水の消防ページェント2018に参加した消防艇とヘリコプターたち
2018年の「水の消防ページェント」については下掲のエントリをご覧ください
hms-ulysses.hatenablog.com
自分の過去エントリ流用しつつ水の消防ページェント2018に参加した消防艇とヘリコプターたちをご紹介。
消防艇
臨港消防署配備の指揮艇「はやて」。現場指揮のための高速艇。受閲指揮官として臨港消防署長が乗り込んでいます。
臨港消防署配備の水上スクーター、「風神」と「雷神」。スピードを活かした水難救助と情報収集に用いられる。この写真では見えにくいんですが後部に落水者が掴まったり、意識のない落水者を水面から引き揚げるためのライフスレッドと呼ばれる大型のビート板を装備しています。
臨港消防署配備の高速水難救助艇「しぶき」。水難救助艇なので登舷礼をしている隊員さんはいわば「仕事着」のウェットスーツを着ていますね。水深のごく浅い水域を進むために、アウトドライブ*1を水面上に跳ね上げて櫂で進むこともできるとのこと。*2
臨港消防署配備の高速艇「はるみ」。「東京消防庁で一番の速さ誇る水難救助艇です」とのこと。*3「しぶき」が35ノット出る旨、消防署の紹介ページに書いてあるので*4、「はるみ」は実際40ノットくらい出るのかな。こちらの隊員さんもウェットスーツ着てますね。なお水難救助専門ではなく放水銃とホースを接続する放水口を装備しており、消火作業にも従事できる。
日本橋消防署浜町出張所配備の消防艇「はまかぜ」。こちらも放水銃を装備しており、水難救助艇兼消防艇として活動する。スクリューその他を持たないウォータージェット推進*5のため、浅い水域でも航行可能。艇尾に網張ってあるのは水面へのアプローチをする作業エリアとするため。
日本橋消防署浜町出張所配備の消防艇「きよす」。「はまかぜ」の同型艇。この2隻、清洲橋か新大橋で隅田川渡ると、両端の間の川岸(浜町出張所裏手)に停泊しているのを度々見かけます。
高輪消防署港南出張所配備の化学消防艇「かちどき」。普通、消防艇は周囲の川の水・海水をエンジンで吸い上げて消火用水にしているが、「かちどき」が化学消防艇と言われる所以は、船体内のタンクに消火剤を搭載しており、これを吸い上げた消火用水に混合することで危険物火災に対応する能力を高めているところにあります。
高輪消防署港南出張所配備の化学消防艇「ありあけ」。「かちどき」の同型艇で、平成28年末就役の新鋭艇。
なおここまでの消防艇はみな、浅い水域でも活動できるように喫水*6が浅く、また水上に出ている部分は極力高さを抑えて低い橋梁の下を通過できるように工夫が凝らされている。「ありあけ」「かちどき」の場合、船体中央の放水銃の装備されたマストはそのままパタンと後ろに倒れるようになっている。
臨港消防署配備の化学消防艇「すみだ」。今までの消防艇とは逆に、沿岸部のコンビナートや大型船舶での火災時に高所から放水できるよう、最大15mまで伸びる放水塔を装備している。毎分7000Lの放水砲を2基、毎分5000Lの放水砲1基を装備し、合計放水能力は1万9000リットル/分。
臨港消防署配備の化学消防艇「みやこどり」。東京消防庁最大の消防艇。こちらも中央部の放水塔が伸縮可能。また沿海区域*7を航行可能な装備を持ち*8、緊急消防援助隊の水上部隊として日本各地の災害現場に赴くことができる。この他に大規模災害時の傷病者に対応するため、応急処置用ベッドを合計14床搭載、このうち上甲板*9救護室のベッドは高規格救急車のものと同等という。現場指揮艇となるための作戦室、ヘリコプターTV映像受信装置、追尾機能付きの赤外線カメラなども装備している*10。毎分1万5000Lの放水砲を2基、毎分1万Lの放水砲を2基、毎分5000Lの放水砲を伸縮放塔上に2基装備しており、その他の放水口と合わせて合計放水能力は7万リットル。
臨港消防署配備の消防救助艇「おおえど」。この水の消防ページェント2018でお披露目された最新鋭艇です。
詳しくはこちらをご覧ください
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消防ヘリ
中型ヘリコプター「つばめ」。エアバス・ヘリコプター社のベストラセラー双発ヘリコプター、(旧名)AS365N3を東京消防庁仕様にしたもの。吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能。ヘリコプターに詳しい人はご存知かと思いますが、「フェネストロン」というテイルローターが機体の中に取り込まれたような形状になっているのが特徴です
中型ヘリコプター「おおたか」。「つばめ」と同型機ですが見た印象が異なるの、「おおたか」が総務省消防庁の保有機で塗装が異なるためです。総務省消防庁保有で自治体消防に貸し出されている機材、大規模災害に対応するためのものを中心に時々あります。
大型ヘリコプター「ひばり」。エアバス・ヘリコプター社のベストラセラー大型双発ヘリコプター、(旧名)AS332L1・スーパーピューマのの東京消防庁仕様。吊り上げ救助装置や機内担架を装備し、外部装備を取り付けることで空中消火にも対応可能。しかし今年はヘリからの放水なかったですね、そういえば。
