覧ください。
hms-ulysses.hatenablog.com

海空一体と消防演技

さて続いては消防演技。
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東京水辺ライン水上バス「さくら」にて火災が発生したとの想定。
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火と煙に耐えられなくなった乗客が水面に飛び込んでいきます(という想定)。
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これを水難救助艇や
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ヘリコプターが次々と救助していきます。
そういえば今年はロープからの救助員降下じゃなくて、直接ダイビングエントリーしてましたね。
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水難救助艇は救助した被災者を救急救命機能が高い「みやこどり」へ移乗させます。
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一方その頃「さくら」は大炎上、消防艇による放水で消火が試みられています。まあ実際こんな勢いで放水してたら「さくら」あまり時間が経たないうちに沈没してしまうのでこれは見栄え重視のやつ。
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ヘリからも被災者を移乗させ……
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被災者の中に容態が悪い人がいたので「ひばり」から救急救命士が降下。
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そして「おおたか」が重症者をストレッチャーごと吊り上げて陸地の病院へ向かいます。
しかしあれですね、「ひばり」と「おおたか」名前と機体のサイズ感が逆……。
このあと「さくら」は「おおえど」に曳航されていくんですが位置が悪くていい写真撮れませんでした。
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最後は消防艇隊とヘリ隊が揃って
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5色の放水とヘリの散開でキメます!

今年もユニーク、フェアウエルセレモニー

最後はフェアウェルセレモニー。船が元の配備場所に帰るための「さよなら航行」です。「水の消防ページェント」では毎年趣向が凝らされています。
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ヘリでは普通に隊員さんが手を振っています。
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「すみだ」が恒例の「海の安全の願って」垂れ幕を掲げて、東京消防庁のマスコットキャラクター「キュータ」を乗せて消防艇隊の先陣を切ります。
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そして水上バイクマリオカートに扮し、
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「はやて」と「しぶき」と「きよす」にはそれを追いかけるマリオワールドのキャラクターたち。しかし、真ん中のピーチ姫のやっつけ感がいい。
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はまかぜ」はディスコっぽい人に映画泥棒もいて、これよくわかんねなもう。
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「きよす」は各種ユニフォームや火災、水難救助の際の装備などを着用して紹介。まじめな感じ。
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「ありあけ」はラグビー日本代表のレプリカユニフォームを着用。
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会場警備にあたっていた海上保安庁東京海上保安部の監視取締艇「かぺら」も参加。何故か場内アナウンスでは常に「巡視艇」呼ばわりされていた。
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そして最後に「かちどき」が「ご来場の皆さまの健康と繁栄を祈って」と鯉のぼりを飾って登場。
「おおえど」「みやこどり」はこの後の一般公開に備えてフェアウェルセレモニーは不参加でした。

以上で水の消防ページェントおわり!
いつも見どころが多く、2018年は1時間弱があっという間でした。晴海じゃなくて対岸の豊洲ぐるり公園から見るという手もあるなーと思い今から来年どうするか検討しているところです。