これらの東京消防庁のヘリコプター隊は、新木場の東京ヘリポート内の江東航空センターと立川広域防災基地内の多摩航空センターに配備されています。
*1:舵と推進器が一体となった機械
*2:東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防艇:水難救助艇「しぶき」>
*3:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><はるみ>
*4:東京消防庁<臨港消防署><消防署案内><配置消防艇><しぶき>
*5:船体内のエンジンで加圧された水流を噴き出して進む
*6:船のうち水面下に沈んでいる部分
*7:概ね海岸から20km以内の海域
*8:すべての船舶は装備によって航行可能な海域が区別されている
*9:建物の1階に相当する階層
東京みなと祭2018で公開されていた消防艇「おおよど」とミサイル護衛艦「はたかぜ」
東京みなと祭というイベントで毎年「珍しい船の公開」があるのですが、今回は27日の日曜日に一般公開された東京消防庁の消防救助艇「おおえど」と海上自衛隊のミサイル護衛艦「はたかぜ」を見学しました。
消防機関では初のタグボート型消防救助艇、東京消防庁の「おおえど」
こちらがこの4月に就役した、東京消防庁最新鋭の消防救助艇「おおえど」です。国内消防機関では初*1のタグボート型消防救助艇で、(事故発生)船を押すのに適した防護材のついた艇首、船を引っ張る際に作業しやすいよう低く開けた後部が見て取れます。各放水銃、放水砲を合計すると毎分23,000Lの大量放水が可能とのことで、これは海上保安庁の消防巡視船「よど」型を上回ります。
東京消防庁の「おおえど」紹介ページはこちら
東京消防庁<組織・施設><消防装備><消防艇:大型消防救助艇「おおえど」>
こちら、真ん中でくの字型に立ち上がっているのが「屈折式放水塔体」。はしご車の一種のスノーケル車と同じように高所からの放水や、先端バスケットを使って消防隊を送り込んだり、被災者を避難させることができます。
そしてこれは完全に写真では伝わらないんですが、「おおえど」スクリューと舵が一体となった「360°旋回式コルトノズル付きプロペラ」というものを装備しているため、その場から移動せずにぐるんぐるん回ることができます。真横に水流がでているのはわかるかと思います。
ぐるんぐるん。
ぐるんぐるんしながらの放水。
乗船しての見学です
さて上掲までの写真は東京みなと祭り恒例の東京消防庁のイベント「水の消防ページェント」での写真でしたが、ここからはそのイベントのあとの一般公開での写真です。新しい船とあって長蛇の列です。
艇首。
「屈折式放水塔体」のアップ。バスケット部はあんまり大きくなくて、いっぺんに大量の人を乗せるという感じではないですね。
艇尾。黄色い輪が見えますがこれはヘリによる救助活動の目印のための「R」マークの一部。
奥に見えるのは大型化学消防艇「みやこどり」です。*2
操舵室の真ん中。レバーがエンジンの出力とプロペラの角度を調節するやつだと思います、たぶん……
海図やレーダー図なんかは液晶ディスプレイにきれいに映っていて、電子化だ!という感じでした。
操舵室の1層下のスペース。会議室兼有事の指揮所という感じですが、海上保安庁の巡視船にあるOIC*3に比べると控えめなんですよね。これは完全に推測ですが、東京消防庁の船は全艇現場に投入され現場の船として活動することが期待されているのに対し、海上保安庁の船はもうちょい指揮結節がある形での活動を想定されてるんではないかなと。
後部の救助艇として使われるであろう複合艇とそれの揚収を担うであろうクレーン。
後部は曳航用の索を取り回す装備が完備されていて、完全にタグボートという感じでした。
なお、
あ、忘れる前に書きますけど、東京消防庁の消防救助艇「おおえど」、パンフレットとかで、被災船に部隊を投入できるみたいなことが書かれているけれども、これは「おおえど」配備の隊員+連携隊として増強される陸上隊員のことらしく、え、つまり臨港消防署のポンプ隊船舶火災対応の訓練受けてるの……
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年5月27日
連携隊が増強されるという話までは一般公開で船上にいた消防の人に聞いた話です。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年5月27日
「おおえど」導入したことで、東京消防庁は被災船舶に隊を送り込んで対処する能力と、被災船舶を曳航して状況をコントロールする能力を備えることが求められるわけで、自治体消防としては相当踏み込んだなというふうには思いますね。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年5月27日
それそれとして
冷静に考えると、「しぶき」とか「はやて」といった事象の名前とか、「ありあけ」「かちどき」みたいな地名に因んだ船名をもつ艇隊に、「おおえど」という船名をぶち込んでくるセンスやばくない?