*1:確か臨港消防署長

水の消防ページェント2018に参加した消防艇とヘリコプターたち

2018年の「水の消防ページェント」については下掲のエントリをご覧ください
hms-ulysses.hatenablog.com

自分の過去エントリ流用しつつ水の消防ページェント2018に参加した消防艇とヘリコプターたちをご紹介。

消防艇

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臨港消防署配備の指揮艇「はやて」。現場指揮のための高速艇。受閲指揮官として臨港消防署長が乗り込んでいます。
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臨港消防署配備の水上スクーター、「風神」と「雷神」。スピードを活かした水難救助と情報収集に用いられる。この写真では見えにくいんですが後部に落水者が掴まったり、意識のない落水者を水面から引き揚げるためのライフスレッドと呼ばれる大型のビート板を装備しています。
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臨港消防署配備の高速水難救助艇「しぶき」。水難救助艇なので登舷礼をしている隊員さんはいわば「仕事着」のウェットスーツを着ていますね。水深のごく浅い水域を進むために、アウトドライブ*1を水面上に跳ね上げて櫂で進むこともできるとのこと。*2
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臨港消防署配備の高速艇「はるみ」。「東京消防庁で一番の速さ誇る水難救助艇です」とのこと。*3「しぶき」が35ノット出る旨、消防署の紹介ページに書いてあるので*4、「はるみ」は実際40ノットくらい出るのかな。こちらの隊員さんもウェットスーツ着てますね。なお水難救助専門ではなく放水銃とホースを接続する放水口を装備しており、消火作業にも従事できる。
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日本橋消防署浜町出張所配備の消防艇「はまかぜ」。こちらも放水銃を装備しており、水難救助艇兼消防艇として活動する。スクリューその他を持たないウォータージェット推進*5のため、浅い水域でも航行可能。艇尾に網張ってあるのは水面へのアプローチをする作業エリアとするため。
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日本橋消防署浜町出張所配備の消防艇「きよす」。「はまかぜ」の同型艇。この2隻、清洲橋か新大橋で隅田川渡ると、両端の間の川岸(浜町出張所裏手)に停泊しているのを度々見かけます。
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高輪消防署港南出張所配備の化学消防艇「かちどき」。普通、消防艇は周囲の川の水・海水をエンジンで吸い上げて消火用水にしているが、「かちどき」が化学消防艇と言われる所以は、船体内のタンクに消火剤を搭載しており、これを吸い上げた消火用水に混合することで危険物火災に対応する能力を高めているところにあります。
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高輪消防署港南出張所配備の化学消防艇「ありあけ」。「かちどき」の同型艇で、平成28年末就役の新鋭艇。
なおここまでの消防艇はみな、浅い水域でも活動できるように喫水*6が浅く、また水上に出ている部分は極力高さを抑えて低い橋梁の下を通過できるように工夫が凝らされている。「ありあけ」「かちどき」の場合、船体中央の放水銃の装備されたマストはそのままパタンと後ろに倒れるようになっている。
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臨港消防署配備の化学消防艇「すみだ」。今までの消防艇とは逆に、沿岸部のコンビナートや大型船舶での火災時に高所から放水できるよう、最大15mまで伸びる放水塔を装備している。毎分7000Lの放水砲を2基、毎分5000Lの放水砲1基を装備し、合計放水能力は1万9000リットル/分。
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臨港消防署配備の化学消防艇「みやこどり」。東京消防庁最大の消防艇。こちらも中央部の放水塔が伸縮可能。また沿海区域*7を航行可能な装備を持ち*8緊急消防援助隊の水上部隊として日本各地の災害現場に赴くことができる。この他に大規模災害時の傷病者に対応するため、応急処置用ベッドを合計14床搭載、このうち上甲板*9救護室のベッドは高規格救急車のものと同等という。現場指揮艇となるための作戦室、ヘリコプターTV映像受信装置、追尾機能付きの赤外線カメラなども装備している*10。毎分1万5000Lの放水砲を2基、毎分1万Lの放水砲を2基、毎分5000Lの放水砲を伸縮放塔上に2基装備しており、その他の放水口と合わせて合計放水能力は7万リットル。
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臨港消防署配備の消防救助艇「おおえど」。この水の消防ページェント2018でお披露目された最新鋭艇です。
詳しくはこちらをご覧ください
hms-ulysses.hatenablog.com

消防ヘリ

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中型ヘリコプター「つばめ」。エアバス・ヘリコプター社のベストラセラー双発ヘリコプター、(旧名)AS365N3を東京消防庁仕様にしたもの。吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能。ヘリコプターに詳しい人はご存知かと思いますが、「フェネストロン」というテイルローターが機体の中に取り込まれたような形状になっているのが特徴です
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中型ヘリコプター「おおたか」。「つばめ」と同型機ですが見た印象が異なるの、「おおたか」が総務省消防庁保有機で塗装が異なるためです。総務省消防庁保有で自治体消防に貸し出されている機材、大規模災害に対応するためのものを中心に時々あります。
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大型ヘリコプター「ひばり」。エアバス・ヘリコプター社のベストラセラー大型双発ヘリコプター、(旧名)AS332L1・スーパーピューマのの東京消防庁仕様。吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能。しかし今年はヘリからの放水なかったですね、そういえば。

これらの東京消防庁のヘリコプター隊は、新木場の東京ヘリポート内の江東航空センターと立川広域防災基地内の多摩航空センターに配備されています。

*1:舵と推進器が一体となった機械

*2:東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防艇:水難救助艇「しぶき」>

*3:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><はるみ>

*4:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><しぶき>

*5:船体内のエンジンで加圧された水流を噴き出して進む

*6:船のうち水面下に沈んでいる部分

*7:概ね海岸から20km以内の海域

*8:すべての船舶は装備によって航行可能な海域が区別されている

*9:建物の1階に相当する階層

*10:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><みやこどり>

東京みなと祭2018で公開されていた消防艇「おおよど」とミサイル護衛艦「はたかぜ」

東京みなと祭というイベントで毎年「珍しい船の公開」があるのですが、今回は27日の日曜日に一般公開された東京消防庁の消防救助艇「おおえど」と海上自衛隊のミサイル護衛艦「はたかぜ」を見学しました。