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年5月27日
30年選手のベテラン護衛艦「はたかぜ」
はたかぜ、5インチ砲ももちろんそうなんだけど、イルミネーターがいいんだよな…… https://t.co/XUVtEPSg4z
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) May 27, 2018
「はたかぜ」型護衛艦、敵が撃ってきたミサイルなどを中距離以遠で迎撃するための護衛艦で、1番艦の「はたかぜ」が就役したのが1986年、30年以上に渡って海上自衛隊で防空を担ってきたベテラン艦です。
僕が乗艦するのと入れ代わりに退艦していく一日艦長。永吉明日香さんという方が務めれらていた由。
艦橋とアスロック*4周り。艦橋上の三次元レーダAN/SPS-52*5が「イージス艦以前」のたたずまいですよね。
ミサイル発射機の射界を邪魔しないように高い位置に据え付けられた5インチ砲。
Mk13ミサイル発射機。最近の護衛艦/軍艦は、甲板に埋め込み式の垂直発射システムを装備しているものばかりなので、発射機が独立して立ち上がっている形式にはぐっと来ます。
対潜水艦用の単魚雷発射機にはテプラを駆使した説明板が添えられていました。ベリーベリージャパニーズな光景だ!
片舷に3発積まれたハープーン対艦ミサイル。4発フルには積まれてないんですよね……。
後甲板、ヘリも降りられる広いスペースに手旗信号の展示を見る人の群れ。
しかしこの、20mm機銃(CIWS)!!5インチ砲!!20mm機銃(CIWS)!!という配置のグッとくる感じですよ!!!
そして下掲の2カットは「島じまん2018」をやっていた竹芝桟橋から見えた、晴海から横須賀に帰っていく「はたかぜ」。
竹芝桟橋の2階テラス、夜にお酒飲んで、騒がない程度に喋っててよかったら、夜景見ながらダラダラするオフとか楽しくできそう。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) May 27, 2018
*1:消防機関以外では海上災害防止センターが保有 http://www.mdpc.or.jp/vigilance/index.html
*2:「みやこどり」についてはこちらのエントリを 東京みなと祭で公開されていた消防艇「みやこどり」と掃海艦「つしま」 - インターネットあっちこっち
*3:指揮所スペース
*4:写真真ん中の箱状のもの。対潜ロケット発射機
*5:黒い四角いやつ
「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」展
仁和寺はスルーしてアラビアへ。 https://t.co/edymcj8XNl
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 10, 2018
イスラム教以前の遺物たち
最初は人類の出アフリカ後のすぐにたどり着いたのがアラビア半島だよーという説明とともに、石器等の展示から始まります。
人間の顔をどう表現するのかって、結構ブレがあるよなー。
最初期の器、土器じゃなくて石器なんですが、金属ないのに石ここまでするのやばい。
紀元後くらいになると土器がどんどん出てくる。
7つの皿全部に火をつけたらすごい明るそうなランプ。
アラム語系の各言語の碑文です。全くわからない文字がたくさんあるので脳がぐねぐねしました。
流麗なアラビア文字の墓碑とか、神殿の門とか
われら日本人、訓練がないと昔の人が筆で書いた文字を読むの難しいですが、アラビア文字の場合はどうなのかなとちょっと思ったり。
カァバ神殿でかつて使われていた門。
飾りのディティールが薄っすらと残っています。
アフメト1世の銘が入る錠前。寄進物が門とか錠前になるの、やはり偶像崇拝禁止の教義によるという理解でいいのかな……。
最後の展示されているアブドゥルアズィーズ王の遺品に見入る人々。
@銃砲クラスタ アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード国王の銃が展示されていたのですが説明板には「銃」としか書いてなくて。一番上、リー・エンフィールドですかね? pic.twitter.com/WryQqGQt0W
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 10, 2018
これ、銃に詳しい方々に「Gew98の派生型のどれかですが、細部に一般のものと違うところがけっこうあります」と教えていただきました。
動物ピックアップ
上野に行ったけど動物園に行かなかったので代わりに展示品の動物のピックアップを。
葬送用ベッドのウマ。
ライオンのドアノッカー。このへんはかなりモダンな感じで、現在用いられていても違和感なさそう。
授乳中のちょっとかわいいライオンとか、
ラクダたち。このへんは「出土品」って感じがする。
ころっとしてて一瞬うさぎに見えるけど、脚が違いますね。オリックスかな?