消防機関では初のタグボート型消防救助艇、東京消防庁の「おおえど」

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こちらがこの4月に就役した、東京消防庁最新鋭の消防救助艇「おおえど」です。国内消防機関では初*1タグボート型消防救助艇で、(事故発生)船を押すのに適した防護材のついた艇首、船を引っ張る際に作業しやすいよう低く開けた後部が見て取れます。各放水銃、放水砲を合計すると毎分23,000Lの大量放水が可能とのことで、これは海上保安庁の消防巡視船「よど」型を上回ります。

東京消防庁の「おおえど」紹介ページはこちら
東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防艇:大型消防救助艇「おおえど」>

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こちら、真ん中でくの字型に立ち上がっているのが「屈折式放水塔体」。はしご車の一種のスノーケル車と同じように高所からの放水や、先端バスケットを使って消防隊を送り込んだり、被災者を避難させることができます。
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そしてこれは完全に写真では伝わらないんですが、「おおえど」スクリューと舵が一体となった「360°旋回式コルトノズル付きプロペラ」というものを装備しているため、その場から移動せずにぐるんぐるん回ることができます。真横に水流がでているのはわかるかと思います。
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ぐるんぐるん。
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ぐるんぐるんしながらの放水。

乗船しての見学です

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さて上掲までの写真は東京みなと祭り恒例の東京消防庁のイベント「水の消防ページェント」での写真でしたが、ここからはそのイベントのあとの一般公開での写真です。新しい船とあって長蛇の列です。
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艇首。
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「屈折式放水塔体」のアップ。バスケット部はあんまり大きくなくて、いっぺんに大量の人を乗せるという感じではないですね。
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艇尾。黄色い輪が見えますがこれはヘリによる救助活動の目印のための「R」マークの一部。
奥に見えるのは大型化学消防艇「みやこどり」です。*2
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操舵室の真ん中。レバーがエンジンの出力とプロペラの角度を調節するやつだと思います、たぶん……
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海図やレーダー図なんかは液晶ディスプレイにきれいに映っていて、電子化だ!という感じでした。
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操舵室の1層下のスペース。会議室兼有事の指揮所という感じですが、海上保安庁の巡視船にあるOIC*3に比べると控えめなんですよね。これは完全に推測ですが、東京消防庁の船は全艇現場に投入され現場の船として活動することが期待されているのに対し、海上保安庁の船はもうちょい指揮結節がある形での活動を想定されてるんではないかなと。
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後部の救助艇として使われるであろう複合艇とそれの揚収を担うであろうクレーン。
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後部は曳航用の索を取り回す装備が完備されていて、完全にタグボートという感じでした。
なお、




それそれとして

30年選手のベテラン護衛艦「はたかぜ」


https://www.instagram.com/p/BjRJlz_hHX7/
「はたかぜ」型護衛艦、敵が撃ってきたミサイルなどを中距離以遠で迎撃するための護衛艦で、1番艦の「はたかぜ」が就役したのが1986年、30年以上に渡って海上自衛隊で防空を担ってきたベテラン艦です。
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僕が乗艦するのと入れ代わりに退艦していく一日艦長。永吉明日香さんという方が務めれらていた由。
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艦橋とアスロック*4周り。艦橋上の三次元レーダAN/SPS-52*5が「イージス艦以前」のたたずまいですよね。
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ミサイル発射機の射界を邪魔しないように高い位置に据え付けられた5インチ砲。
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Mk13ミサイル発射機。最近の護衛艦/軍艦は、甲板に埋め込み式の垂直発射システムを装備しているものばかりなので、発射機が独立して立ち上がっている形式にはぐっと来ます。
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対潜水艦用の単魚雷発射機にはテプラを駆使した説明板が添えられていました。ベリーベリージャパニーズな光景だ!
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片舷に3発積まれたハープーン対艦ミサイル。4発フルには積まれてないんですよね……。
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後甲板、ヘリも降りられる広いスペースに手旗信号の展示を見る人の群れ。
しかしこの、20mm機銃(CIWS)!!5インチ砲!!20mm機銃(CIWS)!!という配置のグッとくる感じですよ!!!

そして下掲の2カットは「島じまん2018」をやっていた竹芝桟橋から見えた、晴海から横須賀に帰っていく「はたかぜ」。
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*1:消防機関以外では海上災害防止センター保有 http://www.mdpc.or.jp/vigilance/index.html

*2:「みやこどり」についてはこちらのエントリを 東京みなと祭で公開されていた消防艇「みやこどり」と掃海艦「つしま」 - インターネットあっちこっち

*3:指揮所スペース

*4:写真真ん中の箱状のもの。対潜ロケット発射機

*5:黒い四角いやつ