ライオ……ラ?イ?、ライオン??
「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」展、イスラム教が広がると一気に美術品の抽象性が上がるのが目に見えて興味深かったのと、アラム文字派生の今まで見たことのない古代文字の石碑がたくさん見れたのが良かった。ラストが初代サウジ国王の顕彰みたいになってたのは大人の事情っぽかった。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 10, 2018
実は初めていったのですが、東京国立博物館表慶館は建物自体も良かった pic.twitter.com/r3s66iDNqK
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 10, 2018
上野公園、花見の準備も進み、少しづつ春の花も咲き始めていました。
早咲きの桜とメジロ pic.twitter.com/uoScgLVByu
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) March 10, 2018
侮りがたし府中市郷土の森博物館/復元建築たち
レトロ小学校校舎の魅力
旧府中尋常高等小学校校舎(主要部)。
1989年まで使われていたということで、レトロなようなそれでいてちょっと生活感が残っているような。
教室の一つが「多摩川ふれあい教室」という名のもとに多摩川に関する資料室になっている。府中市域だけでなく流域全体を取り上げています。
天皇も来た大店
旧田中家住宅。府中宿でも指折りの大店で、「明治天皇が府中近辺に来訪した際には、休憩所や宿所として利用され」たとのこと*1。『半七捕物帳』あたりの感覚で考えると、明治初年の府中は今日の箱根くらいに相当するかと思われます。
式台付き玄関。格式があるやつ。
休憩所/貸座敷を除いて上がることが出来ませんが、中を通り抜けて部屋を見て回ることが出来ます。
土間。右手にある丸いのは説明板によると井戸とのこと。
そして説明板を見ない来場者の人たちが「これなにかなー」「お味噌とか入れてたんじゃない?」って会話をしていて思わず難しい顔になってしまった。
御座所(天皇の休憩・宿泊の部屋)。床の間こそありますけど、天井は特に格天井とかではなくシンプルな感じ。
蔵の中には壁の塗り方の展示。
こちらは向かいにある旧島田家住宅。薬局だったそうです。中には上がれないのですが、おひなさまが飾ってありました。上がれる建物と上がれない建物を分けているのが、府中市というあまり大きくない地方自治体単位でこれだけの復元建築を整備できているキモなのかな。
モダンで小さな町役場
旧府中町役場庁舎。博物館の説明によると「地方自治を謳う大正デモクラシーの風潮のなか、財政難にもかかわらず町民の熱意によって3年かけて建てられました」*2とのこと。色合いがとてもかわいい。
事務室。机10個くらいでいっぱいのサイズ感。人口の小ささもあるかもしれませんが、当時の地方行政の規模の小ささがうかがえます*3。2階の町議会議場も同じサイズ。
旧府中町役場の湯沸室。かまどと囲炉裏両方あるのが興味深い。 https://t.co/56Si92q0Fe
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年2月25日
宿直室が結構広いの、どうしてなんだろう……。
町役場の隣に配された旧府中郵便取扱所(旧矢島家住宅)。もともと名主兼問屋の家が郵便業務を請け負ったということで、言わば簡易郵便局ですね。玄関に木製の郵便ポスト。
こちらも中には入れず外から見て回るかたち。裏には丸ポストが。
様々な農家たち
農家の長屋門
中には「ふるさと体験館」があり伝統的な子供向け遊具があったり、工芸品の制作展示があります。
これかわいいように見えて実は悪夢に出てくるやつじゃん……
府中市域の農家、多摩川の河岸段丘の上にある「ハケ上の農家(水を得にくく畑作中心)」と「ハケ下の農家(低湿地に位置し水害を受けるが水利はいい)」に別れるとのことで、この写真の高低差が実際の多摩川の河岸段丘であり自然堤防を活かした展示になっているのですが
これらハケ下の農家と
ハケ上の農家の差異って一見だけだと難しい。ただ、水場が、ハケ下は水道、ハケ上は水瓶ってなってるのはそこを意識している、のかな。
そしてこれはハケ上の農家の横にあった放水銃です。
公園に馴染んでる https://t.co/x5EPMnS4r7
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年2月25日
建物以外も色々あります
緑の季節に来たらいろいろ咲いてそうな水辺。
復元まいまいまず井戸。水脈が深くにある土地で井戸を掘るために螺旋状に土を掘って施工位置を低くする技法ですね。まいまいず井戸、見た目が面白く名前が可愛い。
縄文集落遺跡の移築。敷石とか古代の人ちゃんとやってるのえらいよな。自分が当時生きていたら絶対基礎なしに小屋を立てる自信があります。
「やすらぎ亭」併設の飲食店の鳥豆腐うどん。うどん、地粉、なのかな……。のぼりがそれっぽく立ちつつ、メニューには言及がありませんでしたが、ともあれ、美味しかった。
*1:旧田中家住宅(府中宿の大店)|公益財団法人府中文化振興財団
*3:戦時中に兵事係の事務増加のため増築されたそうで、総力戦、これだからお前は、という気持ちになります
侮りがたし府中市郷土の森博物館/ウメと博物館本館
ウメを見に行くぞ
毎年この時期になるといっぺん胸いっぱい梅の香りをかぎたいような気持ちになり出かけているのですが、今年は復元建築物が結構あることでかねてより興味を持っていた府中市郷土の森博物館に行ってみることにしました。だらだら家事の午前中から出かけたので午後スタートになりまして
梅と博物館両方見て回れるかチャレンジ。 https://t.co/xCJMMRJHJ5
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年2月25日
「梅まつり」期間中ということで、野点の茶席なども設けられています。
途中、売店でお団子買ったりして。花と団子。「ハケ上団子」というやつらしいのですが、 「飛騨高山直送」という謳い文句になっていて、え、地粉じゃないのが売り???
去年偕楽園で梅見た時も思いましたが、この青味がかった「月影」という白梅の品種が好き。
復元建築の建物があるのでちょっとこうレトロ感のある写真も撮れたり。
2/25時点ではロウバイも盛りは過ぎたものの結構咲き残り、また香りを漂わせていました。
3つのジオラマが圧巻。博物館常設展示。
常設展の導入展示は「くらやみ祭り」について。関東三大奇祭の一つともいわれるだけあり力が入っています。そういや祭りの初めに品川沖で海水を汲むの、多摩川信仰みたいなのが関係あるんだろうか。
縄文集落を再現したジオラマ。
イヌ連れでシカ狩りをしている人たちなど、物語性がある。
東国では珍しい上円下方墳である武蔵府中熊野神社古墳のジオラマ。
武蔵国国府とその周辺を示すジオラマ。双眼鏡か正面のスクリーンに映るアップ画像で詳細を見ることが出来ます。
こちらは府中宿。
近代の府中を経てこのような「多摩川沿いの自然」みたいなジオラマになるんですが、
博物館ロビーにも多摩川の生き物の水槽があったりして、府中市はかなり多摩川流域意識が強いんだなーと思いました。復元建築物のほうだと旧府中尋常高等小学校校舎にも多摩川コーナーみたいなのがあるんですよね*1
企画展でやってる「徳川御殿@府中」も非常に面白かったんですが、撮影禁止だったので、軽く「近世でも100年以上経つと伝承が曖昧になるのだなあ」と書き添えるにとどめます…。
府中市郷土の森博物館、博物館本館がめっちゃ武蔵国国府推しなのは理解できるとして、分倍河原の戦いの後ふわっと後北条氏滅亡ー江戸幕府くらいまで飛んでて、なるほどなーとなった。
— えいち・えむ・えす・ゆりしーず (@hms_ulysses) 2018年2月25日
*1:後のエントリーで触れる予定です